音楽
アーティストであり、ストーリーテラーであるVALSHEが紡ぐ『SAGAS』の物語

さまざまな仕掛けの詰まった、1年振りのミニアルバムは"SAGAS=冒険譚"がテーマ。「STORY LIVEまで追いかけていただけると、新たなお話が待っています」VALSHEさんインタビュー

『名探偵コナン』のエンディングテーマに採用された“今夜、あの街から”とのコラボレーションで話題を呼んだばかりのVALSHEが、『ISM』以来、1年ぶりとなるミニアルバム『SAGAS』をリリースする。

"SAGAS=冒険譚"のタイトルの通り、ファンタジックな世界観に重きをおいたコンセプトアルバムで、中東・アラビアンなイメージをベースに、アルバム全体に回文的な叙述トリックのほか、さまざまなトリックを仕掛けている。

また、本作のクリエイター陣にも注目だ。サウンドプロデューサーShunSato、長年VALSHE楽曲を支えてきた盟友・doriko、「Butterfly Core」のアレンジメントを手掛けた齋藤真也(初の楽曲書き下ろしとしての参加)、2021年にコラボレーションの機会があった徳永暁人(doa)などが、新たなVALSHEサウンドを彩っている。

音楽の持つ想像性、新たなVALSHEサウンドがたっぷりと、アルバム全体に詰まっている本作。どのような思いを込めて制作したのか、VALSHEに聞く。

いろいろな短編の冒険が詰まっている作品を作りたい

──ついに、ですね! コンセプチュアルなミニアルバム、楽しみにしていました。

VALSHEさん(以下、VALSHE):はい! 無事に完成しました。

──本作は1年振りとなるミニアルバム。その間、コロナ禍で2020年に開催することができなかった10周年と、12周年のアニバーサリーを祝うステージ「VALSHE LIVE THE UNIFY 2022 ~Follow the Tracks~」もありました。改めてこの1年を振り返るといかがですか?

VALSHE:ここ数年はコロナ禍の影響が……というお話はたびたびさせていただいていたかと思うのですが、そんな中でも、ツアーを2本させていただいたり、アルバムの制作があったり。それと、朗読劇、舞台……振り返ると、いろいろな活動をさせていただいた、充実した1年でした。その中で『SAGAS』の制作がはじまって。音楽以外の活動を通して学んだことも、『SAGAS』の全体像を作る上で、取り入れられた要素かなと思っています。

──VALSHEさんは当初からコンセプチュアルな作品を発表してきましたが、舞台でのインプットを経て、さらにコンセプチュアルな作品となったように感じています。

VALSHE:そうですね。大きな世界観を作るという上では勉強させてもらったところがたくさんあります。

──『SAGAS』は冒険譚の意味。このタイトルにした理由はなんだったのでしょうか?

VALSHE:昨年までのアニバーサリーイヤーで、自分自身について音楽に落とし込む活動を長くやってきて。一方で今おっしゃったように、コンセプチュアルな作品を作ること、物語性のあるものを届けるというのも、VALSHEの活動の中で大切にしてきたことです。

アニバーサリーイヤーが終わったあと、せっかくなら久しぶりに『storyteller』(2010年発売のミニアルバム)のような作品を腰を据えて作ってみたいなという思いがありました。
だったら、いろいろな短編の冒険が詰まっている作品が作りたいなと。それで『SAGAS』という言葉が出てきました。

──その冒険の中には、これからもみんなを引っ張っていく、という意味も込められているのでしょうか?

VALSHE:というよりは、誰にとっても明快なテーマとして冒険譚という言葉が出てきた感じでした。そのワードから、音楽や物語を広げてみたいなと思ったことがきっかけです。

アラビアンなサウンドで物語に誘う

── オープニングナンバーであり表題曲「KARASQADAR」はアラビアンな雰囲気。タイトルはどう読むのが正しいのでしょうか?

VALSHE:カラスカダルという造語です。アラビアンなサウンド、中東系の要素を取り入れていて。「KARAS」は鳥のカラスのことで、「QADAR(カダル)」は、今のお話を元に少し調べると出てくる言葉なので、直訳で調べていただけると。その意味さえ分かれば、直感的にこのお話に結びつくかなと思っています。

──アラビアンなサウンドはVALSHEさんにとてもよく似合っているなと感じていたのですが、意外にもこれまではなかったような……。

VALSHE:アラビアンなテイストや色使い、世界観がもともとすごく好きだったんですよね。物語性や親和性、想像性を強く感じつつも、アラビアンなサウンドをテーマにした曲はなかったなと。それを表題曲に据えたアルバムというのは、“冒険譚”の入り口として分かりやすいかなと思っていました。

──だからこそ<遥か遠い海の向こう側>というはじまりなのでしょうか。海をテーマにした曲はこれまでもありましたが……。

VALSHE:この言葉は……『SAGAS』の裏側の物語を見ていただけると、なぜこの冒頭なのかが、分かりやすくなっていると思います。

──裏側、ですか。のちほどそれについてもおうかがいできればと思うのですが、「KARASQADAR」はコンセプチュアルな曲ではあるんですが、<感動 信頼 誇り 情熱 理想>という言葉は、VALSHEさんそのものだなと。ライブで歌ったときに、ものすごく気持ちのいい曲でしょうね。

VALSHE:生で歌うのがものすごく楽しみな曲です。「KARASQADAR」に関しては、プロデューサーのShun(Sato)さんと一緒に共同制作をしたのですが、メロディーの運びはVALSHE楽曲の中では随一の難易度に仕上がっているので、そのあたりは挑戦したいという気持ちを持って取り組んだ覚えがあります。

メロディーをつけたのは自分ではあるんですけど、自分で作ったからこそ「いけるだろう」と思ってしまって(笑)。いざブースに入ったときに、言葉運び、メロディーの運びを口になじませるのに時間が掛かりました。ただ歌えるとすごく気持ちの良い曲なんですよね。特にサビのラストは。

それぞれの曲ごとに異なるテーマ

──次は「MORAL LICENCING」(モラル・ライセンシング)ですね。

VALSHE:憎悪をテーマにしています。愛好と憎悪の表裏一体な部分に焦点を絞った曲です。

──この憎悪って……VALSHEさん自身のものなのかな?とも想像したのですが、それにしては強すぎるなと……。

VALSHE:ファンタジックだからこそ成立できているものですね。日常に置いて、「なんだよ」って思うことは大なり小なりみんなあると思うんです。でもこの歌詞ほど自分の生涯をかけて憎む相手がいるかと言えば、別にいないので(笑)。それくらいの気持ちで憎悪を燃やす、という感情や人生観ってどういうものなんだろう?って想像をしながら作っていった曲です。

愛好と対を成すものだからこそ、そこを極論に振り切ったときの気持ち、生き方がこの物語の中で繰り広げられています。ただ、レコーディングはすごく楽しかったですね。アッパーな曲なので、自分の得意とするボーカルワークが生かせた楽曲になったと思います。

──次曲3曲目「John Doe」は特にファンタジックですよね。タイトルは欧米で使われている身元不明の名前を指すジョン・ドゥで読み方はあっていますか?

VALSHE:そうです。この曲は非常にファンタジックな楽曲になっています。マイナスの勇気をテーマに制作している楽曲です。イメージ的にはロンドンの裏町で生きている、名前すらない、その日暮らしの主人公が、勇気の向け先を間違えて堕ちていく……というファンタジックなストーリーを元に制作しました。

──まさに「John Doe」が主人公なわけですね。歌詞もそうですが、本当にロンドンの街の裏側にいるかのような、少し危険を帯びたサウンドの雰囲気も印象的です。

VALSHE:ブルージーなサウンド感で、より世界観が見えやすくなっているんじゃないかなと。

──作曲・編曲の後藤康二(ck510)さんとはどのようなやりとりをされたのでしょうか?

VALSHE:あれは確か……2018年くらいだったかな。実は『SAGAS』を作るよりずっと前に書いていただいた曲なんです。なかなかこの世界観を当てはめられる機会がなかったんですが、「この曲は絶対に歌いたい」とずっと温めていた曲なんです。4年以上、ずっと持ち続けてきました。

──では本作でやっと日の目を見た楽曲だったんですね。

VALSHE:世界観の強いミニアルバムを久しぶりに作る、というところで、絶対にこの楽曲を入れようと。この『SAGAS』に入れるにあたって、アルバムの世界観に沿いつつ、この楽曲そのものが持つ世界観を活かせるように、と制作を進めました。この曲は生で聴いていただけると映えるんじゃないかなと思っています。

──ちなみに、他にも温めてきた曲というのはあるんですか?

VALSHE:7曲目の「calm」がそうです。だいたい同じくらいの時期だったと思います。

王道のデジタルロックサウンドからさらに広げて

──4曲目の「Ash」は「Butterfly Core」のアレンジメントを手掛けた齋藤真也さんがはじめて作曲を手がけられています。

VALSHE:「Ash」は変化・起点をテーマにしています。それを真也さんに伝えて制作していただきました。真也さんにはアレンジの部分でデビュー時からお世話になっているので、王道のデジタルロックサウンドから広げていってもらいました。

──王道感がありつつも、まさにそのテーマに相応しい、変化したVALSHEさんも詰め込まれているように思います。

VALSHE:このミニアルバムの位置付けをサウンド感で表現してくださった印象があります。今までにないVALSHEサウンドをまたひとつ提案してくれました。

──まさにこのミニアルバムの冒険のひとつの起点になっているようにも感じました。5曲目「+one step」(プラスワン・ステップ)は、そこから一歩踏み出すような曲です。

VALSHE:プラスの勇気をテーマにした曲なのですが、イメージ的には「今日こそは!今日こそは!」と口癖のように言っている主人公が大きな一歩を踏み出すまでの物語を書いています。

──ファンタジックな世界観ではありますけど、<選ぶのは 自分が笑顔でいれる場所>という言葉などから、VALSHEさんの生き様も感じさせるというか……。

VALSHE:毎回そうなんですけど、コンセプトアルバムを作る中で、どれだけファンタジックな世界観だったとしても、自分の価値観や考え方、大切にしているところは、歌詞を書く中で自然と反映されるものなのかなと。アルバム全体の歌詞を通して見たときにも、自分の考えと、自分が想像した考え方とが、混ざってくると思うんですよね。「ここはバルの考え方なのかな?」「この憎悪も、バルの考えなのかな?」などと想像してもらえるのも面白いと思います。

──私はついつい、その憎悪の部分を想像してしまいました(笑)。

VALSHE:今回のミニアルバムにはいろいろ混じってますね(笑)。そういう意味で、「+one step」については、自分の考えや「こうであればいいな」って思っていることが、いろいろと詰まっていると思います。

──6曲目「街路樹」はこのミニアルバムの中で唯一の漢字タイトル。この曲のみVALSHEさんが作詞は手掛けておらず、すべて盟友であるdorikoさんにおまかせですね。

VALSHE:安定のdorikoです(笑)。「街路樹」のテーマは愛好です、と伝えていて。それとアルバム全体のコンセプトと、ある程度のジャンル感の制限……言ってしまえば、暗くなりすぎないラブソングのようなものを書いてくれ、とお話しました。それ以外はdorikoから出てくるものを大事にしつつ作っていったような楽曲です。このタイトルをつけたのもdorikoです。この曲に着手する段階で他の曲のタイトルがほぼ出揃っていたので、dorikoから「この曲だけ漢字になってしまうのは」と街路樹を英語にしたタイトルももらったんですけど。

──漢字のほうが似合っているような気がします。

VALSHE:そうなんです。だから「このままで良いです」と(笑)。伝えたいテーマやイメージ、さらにdorikoの持つ世界観もしっかり反映されているので、そこもまた面白いところかなと。自分自身も気に入っている楽曲です。

──dorikoさんはレコーディングにも立ち会われたんです?

VALSHE:いや、来なかったです。最初のころはレコーディングやミックス現場必ずいましたけど、そこはもう信頼してもらっているので。

──もう長いお付き合いですものね。

VALSHE:気づいたらもう12年になるので(笑)。だからこちらとしても「絶対に来てください」って感じではなく「楽しみにしててください」って感じなんですよ。

ラストナンバーのテーマは「無欲」

──ところで、ラストナンバー「calm」を手がけられたYenyu Shenさんとははじめてのタッグですよね?

VALSHE:そうです。この楽曲もさきほどお伝えした通り、温めてきた曲で。「calm」はデモの段階から壮大な世界観が広がる曲だったので、今作とマッチしているなと思い採用しました。

──「calm」は穏やかな、静かな、無風といった意味を持つ言葉ですが、テーマとしては?

VALSHE:無欲です。楽曲単体としては、足るを知る者は、求めずとも満ち足りている、というテーマをして、理想を含めて描いたストーリーとなっています。

──<夢を持つことは素敵なことで>という言葉がありながらも、<夢がないことは素敵なことでだれかがくれた優しさに気付ける>という、無欲だからこそ気付ける幸せも描かれています。この理想というのは、VALSHEさん自身の理想ですか? それとも主人公ですか。

VALSHE:う~ん。生きるものすべてにおいての、というか。無欲って……実際は難しいじゃないですか。人間としては何かに対して欲求があって、何かを追ってしまうものですから。それに、どれだけ「物欲がないんだよね」という人だって生きる欲はあるわけで。その欲求・探求がないと、そもそも社会って終わっちゃうよねって話でもある。でも人が理想や欲求を持って生きなければ、満ち足りていれば、争いも生まれない。しかしそうなったら、社会は……という。

だから絶対にそうなりはしないんだけど、そうなったときの、その人自身の状態というか。何を持っていようと、持っていなかろうと、満ち足りていれば、それは幸せなことだよねって。

これって自分の活動にも置き換えられることだと思っているんです。今の制作スタイル、今作っているものに、自分は「もっと」って思うから、その次の活動があるわけで。「こういうものを届けたい、作りたい」という強い欲求のもとでそれは行われていて。でもそれと同時に、今自分が持っているもの、作らせてもらっている環境に、ある程度満足している気持ちもある。でも「だったらそれで良いじゃない」って言われたらそれまでなんですよね。満足はするんだけど、それで納得はしない。それを追求されたら困るじゃないですか。

──アーティストとしても、クリエイターとしても。

VALSHE:そうです。「私はもう満足です。だから私はもう求めません」って、ある意味理想というか。そうはなれないけれど、ひとつのストーリーとして描いている楽曲になっています。

──それこそ“今夜、あの街から”とのコラボレーションのインタビュー時も、「最終的には満足しないかもしれないね」というお話になりましたしね。

VALSHE::そうですね。あの曲のタイトルが「クウフク」だったから、余計に。

──でもそれって私たち聞き手も一緒で。「最高の曲きた!」って思っても、結局その曲を超えるものを求め続けてしまう。

VALSHE:そうなんですよね。聞き手も、自分たちも、そのときの最高って感覚は持つんだけど、ちゃんと次を求める。前回を超える最高をくれとも、作りたいとも思う。それが原動力になるんですよね。だからすごく大切で。そのバランスってすごく難しいよね、と。

──表現者で在り続けるというのは、ずっとその戦いでもありますよね。

VALSHE:プライベートでは、そこまで物欲の強いタイプではないんです。でも、こと制作においては欲求おばけだと思うので(笑)。

──(笑)。でもきっとVALSHEさんチーム全体もそうですよね。「もっと良いものを作ろうぜ」と舵を切ってる。

VALSHE:そうですね。ファンの方のマインド的にもそうだと思うんです。そういう意味では、バランスが取れているのかなと。

──互いに高みを目指していくという。「calm」のサウンドもどんどんとスケールが広くなっていきますよね。

VALSHE:オケがどんどん展開して、大きなスケールを持ってサビで広がるようなボーカルワークは自分にとっても新しくて。そこにコーラス隊が追従していく。聴いていても気持ちの良い曲だなと。サウンドのイメージとしては、ハリウッドの劇伴のような感じです。

自分自身がレコーディングのはメインボーカルのみだったので「これからこういうコーラスが乗っかってくるんだろうな」と想像しながら、本当に広い空間で歌っているような気持ちで、壮大なバラードの仕上がりを目指していきました。しっとりとしたバラードというよりかは、大きく、おおきく歌い上げるようなイメージの曲なので、この物語の……アルバムの着地点としてふさわしいバラードになるようにレコーディングに取り組みました。

──編曲を手掛けたのは2021年にコラボレーションの機会があった徳永暁人(doa)さんです。当初から編曲もされていたんです?

VALSHE:あとからお願いしたような感じです。サウンドチームに相談したときに「徳永さんだったら良いアレンジしてくれそうだよね」って。あ……でも、アレンジをお願いしたときはまだ徳永さんに会っていないんです。最初にアレンジをしていただいたのは……確か、2019年だったかな?

──ということは、コラボレーション前!

VALSHE:そうなんです。そのあとに交流が生まれて。そして、『SAGAS』を作ることが決まったあとに、徳永さんにもさらに相談をして、より『SAGAS』の世界観に沿ったアレンジに仕上げていってもらったという過程です。

『SAGAS』の全体の物語は別に用意されている

──個人的に気になっていたんですけど、この作品の主人公ってずっと同じなんですか? 一人称は違うじゃないですか。でも、どこか不思議とつながっているような。

VALSHE:それは良い質問ですね。表向きはバラバラです。

──裏向きは……?

VALSHE:裏のお話としてはひとりです。

──なるほど……と言いつつ、正直に言ってしまうと、分からないところもあるんですが。

VALSHE:(笑)。シンプルに言うと、ミニアルバム的にはそれぞれのテーマがあって、それぞれの主人公がいる。ただ、3月11日のVALSHE STORY LIVEまで追いかけていただけると、新たなお話が待っています。

──なるほど、そこにつながっていくわけですね! それが、「KARASQADAR」のときにお話されていた「裏側の物語」。

VALSHE:そうですね。ミニアルバムの7つの物語を楽しめるようにもなっていますし、『SAGAS』という物語も実はあるんです、というところが大きな仕掛けのひとつです。だから今回はぜひライブを見てほしいなと。

──VALSHE STORY LIVEはどのようなライブになるのでしょうか。

VALSHE: STORY LIVEと銘打ったライブなので通常のライブとは異なると考えていただいて良くて。冒頭で触れた、昨年までの自分の活動が生かされているライブにもなると思います。

VALSHEの新しいステージングの形を楽しみにしていただきたいというところと……コンセプチュアルな作品を作っている以上、どうこの楽曲をお話を見せていくのかが注目されていると思うので、STORY LIVEを見終わっていただいたときに「うわっ……!」って驚いてもらえるような仕掛けを準備をしています。

しっかりすべてを追いかけていただければ、すべて気持ちよく伏線を回収できるようになっているので、謎解きや考察が苦手な方もスッキリできるかなと。ジャケットワークも含めて、「だからこれって、こうなってるんだ!」と思うような余地を残しています。その部分も楽しみにしていて欲しいですね。

──ジャケットはこのコンセプトだからこそのビジュアルで。でも、そこにも仕掛けがあるのですね。

VALSHE:ビジュアル面においては「KARASQADAR」をイメージできるようなジャケットワークにしています。構成的には、謎に紐づく構図になっているかなと。あとこのパッケージにも意味があって。

──パッケージにも、ですか?

VALSHE:はい。今回、『ARD-アルド-盤(1CD+2DVD)』(完全生産限定盤)、『SHAMS-シャムス-盤(1CD+1DVD)』(初回限定盤)、『QAMAR-カマル- 盤(1CD)』という3つの形態でリリースをさせていただくのですが、その名前にもすべて意味があって。それも全部回収できます。

──それまでも! ある意味すごくお得な……!

VALSHE:そうですね(笑)。音楽として、楽しんでいただけるミニアルバムを作るというのはもちろんなんですけど、シングルやアルバムを発表したあとにはいつもライブがあって。ライブまで見に行こうと思ってくださる方たちが、作品をより楽しめるような、2つで1つのパッケージになっているような作品を作ってこそ、コンセプトと言えるのかなと。今回はそこに重きを置いています。ライブを楽しみにしてくれている方が「行って良かった」と思ってくださるようなものを注力して作りました。

──そしてSTORY LIVEの直後には、VALSHE LIVE TOUR 2023「PRESENT -revenge-」もスタート。ついにですね。

VALSHE:本当に。来てくださる皆さんにとっても、自分自身にとっても、リベンジという言葉が相応しいライブになっていると思うんですが……「できなかったことをここでやってやろう」「その時に失ったものを取り返そう」という気持ちだけじゃなく、2020年には持っていなかった強さも出したいなと。ファンの皆さんにとっても、この2年間があったからこそ持てた気持ちがあると思うんです。「-revenge-とはついてるけど、今やって良かったよね」と思えるような日にできれば良いなと。

──取り返そう、取り戻そうではなく、一緒に進んでいこうと。

VALSHE:そうですね。このタイトルも復讐という意味ではなく、あくまで今の気持ちに沿ったものというイメージです。とは言え「PRESENT TOUR」という名前にはしたくなかったんです。できなかったという事実はあって。それを復活させたツアーである、ということですね。

──それにしても、2023年は前半から濃密ですね。

VALSHE:これを1年掛けてやっても良かったんじゃないか、と思うほどのボリュームです(笑)。正直、今は2023年の後半のことは考えられていないんです。せっかくの機会なので、一個一個楽しんでいけたらと思います。

[インタビュー・逆井マリ]

楽曲情報

VALSHE 7th mini ALBUM『SAGAS』 2023年3月1日(水)リリース

アニメイト特典:缶バッジ(56mm)

アニメイト特典:缶バッジ(56mm)

◆収録楽曲 ※全形態共通
01.KARASQADAR
作詞:VALSHE 作曲:バルと瞬さん★ 編曲:Shun Sato
02.MORAL LICENCING
作詞・作曲:VALSHE 編曲:G’n-
03.John Doe
作詞:VALSHE 作曲:後藤康二(ck510) 編曲:後藤康二(ck510), Dr.Tyler
04.Ash
作詞:VALSHE 作曲・編曲:齋藤真也
05.+one step
作詞:VALSHE 作曲:バルと瞬さん★ 編曲:Shun Sato
06.街路樹
作詞・作曲:doriko 編曲:G’n-
07.calm
作詞:VALSHE 作曲:Yenyu Shen 編曲:徳永暁人
[bonus track]ショック THE ワールド
作詞・作曲:VALSHE 編曲:高木龍一(Dream Monster)
計8曲収録

楽曲情報

VALSHE STORY LIVE「SAGAS -I’m the one of all the triggers-」3月11日開催

■2023年3月11日(土)
昼夜二部公演
●1部 : OPEN/START 14:30/15:00
●2部 : OPEN/START 18:00/18:30
□東京:赤羽ReNY alpha
□公演に関するお問い合わせ:DISK GARAGE 050-5533-0888

<チケット>
チケット料金:全席指定 ¥6,600(税込)
※ドリンク代別途必要
※未就学児入場不可

イベント情報

VALSHE LIVE TOUR 2023「PRESENT -revenge-」開催決定!

●2023年3月25日(土)
大阪:ESAKA MUSE
OPEN 17:00 / START 17:30
公演に関するお問い合わせ:サウンドクリエーター 06-6357-4400

●2023年3月26日(日)
愛知:SPADE BOX
OPEN 17:00 / START 17:30
公演に関するお問い合わせ:サンデーフォークプロモーション 052-320-9100

●2023年4月1日(土)[FINAL]
東京:SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
OPEN 17:00 / START 17:30
公演に関するお問い合わせ:DISK GARAGE 050-5533-0888

<チケット>
■チケット料金:全席指定 ¥6,600(税込)
※ドリンク代別途必要
※未就学児入場不可

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