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『Shenmue the Animation』松風雅也インタビュー

まだ奇跡は終わっていなかったーー未完の大作『シェンムー』のアニメ化は盲点? アニメ『Shenmue the Animation』芭月 涼役・松風雅也さんインタビュー

伝説のゲーム『シェンムー』が初のアニメ化! 『Shenmue the Animation』がTOKYOMXにて現在、好評放送中&各配信サイトにて配信中です!

『シェンムー』とは『バーチャファイター』や『アウトラン』など画期的なゲームを輩出してきた鈴木 裕さんが1999年に発表したアクションアドベンチャーゲームで、オープンワールドと呼ばれる、プレイヤーキャラがどこまでも行ける、無限に広がるゲーム空間や壮大なストーリーと映像美、ハリウッド映画関係者など異業種のクリエイターとのタッグで、ゲーム界とエンタメ界に衝撃を巻き起こしました。2019年には『シェンムー3』が発売されるなど今なお多くのファンに愛されています。

そして、大きな反響と衝撃を与えている『Shenmue the Animation』について、ゲームでは主人公の涼役の声優とモーションキャプチャーを担当し、アニメでも涼を演じている松風雅也さんに『シェンムー』という作品の魅力と『Shenmue the Animation』の見どころなど語っていただきました。

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Shenmue the Animation
1986年、横須賀。芭月道場で生まれ育った芭月涼は、厳格な父のもとで芭月流柔術の腕を磨いていた。しかしある日、謎の男・藍帝に父を殺され、父が守っていた『鏡』を奪われてしまう。必ず事件の真相を解き明かすと決意する涼。しかし父の過去に通じる手がかりを追い求めるうちに、闇組織の抗争に巻き込まれてゆく……。横須賀から香港を舞台に、涼の長い旅が今始まる!作品名ShenmuetheAnimation放送形態TVアニメスケジュール2022年5月3日(火)〜2022年6月30日(木)TOKYOMXにて【配信情報】2022年4月7日(土)~ABEMA・dアニメストアほか話数全13話キャスト芭月涼:松風雅也藍帝:櫻井孝宏シェンファ:照井春佳原崎望:伏見はる香陳貴章:木島隆一ジョイ:M・A・Oレン:平修ウォン:葉山翔太斗牛:鷲見昂大スタッフ原案:鈴木裕(YSNET)原作:セガ監督:櫻井親良シリーズ構成:下山健人キャラクター原案:雨鷹キャラクターデザイン:石川健介美術監督:村本奈津江色彩設計:スタジオ・ロード小島真喜子音響監督:えびなやすのり音楽:澁江夏奈音楽制作:ウェーブマスターアニメーション制作:テレコム・アニメーションフィルム製作:ShenmueProject主題歌OP:「UNDEAD-NOID」伊東歌詞太郎ED:「Sy...

ゲームを遥かに超えていた『シェンムー』。前シリーズから20年の時を経ての続編制作&アニメ化は「奇跡」

――1999年に『シェンムー』というゲームがリリースされましたが、関わられた時はどう感じられましたか?

芭月 涼役 松風雅也さん(以下、松風):『バーチャファイター』や『アウトラン』など画期的なゲームを輩出してきた鈴木 裕さんが映画会社や異業種のクリエイターを巻き込んで、今までになかったゲームを作ろうとしていて。しかも世界まで視野に入れていて、そこに関われたことはすごく光栄でしたし、20代に裕さんと出会えたことはエンタメに関わる人間としても大きかったです。

思い起こせば、プラットホームも新しく開発された『ドリームキャスト』でした。余談ですが、今YouTubeにアップされているセガサターン版の『シェンムー』のデモ、あれ多分本物ですよ。誰も信じてないみたいですけど。当時は少ししか見せてもらえませんでした、「次のハードでもっとすごいことになるからこんなの見なくていい」と。才能ある大人たちが力を結集して作っているものはゲームのレベルを遥かに超えていたと思います。

――『シェンムー』はゲーム界における未完の大作の1つとして語り継がれています。

松風:今はTikTockやYouTubeショートなどが流行ったり、短く手軽に見ようという傾向がありますが、シナリオは全11章構成であったり、横須賀や香港などで物語が展開されるのにオープンワールド(キャラクターがゲーム内で無限に自由に動けるシステム)、細部まで異常なまでのこだわりや作り込みが、『シェンムー2』から20年経ってから『シェンムー3』の発売、そして今回のアニメ化と奇跡のストーリーへつながった気がします。

――アニメ『Shenmue the Animation』の制作が決定した時の感想をお聞かせください。

松風:まずクラウドファンディングによって、ゲームの続編『シェンムー3』が制作されることになったのが奇跡だと思っていました。そしてゲームがリリースされた後にアニメ化も決まって、まだ奇跡は終わっていなかったんだと。ゲームではフルCGに挑戦していましたが、アニメにするという手段が残されていたことも盲点でした。

――今回、久々となる『シェンムー』のアフレコ収録に臨まれた感想は?

松風:2018年の『シェンムー3』の収録以来でしたが、元々、僕は感情優先でお芝居するタイプなので、それほど違和感なく収録に臨むことができました。むしろ僕自身が年齢を重ねてしまったことで声が変わってしまわないかという心配があったくらいで。

『シェンムー1』、『シェンムー2』と、ものすごい量のボイスを収録していたので、懐かしさを感じました。また、普通の収録ではディレクションをいただくことが多いんですけど、この収録では語尾についてとか、「こんなことは言わない」とか僕らの意見が通るんですよね。というか、ディレクターが僕に確認してきて、僕が「稲さん(芭月家のお手伝い)には敬語です」と答える形で(笑)。

――『シェンムー』シリーズの生みの親であり、このアニメでも関わられている鈴木 裕さんは収録に立ち会われているのでしょうか?

松風:はい。でも何も言ってくれないんです。セリフの中で言わなそうな表現やニュアンスがあるなと思っても誰も指摘してくれないから、僕から「すみません。どうしてもこれでいきたいのならいいんですけど、こんなことないと思うんです」と問いかけると「確認します」と。そこで修正することも結構ありました。そして収録後に裕さんから「助かったよ」と言われて。「20年ってそういうことなんだな」と思いました(笑)。

――今回はどなたと一緒に収録されることが多かったのでしょうか?

松風:この作品も分散収録の形でしたが、回ごとに一番絡む人たちと4人くらいで収録しました。例えば藍帝と戦っている時は櫻井(孝宏)さんと一緒でしたね。ちなみにゲームの収録ではチームを分けて収録してシーンや選択肢によってランダムに組み合わせる形が普通なのに、今回は話す相手が変わるごとに収録していました。

例えば、ある場所でいろいろな人に話しかけるシーンでは「すいません」を何度も変えて録って。そのうち、「男子供」「女子供」「青年男」などで分けるようになりましたが、それでも8パターンありましたから。また組み合わせて再生してみておかしかったら、言葉や言い方を変えて再度録り直したり、大変でした。アニメでは1つのシーンで1つのパターンだけ録ればいいし、ゲームと違って絵も相手も決まっているのでやりやすかったです(笑)。

ただゲームの中のムービーシーンで、僕が涼のモーションキャプチャーをやっていたので、この動きの時にどんな表情や声を出せばいいのか、わかっていますが、アニメでは僕が実際に動いているものに声をあてるのではなく、まだ絵で描かれた、完成映像ではないものを見ながらの収録だったので、アクションシーンでは「ここは回し蹴りをしているんですか?」とか「攻撃をかわしたんですか?」と1つひとつ確認しながら収録したところもゲームとアニメでは違いました。

 

(C) SEGA / Shenmue Project
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