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『攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争』田中敦子&大塚明夫&山寺宏一 インタビュー

『攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争』田中敦子さん&大塚明夫さん&山寺宏一さんインタビュー|今までのシリーズを踏襲しながら3DCG化で更に魅力的に!

シーズン1で印象的だったのは、田中さんは1話冒頭、大塚さんは終盤のシーン

――『攻殻機動隊 SAC_2045』シーズン1の中で印象的なシーンやお気に入りのシーンは?

田中:素子に関していえば、1話冒頭の広大なアメリカで、明るい太陽の下、日本での仕事から開放され、バトーたちと行動している様子がイキイキしていて。素子が「ノイズがないって素晴らしいわ」と言ったセリフに象徴されていたので、とても好きなシーンです。

大塚:わかる! わかる!

田中:あとこのシリーズは3DCGになったことで、2Dの時よりもリアルに描かれているものが多いんですけど、後半にトグサがタカシ君を探しに京都に行くシーンがあって、京都の集落やけしの花が咲き乱れる景色、空挺さんが潜伏している小屋など、CG化されたことでよりリアルに描かれていて。その中でも、流れ弾に当たったタカシ君の妹が亡くなるシーンでワンピースの裾が揺れる描写が、周りの風景と相まって印象的でした。

大塚:自分もそこを言おうと思ったのに(笑)。被弾したんだなと思った時のせつなさは忘れがたいですよね。それとバトーが日本に戻ってきた時に年寄りたちが銀行強盗しようとするエピソードがありましたが、あの人たちは今、元気かなとふと思いました。
あと嫌だったことは……。

田中・山寺:嫌だったこと!?

大塚:タカシが学校の廊下で逃げようとしている時に数学教師が教室から出てきて。「奥に誰かいるな。きっとあの子だな」と思った時の嫌悪感といったら。そんなところは2Dの時よりもエグくなっているよね。

田中:見た目がリアルだから、余計にそう感じるのかもしれませんね。

大塚:でもそうやって心に刺さるところもすごいなと思うし、その積み重ねがこのシリーズはとてもおもしろいと思います。「攻殻機動隊」は普段、アニメを観ない大人でも楽しめる作品ですが、今回はそんな魅力に更に磨きがかかっている感じがします。

――トグサが素子たちと合流できた時も感動しました。

山寺:トグサだけ別行動になるのは「攻殻機動隊」ではよくあることですが、第8話で素子たちと合流できたのはいいけど、公安9課のメンバーが今後一緒に行動していくのかは各自の判断に委ねることになって。トグサ自身はやりたいと思っていたけど、テストされて、「トグサは死んだのか?」と思わせたり。「もう一度、9課でいろいろやらかしませんか?」と言った時は「いいセリフありがとうございます」と感謝しました(笑)。

結局、みんな一緒にやることになって、総理大臣に荒巻さんが「本日ここに晴れて新生公安9課が発足致しました」と言って、みんなで前を向くシーンは『Gメン75』(1975~82年に放送された刑事ドラマ)のOPをほうふつとさせるような(笑)。あのシーンはすごく鳥肌が立ったし、テンションが上がりました。

大塚:このシリーズはトグサが主役みたいだもんね。

田中:本当! 本当!

山寺:いやいや。視聴者目線に近いキャラクターだし、ずっと青臭いって言われているけど、裏表ないし、素直な目線で見られるから、そういうふうに描いてもらえているのかもしれないですね。でもみんながピンチの時にタチコマと現れたり、少佐に「トグサ」と呼ばれると「やった! 合流できた!」と嬉しくて。

大塚:山ちゃんは数週間、収録が別の班だったからなかなか会えなかったしね。

山寺:この感覚は昔もあった気がするけど(笑)。

――2Dで描かれていた過去のシリーズと今回のシリーズの収録で違いを感じた点はありますか?

田中:アフレコ自体は特に変わっていなくて。ただモーションキャプチャーのアクターの方が演技されているので、映像に既に音声がある状態で。その音声を聞きながら収録できることによって、口の動きやブレスなどがわかりやすかったです。あと3DCGだったこともあり、海外ドラマや映画の吹き替えに近い感覚がありました。

でも一番違うのはコロナ禍で分散収録になったことです。それと、本作では神山監督が音響監督もされていて、直接ご指示いただけたことで、方向性が見えやすかったです。

大塚:以前は絵しかない状態で収録していたので、自由に芝居をしていましたが、今回はモーションキャプチャーのアクターの方が入って、声やセリフまわしまで似せてくださって。「攻殻機動隊」のセリフは日常的に使わない言葉が多く、覚えて発するとなると流れるように言うのは大変なはずなので、自分ならきっとできないと思います。ですから、3DCGの口パクに合わせたり、呼吸を合わせたりするのも難しくて。ただ3DCGの通りにのっかってしまうとバトーらしさもなくなってしまう。微調整するのは大変でしたね。

山寺:僕は家で事前にモーションキャプチャーの映像を確認して、当日は音声を聞きませんでした。だから普段のアニメの収録と同じやり方で。でもモーションキャプチャーを撮影している現場を一度見学に行きたかったですね。ポスト・ヒューマンの動きはさすがにできないとは思いますけど(笑)。いつもたくさんの方が作品制作に関わられていますが、今回は更に多くの人が加わって。スミス役を演じる曽世(海司)君に至ってはモーションアクターもやって、声の収録でも演じているという。荒巻さんやイシカワのモーションも担当していて、大変だったと思います。

我々は、誰かが芝居したものに上からかぶせたと思われてしまうのはいけないし、その役が生きているように仕上げないといけないので。

あとトグサは3DCGになって、更にカッコよくなってしまって、イケメンなんだなと。最初の劇場版とは違う人みたいで(笑)。でも声が入ったら「トグサじゃん!」と思ってほしいし、我々で良かったなと思ってもらわなければ。

大塚:そこは意地だからね。

(C)士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会
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