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『芸人アニメ監督』(フジテレビ 6月11日放送)番組レポート&芸人監督インタビュー

異色のお笑い芸人3人がアニメ監督に挑戦! TV番組『芸人アニメ監督』がフジテレビにて6月11日に放送|番組レポート&インタビュー

サーヤさん、上田航平さん、いおりさん 収録後インタビュー

――番組の収録を終えた感想をお聞かせください。

ラランド サーヤさん(以下、サーヤ):アニメの制作はネタ作りとはまったく違いました。単独ライブなどで長い時間、お客さんの前で何かを見せることに慣れているはずなのに、わずか数分のものを見せるためにあれだけの時間と人と工程が多くて。わからないことの連続で、「アニメって、こう作るのか」と。

今まで自分が作ってきたものの中でもかなり異質でしたが、おもしろかったです。今回である程度、要領がわかったので、この経験を活かして別のアニメを作りたいなと思いました。

また私の作品の制作過程を追っているドキュメンタリー映像を客観的に見たら「私って最悪だな」って(笑)。あんなに悩んで、あんなに注文をしていたんだとわかって。私の相方のニシダも普段、あんなふうに注文されていると思うので、「こんな気持ちだったのかな?」と思いながら見ていました。

ゾフィー 上田航平さん(以下、上田):こんなふうにがっつり密着していただくことはなくて、俯瞰で悩みまくっている自分を見た時、「早く決めろよ!」という気持ちになりました。自分の頭の中にあるものを、他の人に伝えるために長い時間、いろいろな言い方をしているんだなと思ったし、自分の中では10秒くらいのつもりでも、相手からすれば1時間聞かされている感覚だったのかもしれないと思いました。普段のネタ作りでも結構、時間がかかりますが、30分のつもりだったけど、もしかしたら2時間やってたのかも、とか。僕とサーヤはお互い、相方がバカなので、いいキャッチャーがいてよかったなとも思いました(笑)。

もちろん制作していただいたアニメも素晴らしかったんですけど、いろいろな自分が見られたし、「モノ作りってこういうふうにやるんだ」と知ることができて、いい機会をいただけてよかったです。

いおりさん(以下、いおり):こんなふうにフィーチャーしていただくのは初めてでしたし、何の偉業も成し遂げていないのに、ご褒美みたいな企画をやらせていただいて嬉しかったです。頭の中にイメージがあっても、それを共有して一緒に作るのは難しいはずですが、スタッフの皆さんがすべてくみ取ってくれて、私が考えていたものよりもいい提案をしてくださったので、すごくスムーズに制作が進んだし、想像以上のものが出来上がりました。今回、いい経験をさせていただきました。

この企画は上田さんにとって「アニメなら好きなことを無限にできる」。いおりさんは「夢が叶いました」

――芸人の方にアニメの監督をさせるという、この番組の企画についてどう思われましたか? そしてオファーが届いた時の感想は?

サーヤ:アニオタじゃない私にオファーがあったのでビックリしました。でも純粋にネタを作っている側ということで、お話をいただけたことは嬉しかったです。東映アニメーションの方も私がアニメに詳しくないことを理解したうえで、一から教えてくださって、ありがたかったです。

ただ私以外にどの芸人さんが監督をされるのかも知らなかったし、(キャラクターに)人間を使っているのが私だけとは思いもしなくて。だから今日、お二人のアニメを見て、「二人共、動物なんかい!?」と(笑)。また密着映像の編集にもちょくちょく悪意も感じましたし、過剰演出もあったりして。

上田:それがTVの悪いところだよね(笑)。

サーヤ:でもまた機会があったらやりたいですね。異業種のことに挑戦するのは私にとってハードルが低いので、いろいろやってみたいです。

上田:ネタを作る時、相方と二人で考えるんですけど、「これはできないな」とあきらめなくていけないことが結構あって。そんな時は東京03さんにネタをあげて、代わりにやってもらったりしていました。

だから今回のお話をいただいて、「アニメなら無限にやりたいことができるぞ」と思ったし、「企画の在庫たくさんありますよ!」とやる気満々でした。でも5分のアニメを作るのにも、裏では膨大な人と作業量があることを知って。裏を知らなくても、今まで通りアニメを楽しめたと思うけど、知ったことで更に楽しむことができる気がしました。

いおり:私は美術大学を卒業していて、周りの友達はキャラクターデザインやパッケージのデザインなどの仕事をしていて。東映アニメーションさんとアニメを作ることは美大にとっては憧れなので、裏口から入学した気分です(笑)。いつもフリップを使って、ネタをしていますが、「動けばいいのに」と思って、手動で動かしたりしていたので、今回アニメを作れたことは夢みたいで、願いがすべて叶った感じです。

3人がアニメを制作するうえで意識したことは?

――アニメを制作する上で意識した点や大変だった点は?

サーヤ:5分という限られた時間の中で、かいつまんで重要なところを抜き出さなければいけないし、自分が言いたいメッセージが伝わる描写をしなければいけなくて。でも選ばれなかった部分も出したい気持ちがあって、「このシーン削らないと入らないのか?」とか「このシーンがあるとニュアンスが変わるんだよな」とか、折り合いをつける作業がめっちゃ苦しかったです。でもやらないといけないという葛藤があって。だから自分で実費を払ってでも、あと2分くらい伸ばしたかった気持ちもあります(笑)。でもあの時間内だからこそ完結したものもある気もしています。

私は今までアニメを集中して見たことがなかったんですけど、この企画に取り組んでから、TVでアニメが流れているとつい見てしまって、「今のシーン、すごい時間かかっているんだろうな?」と、作り手側の努力を感じ取ってしまって、気軽に見られなくなってしまいました(笑)。

上田:意識していたことが意識できていないなと思いました(笑)。僕が作った台本は紙1枚分でしたが、何百倍もおもしろくしていただいて。いつもは相方と2人で「これはちょっとやめよう」と削りながら、おもしろいものを作ろうという作業ですが、紙1枚の企画から、ここまで爆発的で、全然違うものができて。アニメを制作している方のアイディアのすごさに感動しました。

――上田さんはアニメ好きということで、むしろプレッシャーに感じることもあったのでは?

上田:そうですね。アニメを好きな方が見ることも考えたら、中途半端なことはできないし、プロの方と一緒にやらせていただくのはこれが最後かもしれないと思ったら、「もうちょっと」の連続になってしまって。僕のわがままを聞いていただいて、甘えさせてもらって申し訳なかったなと思っています。

いおり:私の作品は「無」をテーマにしていて、(作中に散りばめられたショートアニメの)扉のタイトルは例えば「Fantastic Useless Things」は「無駄なものほど素晴らしい」ですし、「SOCRATES PARADOX」は「無知の知」など、「無」が入っています。

サーヤ:そうだったんだ!?

上田:すごい!?

いおり:無駄があるからこそ、意味が生まれてくると思っていて。あと「台無し」って最高じゃないですか? だから最後にすべてを台無しにしてみました。ボーッと見たら何もなく終わるし、かいつまんで見ようとしたら膨大な情報量だし、見る人や見方によって変わるアニメになったと思います。

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