連載の悩みは、少女マンガなのに〇〇の1つもない!? アニメ『殺し愛』インタビュー連載企画特別編 原作者・Fe先生＆シャトー役・大西沙織さん対談【後編】

殺し屋のリャンハと賞金稼ぎのシャトーのスリリングな男女の関係性やミステアスな過去、そしてアクション&サスペンスなど、魅力が詰まったアニメ『殺し愛』も先日、最終回が放送されました。

当サイトでは放送を記念したインタビュー連載をお届けしてきましたが、今回はその特別編です。原作者のFe先生と、シャトー・ダンクワース役の大西沙織さん夢の対談が実現しました！

前後編に渡って、お送りしていますが、後編の今回はアニメの全12話を振り返ってみての感想、今後の原作の見どころなどおうかがいしました。

原作の良いところと緩急をバランスよくアニメに！　

――改めて、アニメの映像や台本をご覧になった時の感想をお聞かせください。

原作者　Fe先生（以下、Fe）：7巻分ということで、12話に詰め込むのは大変だろうなと思っていましたが、「ここは入れてほしいな」という大事な場面や、シャトーとリャンハがホームレスの住処にお邪魔したシーンなど息抜き的なところもいいバランスで入れていただけて、きれいにまとめていただけたなと思いました。

シャトー・ダンクワース役　大西沙織さん（以下、大西）：私も原作を読んでいると本筋がありつつも、あいだで小ネタ的に挟まっているお話が多いので、1本のアニメとして作る時、その小ネタ話の入れ方が難しいんじゃないかなと思っていました。

でもシナリオを読ませていただいた時に全く違和感がなく、アニメの脚本として綺麗に1本につながっていることに感動しました。

【コミック】殺し愛(1)

――この作品は、リャンハとシャトーのスリリングな恋愛や狙う者と狙われる者のアクションシーン、2人のミステリアスな過去など緊張感がある場面が多いんですけど、いいタイミングで生き抜きできる部分があることで、疲れすぎず、集中して見られるのもポイントかなと。

Fe：シナリオを決める段階で、少しゆるいシーンをできるだけ入れ込むような方向で進めていただいて。大庭（秀昭）監督と脚本・シリーズ構成の久尾（歩）さんが頑張ってくださいました。

うるさいと思われるかなと心配だった

――先生は、アニメにどのように関われていたのでしょうか？

Fe：制作が始まってから「こんなに進行状況を教えてもらっていいのかな？」と思うくらい、細かくご報告いただいていましたし、私も「ちょっと面倒くさく思われるかも？」というくらい口も出させていただいて（笑）。

一番最初にシナリオ打ち合わせをして、シナリオの決定稿から絵コンテを起こしていただく流れなのですが、最終回の最後のシーンだけ、絵コンテの段階で演出の調整をお願いして、監督にご検討いただきました。

――マンガ原作のアニメ化の場合、シナリオ打ち合わせや収録に立たれる原作者の方もいらっしゃいますが、深く関わっていただくほうが意志の疎通や疑問に答えてもらえるのでやりやすいと、以前あるアニメのスタッフや監督さんからお聞きしたことがあります。

Fe：そうなんですか？　うるさいと思われるかなと心配だったので、そうであったならいいんですけどね。

大西：私たちキャスト陣も、そこまで先生に関わっていただけて嬉しいです。