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劇場版『G-レコ』第4部&第5部公開記念! ベルリ役・石井マークインタビュー

劇場版『Gのレコンギスタ』第4部&第5部公開記念! ベルリ・ゼナム役の声優・石井マークさんにインタビュー|フォトン・トルピードからマスクとの戦闘までは集中して演じると決めていた

 

第4部でマスクに対する印象は大きく変わった

――それでは、そろそろ今回の第4部&第5部について質問します。劇場版ではいくつか追加シーンがありますが、石井さんが印象に残っているのはどこですか?

石井:劇場版で追加されたシーンはどれも大事なものばかりで、より『G-レコ』の世界に入り込めるようになったものばかりだと思っています。全部印象に残っているので選ぶのは難しいのですが、一番大きなところは第3部のベルリとアイーダが実の姉弟だと判明したところでしょうか。

これを受けてのふたりの掛け合いや、アイーダが姉だと知って感情を爆発させるシーンを演じたことで、彼も思春期の少年なのだと実感できたんです。それまでは明るく天才で何でもそつなくこなしてしまいますし、考え方もこの年齢にしてはしっかりし過ぎているきらいがありました。


 
このシーンはそんなベルリでも抱えているものがあって、それを自分の中で処理できずに爆発させてしまう、年頃の少年なんだと感じさせてくれたんです。ベルリの人間味を改めて強く感じられたので、演じる僕としてもより一層自分の感情や感覚を持っていける、身近な存在になったんです。


 

――アイーダとのやり取りは第1部からかなり増えているように思えました。それこそ序盤のカーヒル大尉をベルリが撃墜してしまったあたりなども、より繊細に描かれていた印象があります。

石井:その頃はTVシリーズ序盤の自分を思い出しながら演じました。何故かと言うと、まだアイーダ役の嶋村侑さんとの距離感が遠く、今よりもう少し現場がピリピリしていたからです。そういう時って、中々相手のテリトリーに踏み込めないじゃないですか。序盤のベルリの状況を改めて整理すると、その感覚に近いんじゃないかなと考えました。

カーヒルが自分を攻撃してくる分には構わないけれど、彼の仲間のアイーダがG-セルフのコックピットの外に出てしまっている状況で、あんな戦闘をするのはおかしいとベルリは思っていたはずです。

だからベルリとしては、この人を守らないとと考えてやったことなんですよね。けれどアイーダからすると、ベルリは単に大切な人を奪った相手でしかない。そういうすれ違いが起きていましたが、第1部ではTVシリーズにはなかったセリフが追加され、ふたりの心の動きがより鮮明になった印象があります。


 
やっぱりTVシリーズでは、知らない間にふたりが仲良くなっていると感じた人も多いと思います。けれど第1部でベルリたちがメガファウナのクルーと行動を共にするようになって、その後にもベルリとアイーダのやり取りが増えていて。
 
そこでは台本をいただいた段階からベルリの心情もアイーダの心情も理解できたので、TVシリーズよりアイーダに対して少し攻撃的に演じようとプランを立てられました。


 

――第2部ではデレンセンを撃墜してしまった後、ケルベスとのやり取りでその点に触れられるシーンがありました。

石井:撃墜したエルフ・ブルのパイロットがデレンセン教官だったと気づいた後、ベルリはG-セルフのコックピットで取り乱していましたね。僕としても、劇場版ではあそこで胸のつかえが取れた感覚がありました。

TVシリーズでは共通の知人だったケルベスが合流しても、特に何も無いまま仲間になっていました。劇場版ではそこに突っ込んでくる流れになっていましたね。TVシリーズだとケルベスは少し立場が上の人みたいな感覚だったのですが、劇場版ではベルリにとっての戦友や兄貴分みたいな感覚を覚えたんです。


 
また、あそこがベルリが言いたいことを言い始めるきっかけだったと思っていて。そして後々、第3部のアイーダとベルリのやりとりや、その後のベルリが感情を爆発させるシーンにも繋がっていく。劇場版ではベルリの感情や思考がより伝わるようになっているんですよね。
 
あそこが追加されたおかげで、徐々にベルリの人間味が肉付けされていって、ベルリというキャラクターを僕自身より身近に感じられるようになったし、演じやすくなっていきました。どのキャラクターに対しても、ベルリとの距離感がよりわかりやすくなったんです。


 

――ベルリと周囲のキャラクターたちの距離感が理解しやすくなったことで、共感できる部分は出てきましたか?

石井:僕がベルリを演じる時は役に入り込んでいるので、後から客観的な視線で作品を見ると、天才の彼と自分ではあまりにかけ離れすぎていて、凄いなとしか思えないんです。

ただ、基本的に僕もベルリみたいな感じであっけらかんとしている節があるので、やっぱりベルリであって石井マークである感覚は強かったですね。


 

――“天才”という単語を聞くとどうしてもクリム・ニックを思い出してしまうのですが、彼とベルリとの掛け合いは劇場版で改めて演じていかがでしたか?

石井:お互いに謎の対抗心がありますよね。クリムからアメリア軍へ入隊しないかと誘われて、ベルリはクリムと同じ階級じゃないと嫌だと拒否してみたり。しばらくしてから再会した後だと、昇進したことを知らなかったベルリが中尉! と言ってしまって、クリムから大尉だ! と言い返されたり。

ケルベスとはまた違ったタイプですけれど、あのふたりの関係性も兄弟みたいですよね。実はクリム役の逢坂良太さんと現場でゲームの話をした時に、僕がやっとここまで行きました! みたいに言うと、逢坂さんが俺はここまで! みたいな、ベルリとクリムを思い出すようなやり取りをしたことがあります。

逢坂さんとは少し年齢が離れているのですが、すごく頼りがいのある方で、そういう関係性を違和感なく受け入れているところがあります。意識してやっている訳じゃないのですが、自然とそうなっていきました。

だから富野監督もそういう意図があってキャスティングしているのかな? そういう全体的なバランスを考えられているのかな? って思えてきて。ふとした瞬間に何か役とリンクするような感覚を覚えることがありましたね。


 

――もうひとりキャラクターについて。第3部の舞台挨拶でノレドが好きだと語っていたかと思います。そんな石井さんが注目して欲しい第4部と第5部のノレドの活躍もおしえてくださり。

石井:マニィ・アンバサダと対照的になっているところは印象に残っています。今回のマニィはメガファウナのクルーたちとビーナス・グロゥブまで行きますが、モビルスーツの操縦ができるようになっているし、後にはジーラッハのパイロットになる。

ノレドもメインパイロットではないものの、G-ルシファーのサブパイロットとしてラライヤをサポートするようになる。そう考えると、ベルリとマスクと同じで、ノレドとマニィも対になっている。


 
ノレドもマニィも誰かを助けるためだけれど、マニィはマスクのためで、ノレドはベルリやメガファウナのみんなのため。自分も今のままじゃ駄目だと考えて、周りのサポートをしたいと考え始めているんですよね。
 
前まではそこを意識できていなかったのですが、それぞれ何かの目標のために努力していて。劇場版はそこが一層わかりやすくなったし、ノレドがどれだけ周りの事を思っているのかもより伝わってきます。やっぱりいい子だなって思います。

第5部のノレドに関しては、僕から言えることはひとつだけです。最後の最後、劇場が明るくなるまで席に座っていて欲しい。これだけです。


 

――覚えておきます。第3部の森でのシーンはどうでしょうか? あそこも劇場版での追加シーンでした。

石井:あそこは、「ベルリこの野郎」と思いました! 

もう少しノレドに優しく接して欲しかった。今の言葉は全部忘れてと言われて一度追いかけるのですが、「アイーダさんの所に行ってやんなよ」と言われて素直にアイーダのところにいっちゃう。

もうちょっとあそこで会話して欲しいし、「ありがとう」と言ってはいましたが、それでももう少しノレドに感謝して欲しかった。

 

――マニィとノレド、マスクとベルリが対比になっているとの話があったので、石井さんから見たマスクの印象も教えてください。

石井:今回の第4部でマスクに対する印象は大きく変わりました。これまで対峙してきた時は、自分の感情を高めてひたすら全力でやっていて、それが僕の限界だったと思います。けれど第4部終盤でのマスクとの戦い。あそこが追加されたからなのか、今までの感情の高め方ではなくなっていました。

自分でもどうしてそうなったのか覚えておらず、気づいたらそうなっていて。第4部を視聴した時に、自分でベルリの声を聴いて驚いたくらいです。

フォトン・トルピードを放ったところから、マスクとの戦いで物語の盛り上がりが最高潮に達する。だからこそ、これまでとは違うベルリの感情の出し方、爆発のさせ方ができたと思っています。


 
マスク役の佐藤拓也さんがどんなテンションで向かってくるか予想しながら演じていたのですが、完成品を見た時はマスクの事を初めてカッコいいと思いました。これまでは何かにつけてベルリに絡んできて、会うたびに執拗に追いかけてくるちょっと面倒くさい人みたいな印象だったんです。
 
けれどマスクはマスクなりの信念と覚悟をもってベルリと戦っていることが、ありありと伝わってきました。それにあのシーンは僕たち役者陣だけでなく、作画の方やBGM、作品に関わる多くの人たちの力が結集しているように思えたんです。いち視聴者として、本当にマスクをカッコいいと思えましたね。


 

――ふたりのライバル関係がより強調された印象がありました。ベルリがあんなに激しく感情を露わにするのは確かに珍しいですよね。スタッフ陣からのディレクションはあったのでしょうか?

石井:ここのシーンはこうだからこういう風に演じてくれ、みたいな指示は多分なかったと思います。気づいたらアフレコが終わっていて、OKが既に出ていました。この感覚に入るのは初めてだったので、自分でも驚いています。もしかしたらあったのかもしれませんが、本当に記憶がなくて。多分それほどまでに集中していたのだと思います。

台本を読んだ時から、フォトン・トルピードからマスクとの戦闘までは集中して演じると最初から決めていました。だからこそ、ファンのみなさんに早く見ていただきたいです。


 
第4部の予告編は既に公開されていますが、マスクが「殺人者!」と叫びベルリが「貴様こそ!」というシーンがあったと思います。いつもは反省点が見えてくるのですが、あそこを見た時は、僕はこんな風に演じていたのか! と自分でも鳥肌が立ちました。
 
多分このシーンを見てもらったら、「あれ、これ『G-レコ』かな?」と思ってもらえるんじゃないかな。これまでの『G-レコ』と違うことがより鮮明になるので、今後どうなるのか楽しみにしていてください。僕もみなさんの反応や感想を楽しみにしています!


 

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