音楽
May’nが『momentbook』で届けるメッセージ│大切な瞬間に寄り添える作品にしたい

「ただそばで寄り添う曲も、ひとつのメインテーマなんじゃないかなって」15周年を越えて訪れた気持ちの変化と新しい音楽づくり──移籍第一弾アルバム『momentbook』をリリースするMay’nにインタビュー

「いつの間にかみんなが楽曲のなかにいるような曲にしたい」

──アルバムの制作期間はどれぐらいで作られたのですか?

May’n:制作は3ヵ月くらいで一気に作りました。ですので、出来立てほやほやの状態で、みんなにお渡しするような感じです。田中さんはそこもこだわっていたようです。長く時間をかけて制作する良さもありますけど、今のMay’nを切り取ったアルバムにしたいからこそ、「今作って今出す」という良さがあるから、と。

──まさに“瞬間”を閉じ込めた作品なんですね。

May’n:そうですね。アルバムっていろいろな良さがありますけど、今のモードで、って思うと確かに寝かしすぎないほうがいいのかなって。過去にタイムスリップして歌詞を書いたものもいくつかあるんですが、そういう音楽をいま出したいと思えたことは、15周年という節目を迎えたからこそで。自分の気持ちとリンクさせながらアルバム制作ができたので、すごく思い入れがあります。

──では新曲について詳しくお聞かせください。オープニングを飾る「Walk with moments」は、May’nさん自身のこれまでと今の気持ちを爽やかなサウンドで届けています。

May’n:「Walk with moments」は自分の歩んできた道を歌にしたいと思ったんです。「メインストリートを歩んできました」とよくお伝えするんですが、メインストリート上の過去、今、未来を歩く歌にしたいなと。

改めて振り返ってみると、この15年間でいちばん通った場所って事務所なんです。事務所のある目黒には、都内を代表する川である目黒川があって、デビュー当時よく散歩していて。今でも時間があるときは中目黒まで歩いているんです。実は目黒川沿いを歩きながら作った曲でもあるんですよ。

──ああ、だから<川沿いのベンチでこっそり涙を拭った日もある>という言葉があるんですね!

May’n:そうです!(笑) その歌詞通り、悩んでる時に川沿いのベンチに座っていて。つまり、メインストリートと目黒川をつなげた曲ですね(笑)。

──なるほど!(笑) タイトルにもある通り、歩くようなテンポ感も印象的です。作曲を一緒に手掛けていらっしゃる田中隼人さんとは、どのように制作をされていったのでしょうか。

May’n:まず私からピアノで弾いたデモを送らせていただいて。改めて一緒にスタジオに入って、メロをアレンジしなおしたり、詰めたりしていきました。このテンポ感にはこだわったんです。少しでも前向きに歩いている歌にしたかったから、ちょっと早歩きかなってくらいのBPMにしているんですが、実際に歩きながら「これくらいの(速さの)曲にしたいな」と決めて。普段目黒川沿いを歩いているとランニングしている人もいて追い抜かされるんですよね。で、そういう瞬間に人生を思って「たまには追い越される時もあるよなあ」と。そういった思いも詰め込んだ曲です。

あと、この曲はみんなで一緒に感じられる曲にしたいなと。自分で曲を作るときってライブを意識することが多いんですけど、コロナ禍でみんなで声を出せないからこそ……いつの間にか、みんなが楽曲のなかにいるような曲にしたいなって。みんなの頭の中でもいつの間にか鳴っている曲にしたかったので、同じメロディを繰り返す構成にもこだわりました。だから歌のテイクも優しくシンプルに、というのを意識しましたね。

──目黒川を歩きながらそういったことを考えていたと思うとすごく身近に感じますね。私も歩きながらこの曲を聴いていたんですが、穏やかで優しい日差しの日にすごく似合う曲だなと。ジャケットの色合いにもピッタリです。

May’n:そう言っていただけるとうれしいです。この曲を作る前に、アルバムのテーマカラーについて話していて。“等身大”“大切な瞬間”が大きなテーマだったこともあって、テーマカラーは優しい色合いが良いよねと。それで“新芽”じゃないですけど、新たなスタートという意味でも青緑に決まって、ジャケットを先に撮っていたんです。緑が生い茂ってる雰囲気をイメージしたとき、川沿いを歩いている絵が浮かんできてこの曲が生まれました。

実はアルバムタイトル『momentbook』という言葉も、最初に決めていたんです。リード曲には「moment」という言葉も入れたかったので、このタイトルにしました。その瞬間、その瞬間を振り返りながら、作ることのできた曲かなと思っています。

──多彩な表情のコーラスも印象的です。あのコーラスが景色をより広げているように感じます。

May’n:田中さんとディスカッションをしているときに「裏メロのコーラスで、上(の音程)を足して華やかにするのはどうですか?」と提案させていただいたんです。あのコーラスを加えたことで景色が広がったなって。

自分は歩みを止めずにひたすら歩いている中で、周りの景色が変わっていたり、四季が移り変わっていたり、いつの間にかいろいろな人に出会ったり……歩みを止めなかったからこその、変化していく景色。そういったものが見える歌にしたかったんです。色が移り変わっていくようなアレンジをしてくださった田中さんにとても感謝しています。

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