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『それらじ』声優・植田ひかると春木めぐみインタビュー!【前編】

連続コント動画作品のPR番組『其れ、則ちラジオ。』、声優の植田ひかるさんと春木めぐみさんに前代未聞の公開インタビューしてきた【前編】

インタビューの途中ですが……!

インタビューの冒頭の様子を、ほぼ忠実にお伝えしたのが上述したような感じです。公開されたラジオそのまま、とはいきませんが、以後は文章として読みやすく、なおかつ出演者さんの意見を最大限に尊重した原稿に加工させていただきます。ラジオ内の音声と大幅な差異が生じる可能性が高いですが、ご理解ください。

仕切り直しまして……植田ひかるさんと春木めぐみさんにインタビュー

――担当するキャラクターの紹介をお願いします。

春木:チヅルちゃんはお笑い芸人が好きな、前向きでポジティブな面を持っている普通の女の子です。ですが、少し自分に自信がなく、いつもおもしろいことを発信しているハジメちゃんに憧れを持っています。

植田:私が演じるハジメちゃんは、周囲と打ち解けることが苦手な大学生です。基本的にはおとなしい子ですが、自分の中でスイッチが入ると元気になる、ちょっと変わった女の子です。

石ダテ:誰かに似てますね。

植田:そうなんです。チヅルちゃんはちょっとはるちゃんに似ていて、ハジメちゃんも少しキャスト(植田)とかぶるところがあると言われているそうです。

石ダテ:御本人は認めたくないみたいなんです(笑)。

春木:すごく似ていると思う!

植田:そうなんです……。私はハジメちゃんに似ていると言われちゃってるんです。私は大学生じゃないのに。

春木:それ以外は似ているってことですよね?(笑)

植田:私は吉崎観音先生に描かれていないし、無人島にも行ったことがありませんし。

春木:そういうことじゃなくて性格の話です。要するに、本人そっくりってことです!(笑)

――では次の質問です。キャスティングが決まったときの感想は?

春木:とても嬉しかったです。チヅルちゃんはオーディションを受けたときに、自然に演じられると思えたキャラクターなんです。だから「受かった」と聞いたときは、「え? 私が!?」という感情よりも、「よかった~」といった感じでした。

石ダテ:「私のところにキャラクターが来てくれた」みたいな感覚?

春木:そうですね。いまとなっては……ですけど(笑)。

――そこまでやりきったと思えるのなら、もし受かっていなかったとしても悔しくなかった?

春木:そうかもしれませんね。実はオーディションでハジメちゃんもチヅルちゃんも受けさせていただいたのですが、演じていて「私はチヅルちゃん側だろうな」と思っていました。

――では植田さんは?

植田:私は日々、様々なオーディションに参加させていただいていますが、その中でハジメちゃんは特に強く「受かりたい」と思えたキャラクターです。なので、受かるためには何が必要かを考えてオーディションに挑みました。そして、受かったと報告を受けたときは「嬉しい」という感情よりも、「覚悟を決めてやろう」という思いの方が強かったです。

キャストがモーションアクターも兼任する3DCG作品! 動きも音声も同時収録する過酷な現場

――3DCG作品ですが、どのような収録を行っていますか?

春木:モーションキャプチャーをするので、黒い全身スーツを着て、水泳帽をかぶって収録しています。えっと……乳首……(笑)。

――えっと、何の話でしょうか?(笑)

石ダテ:説明しますと、モーションキャプチャー用のスーツのあちこちに、小さな球体のセンサーがついているんです。それを読み取って3Dキャラクターの動きを収録するんです。

春木:そうなんです! その球体が「乳首」と呼ばれていたんです。収録中にそのセンサーが外れると、「やばい乳首とれてる~」とか言ったり(笑)。

植田:「乳首がずれてます」とか「乳首が落ちたよ」とかね!

一同:(笑)

――楽しそうな現場ですね!

植田:そのセンサーは「乳首」と呼ばれているのに、本来乳首がある部分にはなくて、ちょっとずれた位置についているんです!

――すみません。収録現場の様子を伺いたかったのですが(笑)。

春木:そうでした(笑)。その乳首を機械で読み取って、キャラクターの動きをキャプチャーしています。キャプチャースタジオには私たちから見える位置にモニターがふたつあって、ひとつはキャラクターの動きをリアルタイムに確認するためのもので、もうひとつにセリフが表示されてるんです。

植田:ちなみに、そのスタジオは問題点が3つもあるんです。

――問題点ですか?

植田:ひとつめは「Tポーズ問題」です。長時間収録を行っていると、なにかのタイミングでセンサーが誤動作をしてしまい、キャラクターが全身複雑骨折みたいになっちゃうんです。なので、そのたびに収録を中断させて、キャリブレーションを行っています。そのポーズを「Tポーズ」と言います。

――技術の問題なら、仕方ないですね。

植田:さらに、モーションキャプチャーでキャラクターを動かしているので、実際の私たちの動きと、キャラクターの動きがまったく同じにはならないんです。画面の中のキャラクターと私たちの動きは、若干異なっているんです。

春木:手を合わせたり、体育座りしているシーンを録るときは苦労したよね。

石ダテ:補足説明いたしますと、キャラクターの頭身と人間の頭身は違うので、同じポーズをすればよいわけじゃないんです。膝から足首までの長さとかが違いますからね。なので、実際のCG画面を見ながら、ご自身のポーズを修正していただきました。

春木:そうなんです。なので、スタジオにある画面を見ながら収録しています。キャラクターの動きを確認しつつ、もうひとつのモニターでセリフを読むんです。

――目が忙しいですね。

植田:最初のころはパンクを起こしていましたが、慣れてくるとできるようになりました。それが、第二の問題の「体力の問題」です。

――体力の問題ですか?

植田:身体で動きをしながらセリフを読む収録を長時間していると、私は途中でスタミナ切れを起こしてしまいます。私ははるちゃんよりもお姉ちゃんなので、ゼェゼェしちゃうんです(笑)。実はコントのシーンはノーカットで収録しているため、同じコントを何度もやり直しています。

――部分的にリテイクできないのですね! 平均何回くらい収録しますか?

石ダテ:平均7~8回だと思います。最多で10回やっていただいたことがありますね。

植田:そんなにやりましたか!? しかもコントはけっこう尺があるので、体力を使ってしまいます。おもしろいことに、そういう過酷なシーンを収録していると、私たちの体調が作中のキャラクターと似てくることがあるんです。

――どういうことでしょうか?

植田:例えばキャラクターが不安になっているシーンで、演者側も不安になっていたり。キャラクターが疲れているシーンで、私たちも同じく疲れていたり。なぜかシンクロするんです。

――収録時間が長いと、疲れてしまいそうです。

石ダテ:毎回の収録は8時間くらいあるんです。

――えっ!? 8時間ですか?

春木:そうなんです! 午前10時から夜の8時までです。休憩を挟むので、8時間くらい収録しています(笑)。

石ダテ:本当は4話分まとめて収録したいのですが、実際は2話くらいしか録れないんです。8分のコントを10回やると、それだけで80分になってしまいますからね。キャストのおふたりは、80分も舞台に立って演じているような感覚だと思います。だから休憩をはさみながら収録しています。

――それは休憩をはさんでもきつそうです。

石ダテ:植田さんは毎回、途中で2時間くらいオーバーヒートする時間があるんです。

春木:ありますね(笑)。

石ダテ:その間は何を言われても無反応です。でも、必ず後で復活するんです。あの時間は、システムの修復プログラムでも動かしているのかなと思ってます。

一同:(笑)

植田:私は複雑な設定を言われてテンパってしまいます。『それすけ』の現場は、私がやりやすいお芝居をしてもオーケーをもらえないんです(笑)。

春木:そうそうそう! 植田さんが困りながらがんばってやっている方がおもしろい仕上がりになります(笑)。

――なら、イジワルでオーケーを出さないわけではないのですね(笑)。

植田:そういう収録をしているので、喉を壊したり体調がおかしくなったりするんです。それが、キャラクターの心情とシンクロして、おもしろい作品が完成します。このシンクロは監督が狙ってやっているのか、誰も狙っていないのに体調が悪くなってしまうのか……。『それすけ』の不思議なところです。

一同:(笑)

植田:そして3つ目の問題点は、収録のタイミングで近所の工事が始まることです。今日もそうです!

春木:さらに、収録日はほとんど雨です。

植田:『それすけ』の収録は動きと同時にヘッドセットで音声収録も行っているため、スタジオの近所で工事が始まると音を拾っちゃうんです。これも収録あるあるなので、困ってしまいますね(笑)。

次ページ:一般的なアニメ収録と大きく異なる『それすけ』の過酷な収録現場
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