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アニメ映画『竜とそばかすの姫』完成報告会見レポート

これまで明かされていなかった竜役のキャストが佐藤健さんだと判明! アニメ映画『竜とそばかすの姫』完成報告会見で細田守監督&中村佳穂さんらキャスト陣がアフレコや物語について語った!

『時をかける少女』や『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』など、数々の人気アニメ映画を生み出してきたアニメーション映画監督の細田守氏。そんな同氏が『サマーウォーズ』と同様にインターネット世界を再び舞台に選んだ最新作『竜とそばかすの姫』が、2021年7月16日(金)より公開となります。

公開10日前となる7月6日(火)には、都内某所で完成報告会見が開催。細田監督に加え中村佳穂さん、成田凌さん、染谷将太さん、玉城ティナさんら出演者キャストが集結し、遂に公開となる作品の魅力や見どころを語りました。

そして、この日に至るまでずっと秘されてきた、主人公のすず/ベルに並ぶメインキャラクター“竜”のキャストが、俳優・佐藤健さんであったことも判明!

本稿ではこのイベントの模様をレポートしていきます。


 

現実とネット、ふたつの世界を描いてきた細田監督の最新作は『美女と野獣』がモチーフ

まずは過去の細田監督の作品や最新作『竜とそばかすの姫』の映像を使った2分30秒前後のスペシャルオープニング映像が上映。その後、中村さんから順番にひとりずつ、出演キャストのみなさんが会場に現れました。

“竜”役のキャストが明らかになったのはこのタイミング。イベントの模様は生配信されていましたが、きっと発表の瞬間はネット上で大いに盛り上がったことでしょう。マスコミ向けのフォトセッションが終了したところで、まずは細田監督から順番にひとりずつご挨拶。

ここで佐藤さんはキャスト解禁について問われると、自身の演じる竜が非常に複雑な心を持った難しい役どころだとコメント。「自分に務まるのか不安でしたが、細田監督の温かいなディレクションの下、なんとか最後までやり切ることができた」と述べていました。

完成したばかりの本作を掘り下げるトークセッションがスタートすると、細田監督は遂に完成を迎えられたことについて問われ「非常に感慨深い」と話します。控室ではキャストのみなさんに会うたび感謝を述べられていたそうですが、「なんて頼もしいキャスト陣なんだろうか、本当に誇らしい気持ちで一杯です」とコメントし、ここでも感謝の気持ちを明かしていました。

続いては今回の映画でも現実世界と仮想世界をテーマにしたことについてが話題に。細田監督は『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』『サマーウォーズ』とこれまで二度にわたってこれらの題材を扱った作品を制作していました。

そのことについて「これまでインターネットの世界と現実の関係性を映画にしてきた事」「その部分を肯定的に描いてきた事」、この2点に関しての自信を露に。そして現実とインターネットの境界が限りなく近づいている、生身の気持ちとダイレクトに結びついていると分析すると、そこを描くことで視聴者の心にも訴えられることがあるのではないかとトークを展開。

さらに、今回の作品のモチーフが『美女と野獣』であることが判明。細田監督によると本作の制作にあたって「インターネットの世界で美女と野獣をやる」という発想が原点にあったそうで、これはどんな作品になっているのか気になってしまいます。

本作は公開前の試写会の実施が無かったそうで、既に視聴済みなのはキャスト陣のみ。そのあたりを訪ねていく場面では中村さんが音へのこだわりについて語ったほか、佐藤さんは「素晴らしかった」「昨日の余韻(※視聴したのはこのイベントの前日だったとのこと)が今もまだ続いているくらい」と絶賛。

続いて、話題はキャスティングについてへ移っていきました。すず/ベル役についてはオーディションが実施されたそうですが、中村さんは自分に声優のオファーが来ると思っておらずこの話を頂いた際はあまりにも現実離れして思えたのか笑ってしまったのだとか。

歌の収録はアフレコ後に行われていたそうですが、自分のこれまでの音楽活動を知ってくれているスタッフのみなさんに感銘を受け、この作品を通じてこれまでの活動と違う一面をどう見せて行くのか、試行錯誤する時間はとても刺激的だったとのこと。

成田さんはそんな中村さんの大ファンだったそうで、アフレコ後の歌の収録を見学したことがあったそう。歌い終わった後は物音ひとつ出してはいけないような空気がスタジオに漂ったそうで、直接心に届くような時間だったとしみじみ語っていました。


 

細田監督は褒めて伸ばすタイプのディレクションを行う

そして、本作におけるもうひとりのキーキャラクターである竜が話題の中心に。佐藤さんは自身が演じるこの役について「仮想世界の悪役で、みんなから怖がられている」「ベルと出会うことで変わっていく」「現実世界では何者なのか」と注目ポイントをいくつかピックアップ。

細田監督はこのキャラクター演じるためには物凄い表現力が必要だと考え、キャスティングが始まる前から佐藤さんにお願いするしかないと考えていたのだとか。佐藤さんはそんな監督の言葉に応えたい想いがあったそうですが、普段の演技とは違うアフレコという作業に苦労があったそうです。

その後は成田さん、染谷さん、玉城さんにお話を伺うことに。成田さんが細田監督作品の大ファンであること、染谷さんが細田監督の過去作『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』に続いて細田監督作品に3回目の参加であることなどはここで判明。

そして玉城さんの話からはアフレコ現場の雰囲気が明らかになっていきます。アニメの現場は初めての経験ばかりだったそうですが、細田監督はディレクションの際に褒めて伸ばすタイプのようで、純粋に「よかった」という言葉をかけて貰えたのだとか。

しかし、今回で3回目の参加となる染谷さんも同じように褒められてはいたようですが、「違うパターンもお願いします」と求められる事も多かったようで、その点ではヒリヒリしたものを感じていた模様。

佐藤さんについては竜の声が想像できなかったことから細田監督に確認したところ「竜っぽい声でお願いします」とのオーダーがあり、それを受け自分の考える竜っぽい声でチャレンジしたそうです。もし違っても調整していくつもりだったとのことですが、監督からはそのままの感じでとの声があり、アフレコ自体も1日で終了したそうです。

佐藤さんは最後まで不安があったそうですが、監督は佐藤さんの演技を見て「一言目からめちゃくちゃ勘がいい」と感じていたそう。だからこそ言うことがなかったようで、かなりのハマリ役であったことが伺えます。これは実際に作品を見て確かめてみるしかありません。

その後は第74回カンヌ国際映画祭 オフィシャル・セレクション「カンヌ・プルミエール」部門に選出されたことについて話していき、最後にマスコミ向けの質疑応答コーナーが実施。

すずが生まれ育ったという設定があることからか、舞台となる高知についての質問が飛び出す一幕も。これを受けて細田監督はいつか行ってみたい場所だと話すと、仁淀川や鏡川の美しさに言及。実際に作品でも描いているようで、美術監督の池信孝さんらスタッフと試行錯誤したこだわりの映像になっているとのことでした。

監督も実際に足を運んでいるそうですが、新型コロナウイルス禍の影響でスタッフを連れた大規模なロケハンは行えなかったといった裏話も飛び出しました。これに対する対策として、高知フィルムコミッションの協力のもとリモートでロケハンが行われたという興味深い話を聞くこともできました。

続いて佐藤さんへ、この日の発表までの心境が問われることに。予告編で既に竜のセリフはあった訳ですが、佐藤さんにとってはどこからどう聞いても自分の声のため、バレないかと冷や冷やしていたそうです。

このほかにも作品と絡めて「現実の自分とは違う存在になるなら?」といった質問や、先ほどのカンヌについて掘り下げる質問が飛び出したところでそろそろイベント終了の時間。

最後に細田監督から、制作の苦労を振り返るようなコメントがありました。前日に行われた初号試写を共有したことで改めてスタッフ・キャストへの感謝が湧いてきたそうで、「どんな方でも楽しめる映画になると思う」と作品への自信を語りました。

いよいよ公開が間近に迫った本作。細田監督渾身の作品となっていることと思いますので、新型コロナウイルスによる難しい状況ではあると思いますが、ぜひ劇場でそんな物語を体感してみてはいかがでしょうか。

 

アニメ映画『竜とそばかすの姫』2021年7月16日(金)全国にて公開!


 
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ストーリー

自然豊かな高知の田舎に住む17歳の女子高校生・すずは、幼い頃に母を事故で亡くし、父と二人暮らし。

母と一緒に歌うことが何よりも大好きだったすずは、その死をきっかけに歌うことができなくなっていた。

曲を作ることだけが生きる糧となっていたある日、親友に誘われ、全世界で50億人以上が集うインターネット上の仮想世界<U(ユー)>に参加することに。<U>では、<As(アズ)>と呼ばれる自分の分身を作り、まったく別の人生を生きることができる。歌えないはずのすずだったが、「ベル」と名付けた<As>としては自然と歌うことができた。ベルの歌は瞬く間に話題となり、歌姫として世界中の人気者になっていく。

数億の<As>が集うベルの大規模コンサートの日。突如、轟音とともにベルの前に現れたのは、「竜」と呼ばれる謎の存在だった。乱暴で傲慢な竜によりコンサートは無茶苦茶に。そんな竜が抱える大きな傷の秘密を知りたいと近づくベル。一方、竜もまた、ベルの優しい歌声に少しずつ心を開いていく。

やがて世界中で巻き起こる、竜の正体探し(アンベイル)。

<U>の秩序を乱すものとして、正義を名乗る<As>たちは竜を執拗に追いかけ始める。<U>と現実世界の双方で誹謗中傷があふれ、竜を二つの世界から排除しようという動きが加速する中、ベルは竜を探し出しその心を救いたいと願うが――。

現実世界の片隅に生きるすずの声は、たった一人の「誰か」に届くのか。
二つの世界がひとつになる時、奇跡が生まれる。

もうひとつの現実。もうひとりの自分。もう、ひとりじゃない。
 

 
原作・脚本・監督:細田守
企画・制作:スタジオ地図
製作幹事:スタジオ地図有限責任事業組合(LLP)・日本テレビ放送網 共同幹事
 
公式サイト
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