夏アニメ『リコリス・リコイル』第4話放送後インタビュー:久野美咲さん(クルミ役)|ミズキのことが、いやもはや、小清水さんが大好きになりました【連載 第4回】
監督・足立慎吾さん(代表作『ソードアート・オンライン』)×ストーリー原案・アサウラさん(代表作『ベン・トー』)×キャラクターデザイン・いみぎむるさん(代表作『この美術部には問題がある!』)×制作・A-1 Pictures(代表作『かぐや様は告らせたい』)という魅力あふれる布陣が贈るオリジナルTVアニメーション『リコリス・リコイル』。
東京の下町にある和カフェ「リコリコ」で働く……だけではなく、秘密組織「DA(ディーエー)」のエージェントでもある少女たちの活躍を描いた作品となっています。
アニメイトタイムズでは、本作の毎話放送後に声優陣のメールインタビュー連載を掲載中! 第4回目に登場するのは、クルミ役・久野美咲さん。千束とたきなの買い物など日常も描かれた第4話。ハードなこの世界の裏側も垣間見せつつ、喫茶リコリコでの日常がとても和むエピソードでした。
スタッフと共に作り上げていった謎が多いウォールナット=クルミ
――台本を読んだときの印象を教えてください。
久野美咲さん(以下、久野):オリジナル作品ということで、私も知っている情報が少なかったため、台本を読んだらいろいろわかるのかな?と思って読ませていただいたのですが……セリフにはあまり情報が書いてなかったんです。逆にそれが、とても素敵だなって思いました。
世界観やキャラクターのことを、観ている人たちにもあえて多くは語らずに、アニメの映像や演出、音響と合わせて、これからいろいろな情報を補完していくのかなぁと、想像が膨らむ脚本で、とてもワクワクしました。
――オーディションでの思い出をお願いします。
久野:オーディションを受ける前に、監督と音響監督がどなたなのかという情報だけ、事前に教えていただきました。
まず、「足立さんが監督!?」ってすごくビックリしました。以前、足立さんがキャラクターデザインと総作画監督を担当なさっていたTVアニメ『ガリレイドンナ』でご一緒させていただきましたし、足立さんが監督する作品は絶対素敵だろうなぁ、観たいなぁって、個人的にもとても興味が湧きました。
それから音響監督を吉田光平さんがなさることも伺って。吉田さんとは、吹き替えの現場やTVアニメ『3月のライオン』でミキサーさんとしてご一緒させていただいていました。なので吉田さんにディレクションされたことがなかったので、どんなふうなアフレコになるんだろうってワクワクして。
お二方とも、今まで自分が関わらせていただいたときと違う役職だったので、この作品は面白くなるんだろうなぁ、関われたら良いなぁと思いながら、オーディションに臨ませていただきました。
――役作りで意識したことはどんなことですか?
久野:オリジナル作品なので、アフレコが始まる前にいろいろ質問しました。「クルミは一体何歳なんですか?」とか。具体的な年齢ではなく、喫茶リコリコの中で唯一、ミカと対等に話せる大人、ということを教えていただきました。やはり年齢不詳なのです(笑)。
私のイメージでは、40代くらいの精神年齢でお芝居しました。もしかしたら、私が今まで演じてきた役の中でクルミが一番、中身は大人かもしれません。
クルミはハッカーなので、やはり思考回路や頭の回転の速さも、ちょっと違うのかな?と思って、常に冷静でいることを心がけました。目の前の物事に対して、即反応することがないというか……常に感情よりも理性が勝っているんですよね。自分とは真逆だったので、そこはとても難しかったです。でも自分と全然違うからこそ演じていて楽しかったですし、クルミに対してずっと思いを馳せることができました。
他にもいろいろな設定はありますが、謎が多いキャラクターということもあって、「クルミはこういう役」というような、断定した言い方を足立さんはなさらなくて。一からスタッフさんやキャストさんたちとキャラクターを作っていける気がして、すごくありがたかったですね。
―― 一緒に作り上げたキャラクターだったんですね。
久野:足立さんはキャラクターのことを役者に委ねてくださるんです。でも肝になることは必要なときに伝えてくださったので、ものすごく想像力を掻き立てられたんです。
クルミはいつからハッカーなのかな、どんなことに興味を持つんだろう、家族構成は、友達はいるのかな、恋愛はするのかな、そもそも人を好きになるのかな、朝起きて一番最初にすることは何だろう、などなど……。彼女のバックボーンを感じさせるような役作りを心がけました。
個人的に、今までアニメでやったことがなかったようなお芝居を、クルミでやらせていただいて。その自分のお芝居を、スタッフさん方に受け入れてもらえたことが本当に嬉しかったですね。音響監督の吉田さんも、役者のお芝居を受け止めた上で、さらに多角的な面から丁寧にディレクションしてくださったので、ディレクションに対してお芝居で返すのが、すっごく楽しかったです。