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江副仁美×乙部善弘 対談『ポールプリンセス!!』で届ける夢と憧れ/インタビュー

「ポールダンス」×「歌」×「頑張る少女たち」 をテーマに、YouTubeで発信中の『ポールプリンセス!!』 監督・江副仁美さん×企画プロデューサー兼CGディレクター・乙部善弘さんインタビュー

あえてヒロインの見せ場を最後に

――江副さんが本作を作られる上で大切にされていることを教えて下さい。

江副:それぞれのキャラクターの個性は大切にしています。キャラクターの声、ちょっとした仕草で「この子がどんな子なのか」が分かるようにしたいなと思い、モーションキャプチャーの収録のときも立ち姿などを意識してもらっています。また、お話がなくてもキャラクターの個性やバックボーンが想像できるようには考えています。

――現段階ではすべてが明かされているわけではないので、考察も捗りそうです。

江副:いろいろと想像を膨らませていただけると嬉しいですね。これからヒナノのエピソードも出てくる予定です。

――ヒナノはとにかく一生懸命なイメージなのですが、まだ分からないところもあるので、どんなバックグラウンドを抱えているのかなと気になっています。

乙部:それはこのあとのエピソードでわかってくるかなと。最初にエルダンジュのPVを発表しているんですよね。本来、最初に主人公のPVを出すのがセオリーではあるんですけども、いちばんお話に紐付いているキャラクターだからこそ、最後に出す予定です。ドラマを経て、キャラクターを知ってから見たほうが心に残るものになるんじゃないかなと。逆にエルダンジュは(すでに立ち位置を確立している分)、ドラマがないんですよね。いつかエルダンジュについても描きたいなとは思っていますが、それは皆さんの応援次第かなと。

江副:設定は考えているんですけどね。

乙部:実はPVの中にいろいろと匂わせが含まれています(笑)。といっても、そんなにたくさんあるわけではないのですが、すでに気づかれている方もいるようです。

江副:バレてる!と(笑)。いつかエルダンジュの物語についても発表できる場ができると良いなと思っています。

――江副監督が本作を作る上で楽しまれているところというのは?

江副:オリジナル作品で監督として関わらせていただくことが初めてなので、全てが楽しいです。自分の趣味も全開にしたものを提案して、皆さんが「良い」と言っていただければ採用になるので。皆さんの叡智の集結ではあるのですが、我が子のようにかわいいなと。

――しかもその我が子が育っていくという。初めて完成した映像を見たときはどのような感覚だったのでしょうか?

江副:「生きてる」と感動しました。最初はイラストだったキャラクターたちが踊っていて、「ここに存在していたんだ」と。3Dアニメーションということもあって、生々しく、普通のセルアニメとは違った感覚でした。

――あのなめらかな動きと一緒に届けられる音楽がまた素晴らしいと思うのですが、音楽面で意識されていることはありますか?

乙部:東大路(憲太)さんをはじめとする音楽担当の方々が、この作品のことを気に入ってくださっていて。すごく良い曲を作ってくださるんです。曲に引っ張られて、制作陣の士気も底上げされています。「こんな良い音楽だったら、もっと頑張らないとな」と思わされますね。全体的に自分たちでハードルを上げていっています(笑)。

――確かに、さきほどからお話をうかがっていると「より良いものを作るために」と自ら首を締めているような……

一同:(笑)

江副:おっしゃる通りです(笑)。

乙部:まだ音源の発表はしていないのですが、最初に上がってきた曲はヒナノのものだったんです。それを聴いた時に涙が出ました。こんなに素晴らしい曲を書いてくださって、本当にありがたいなと。また、情報量が少なかったにも関わらず、ヒナノというキャラクターの情報をすべて盛り込んだような曲だったことにも驚きました。これは早く聴かせたいなと思ったのですが、きちんと筋道を立てたほうがより感動があるだろうなと。

実はヒナノのポールダンスは他のキャラクターと全然違うんです。キャラクターとドラマにあったものになっています。おそらくヒナノのポールダンスが、(本作で)いちばん伝えたいことになるんじゃないかなと思っています。この作品で何が言いたかったのかは、ヒナノのポールダンスを見ればすべて分かるんじゃないかな……と。そこまで言ってしまうと、それこそハードルをまた上げてしまうかもしれませんが(笑)。

――それぐらい期待していて良いということですね。

乙部:そうですね。実はヒナノのポールダンスは、ダンサーさんが最初に提案してくれたものからかなり変えているんです。ダンサーさんが作ってくれたものは世界一レベルのクオリティだったので、他のキャラクターだったら良かったんですけど、ヒナノには合わないかなと。それで注文をいっぱいしまして。で、それを完成させてくれたので、今回はダンサーさんのレベルもすごいなと思っています。ヒナノのポールダンスを考えてくれた方は、ユカリとサナの振り付けも担当されているのですが、実際に世界のランキングにも入っている実力派の方です。バレエの経験もあるんです。だから、バレエとポールダンスの融合を自然とできる方にお願いできてよかったなと。

ノアは日舞とポールダンスを合わせるというキャラクターですが、KAORI先生が日舞もやっていて。日舞パートはKAORIさんが担当して、ダンスパートはKAORIさんが当時お怪我をなさっていた都合で、KAORIさんが信頼しているダンサーさんにお願いして、と分担しています。

――今後の展開が楽しみですが、(インタビュー段階では)仲間が増えそうですね。

江副:Ep.03で南曜スバルが登場しました。スバルは今まで登場したキャラクターとは違いどちらかというと心に闇を持った子です。

――キャラクターデザインも、少し影のある雰囲気が漂っていますね。

江副:そうですね。片目が隠れていて、少し影のあるキャラクターではありますが、他の子とは違う個性・魅力を持っています。

乙部:待望のイケメンキャラではありますね(笑)。

江副:そうですね(笑)。演じていただく日向 未南さんもハスキーでカッコいい声なので、とてもクールな雰囲気です。でもかわいい部分もあるので、そこを楽しみにしていて欲しいです。

――私はアズミ先生が好きなんです。スタジオでは少し違った一面もあって(笑)。

江副:釘宮 理恵さんがコミカルに演じてくれています。すごく良い感じになったなと。アズミに関しては私たちも探り探りだったんです。

乙部:釘宮さんがキャラクターを印象づけてくれましたよね。さすがだなと思いました。

4月の初イベントに向けて

――現段階でお話できる今後の見どころはいかがでしょうか?

乙部:4月のイベント(「ポールプリンセス!!」Special Event〜Wish Upon a Polestar〜)でヒナノのエピソードを紹介する予定です。そこでまずは一区切りとなると思うのですが、その先があったら良いなと思い、脳内構想はしています(笑)。先の話に関しては、現段階ではどうなるかわからないのが正直なところですが、男性キャラクターも出してみたいなという思いがあるんですよね。

江副:見てみたいですね。

――さきほど、発表会にも男性のポールダンサーがいたとおっしゃっていましたよね。女性とはまた違ったカッコよさがありそうです。

乙部:その発表会で見た男性のポールダンスが本当にカッコよかったんです。そのカッコよさというのが……「人生を背負ってポールダンスをやっています」という感じが出ていて、「楽しい」とはまた違う哀愁さというのでしょうか。見ていてうるうるしてしまいました。実現するかは分かりませんが、大きく盛り上がったら是非やってみたいなという野望はあります。

――4月に行われる初のイベント「ポールプリンセス!!」Special Event〜Wish Upon a Polestar〜について、改めて教えて下さい。

乙部:ヒナノのプラネタリウムの発表会をそのイベントで行いたいなと思っているんです。会場に来た方には、プラネタリウムに来たお客さんの気分で見てもらおうと思っています。また、キャストによるトークや最新エピソードの最速上映のほか、ポールダンサーによるパフォーマンスをまじえた各キャラクターの歌唱ライブも行う予定です。他のイベントでは見られない経験ができると思います。『ポールプリンセス!!』を追いかけてきてくれた方には、ぜひ参加して欲しいですが……ハードル上げ過ぎですか?

一同:(笑)

――生のポールダンスを見られる機会はなかなかないですもんね。

江副:しかも声優さんの歌と共にっていう。今までにないイベントだと思います。

乙部:生で見ると驚くと思いますよ。映像だと一見簡単そうに見える部分もあると思うんです。でも生で見ると息遣いまでも聞こえるので「このひとたちはものすごく努力を重ねてここにいるんだな」ということまでも感じられると思います。

――声優、ダンサー、音楽担当、それぞれが自分自身の役割をプロフェッショナルに徹されていて、さらに愛情もあって。だからこそおふたりとしては「生半可なものは作れないぞ」という意識があるんだろうなと。

江副:その通りです。

乙部:あとは見る人が増えてほしいなと思っています。見てくれた方は仲間だと思っているので、もし良いなと思ったら、お友だちや同僚に「隙間時間にどう?」などと広めていただけたら嬉しいです(笑)。それをする価値がある作品だとも自負しています。

――おふたりがお話されている様子を見て、すごく良いチームワークの元に本作が出来上がっているんだなと感じました。

江副:乙部さんに引っ張っていただいています。

乙部:いやいや(笑)。僕もオリジナル作品を企画したのは初めてだったので江副さんにほとんどお願いしているんですけども、改めてひとりでできるものじゃなかったな、と思います。

――やってみないとわからないことも多いですよね。

乙部:本当にそうです。オリジナル作品なので、その分、決めることもやることも多いので。クリティカルなところだけは意見を伝えているのですが、でも江副さんたちが変な方向に進むということはないので助かっています。今後もこういう良いものを出していきたいと思っているので、応援のほど宜しくお願いします。

江副:どんどん広げて盛り上げていただけたら嬉しいです。

――本作を見てポールダンスに興味を持つ方もいるでしょうし。

乙部:この間、中国のコスプレイヤーさんがPVで流しているダンスをコピペして、自分でやってみている映像を見て。

――なるほど。“踊ってみた”ができるわけですね!

乙部:そうそう。再現可能なものではあるので。そういう方がTik Tokにいるので、そういったところも広まったら嬉しいですね。気になったらSTUDIO TRANSFORMにぜひ(笑)。

江副:生徒さんを募集されているそうです。KAORI先生が優しく教えてくれると思いますので、ぜひ!

[インタビュー・逆井マリ]

オリジナルアニメ『ポールプリンセス!!』作品概要

公式YouTubeにて配信中!

あらすじ

ポールダンスに出会い、人生を変えてゆく少女たちの努力と成長の青春ストーリー

星北ヒナノは、ごくごく普通の控えめな17歳。

幼いころから、おばあちゃんの営むプラネタリウムが大好きだったがそのプラネタリウムをたたもうとしていることを知り、おばあちゃんとプラネタリウムのために何か自分にできることはないかと悩んでいた。

そんな中、ヒナノは偶然、星空の下で一本の棒に掴まり、美しく舞う女性を目撃する。

憧れていた夜空の星に手が届きそうなほど、美しく上に昇っていくそのショーに衝撃を受けてこれをプラネタリウムの中でステージをすれば、お客さんも集まって盛り上げられるかもしれない、と幼馴染のリリアにも背中を押され、ようやく駅前に見つけたポールダンス教室の扉を開けたのだった。

しかし、室内は活気が無く、美しいショーをしていた時とは別人でやさぐれた様子の講師、アズミがいた。

「え? ポールダンスをやりたい? 残念ね、もうここ閉めることになったの」

ようやく見つけた希望を失い、残念そうなヒナノとリリア。

その寂しそうな顔を見て、アズミはついつい、

「…生徒を4人集められたら、月謝で家賃が払えるから再開してもいいわよ」と言ってしまうのだった。

ヒナノとリリアはさっそく仲間集めを開始し、ポールダンスの世界に飛び込む!

キャスト

土屋李央
鈴木杏奈
小倉唯
日向未南
南條愛乃
日高里菜
早見沙織
釘宮理恵

スタッフ

監督:江副仁美
脚本:待田堂子
CGディレクター:乙部善弘
キャラクター原案:トマリ
音楽:東大路憲太
音楽制作:avex pictures
ポールダンス監修:KAORI(STUDIO TRANSFORM)
アニメーション制作:タツノコプロ
原作:エイベックス・ピクチャーズ/タツノコプロ

公式サイト
公式Twitter

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