音楽
ReoNaの初の日本武道館公演における「HUMAN」たちの舞台裏

いつまでも忘する事無かれ――約束の日『ReoNa ONE-MAN Concert 2023「ピルグリム」at日本武道館 ~3.6 day 逃げて逢おうね~』が映像化  “HUMAN”ツアー、5周年アニバーサリーイヤーに向けての話題も ReoNaロングインタビュー

2023年3月6日に開催された、ReoNaの初の東京・日本武道館公演『ReoNa ONE-MAN Concert 2023 “ピルグリム”at 日本武道館 ~3.6 day 逃げて逢おうね~』が収められたライブ映像作品が、アーティストデビュー5周年を迎えた翌日、8月30日にリリースされた。

“日本武道館へのまわり道”という意味を込めた全国ライブハウスツアー「ReoNa ONE-MAN Live Tour 2022“De:TOUR”」を経て、約束の場所・日本武道館で繰り広げられた“一対一”の最大級のエンターテインメント。舞台もサウンドもゴージャスではあったが、それと同時に、孤独な場所から始まったひとりの少女の歌が“手から手 人から人へ”つながっていく様を体感した1日でもあった。

夏の匂いがたちこめる8月中旬、 “ピルグリム” at 日本武道館を振り返りながら、2023年5月~7月、ニューアルバム「HUMAN」をひっさげた全国7公演をめぐるコンサートツアー「ReoNa ONE-MAN Concert Tour 2023 “HUMAN”」のこと、そして5周年を掲げたアニバーサリーイヤーに向けての話をじっくりと聞いた。

“HUMANツアー”を振り返って

――まずは「ReoNa ONE-MAN Concert Tour 2023 “HUMAN”」のお話からおうかがいさせてください。私は初演と最終公演、どちらも拝見させていただきましたが、変化の多いツアーだった印象がありました。ReoNaさんとしてはどのように感じられていましたか?

ReoNa:今回のツアーは想像がつかないところも多くて。というのも、今までライブで当たり前のようにやってきた楽曲たちが今回入っていなかったり、ライブで新しくお届けする曲も多かったりして。どんなツアーになるんだろう?と正直思っていました。

セットリストの構成もやっていく中で変化したところもありましたし、直前まで組み直していたところもあって。演奏面に関してはツアーの中で見えてきたところがありました。

ツアーを終えて振り返ると……楽曲がどれだけ新しくなっても、ReoNaのコンサートとしてちゃんとお届けすることができたんじゃないかなと思っています。ライブを重ねていく中で、ミュージシャン同士の呼吸感も進化していきました。

――それこそこれまで定番曲だった「ANIMA」(TVアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』2ndクールOP)がない、というのも驚きました。

ReoNa:「SWEET HURT」(TVアニメ『ハッピーシュガーライフ』EDテーマ)や「怪物の詩」もないという。2ndアルバムを出すってそういうことなんだな、と思いました。セットリストを考えるときにはじめと終わりの曲は最初に考えるんですが、他の曲に関しては喧嘩でした(笑)。「トウシンダイ」を入れるべき、「カナリア」を入れるべき、「おやすみの詩」を入れるべき……バンドメンバー、スタッフさんそれぞれ届けたい理由がありすぎて、この時間の中には収まりきらなくて。

――今回のはじまりの曲は、ファンファーレ的な存在の「Weaker」でしたね。それは決まっていたと。

ReoNa:アルバム自体もタイトルトラックのあとに「Weaker」のファンファーレからはじまっていくので、「Weaker」を1曲目に持ってきました。ライブの中でも新たなはじまりを感じさせる曲だなと思います。

――2ndアルバムが発売になって、曲が増えたことでこれまでの定番曲のようなものが今回は鳴りを潜めていて。増やそうと思えば増やせれる状態ではあるものの、あの長さが良いなとも思いました。「何曲まで」などと決められているんですか?

ReoNa:普段のライブでは「何曲までしかやらない」などと決めてはいなくて。どちらかというと時間でしょうか。ReoNaチームの共通認識だと私は勝手に思っているんですけども「短すぎず長すぎず」ってところは意識しています。「来てよかったな」とは思ってほしいんですけど「これでお腹いっぱいだな」とは思ってもらいたくないんです。それでこの曲数、時間になってるのかなと。それがセットリストが喧嘩になる理由でもあります(笑)。

――ということは、「絶望年表」はその喧嘩の中で勝ち上がったということですよね。

ReoNa:勝ち上がりました(笑)。「絶望年表」はライブで変化してきた曲だなと改めて思います。

――そこから「さよナラ」と続くのはニクイ展開だなぁと。

ReoNa:ブロックごとの展開は最後の最後まで再考したんです。「絶望年表」の置所だったり、アッパー目な楽曲、聴かせどころとなる曲の場所だったりというのは、チーム一同悩んでいたところでした。

――変化するといえば「メメント・モリ」も。このツアーの中でとりわけ進化したように感じました。

ReoNa:ライブで初めてお届けした楽曲の中では、いちばん変化する曲というか。CDではすべての楽器を毛蟹(LIVE LAB.)さんが弾いていて、かつ、打ち込みのサウンドがメインなので、生でやったらどうなるんだろう?と私自身もワクワクしていました。実際バンドになると力強さが変わって。私の中にいる少女が「こういう楽曲、好き」と沸き立つ楽曲です。

――それと「ALONE」の軽やかさにも驚きました。「ALONE」は神崎エルザ starring ReoNaとして歌ったときは「プレッシャーも大きかった」とお話されていた曲ですが、これまでとは違う軽やかさを秘めた曲になったなと。ReoNaさんはどのように感じられていましたか?

ReoNa:神崎エルザ、そして「ALONE」と一緒に歩んできた道筋があったからこそ……というのはすごく感じていました。実は原曲よりも少しテンポを下げていたんです。「言葉を届けたい」という思いがあったので、どのBPMが良いのか、リハーサルの時に何パターンか試しました。言葉が届くテンポを優先して、“HUMAN”ツアーVer.にしたんです。

――他の曲に関してはどうだったのでしょう。

ReoNa:「ALONE」以外はできる限り原曲のままにしています。

――できる限り原曲のまま伝えたいというのは『HUMAN』の1stツアーだからこそ?

ReoNa:その通りです。アルバム『HUMAN』を受け取り「この曲をライブで初めて聴けるんだ」って思ってくださった方が来てくれるライブなので、まずはそのまま届けたいなと思っていました。

――それと“HUMAN”ツアーのセットで、ReoNaさんが光の板の上に乗ってたじゃないですか。「地球が一枚の板だったら」も思い出すようなものでしたが、あの板って名称のようなものはあるんですか?

ReoNa:私たちは“道”と呼んでいました。“ピルグリム”(武道館公演)から道がつながってきているイメージだったんです。開演前のBGMが(エリック・クラプトンの)アルバム『ピルグリム』だったのも、HUMANの1曲目が始まるまではまだ“ピルグリム”からの道を歩いてるイメージで掛けました。

今までにつながってきた道、そして未来に続いていく道というイメージで、足元のLEDが点灯して。

――なるほど! ファイナルでは音が鳴っている中で、あの道を通って帰っていきました。あれはファイナルを終えて、これから未来に向かって進んでいくという意思表示でもあったんですね。

ReoNa:ファイナルならではの演出でしたね。

――ところでエリック・クラプトンのアルバム『ピルグリム』の話がありましたが、ReoNaさんが生まれた年にリリースされたものじゃないですか。私はてっきり、それが含まれているのかなと思っていたんです。それこそ3月6日にも近い発売日ですし。

ReoNa:えっ、そうなんですか? (調べて)98年3月10日発売! 98年は音楽的に豊作の年とよく聞きますが、同じ年だとは知らなかったです。……なんだか必然を感じます。あのBGMは気づいてくれる人がいいな、くらいの気持ちで流しているものなんです。だから今、そのお話ができてうれしいです。

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