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2023年10月上旬の総括(10000日記念日)|青山吉能『みずいろPlace』#79

2023年10月上旬の総括(10000日記念日)|青山吉能『みずいろPlace』#79

皆さんこんにちは、元気ですか?

わたしは元気です。

青山吉能です。

2023年10月1日。

今日は、わたしが生まれてから1万日目です。

「10000日」という数字のことを我が物顔で感じることができるの、やっと今日からなのです。あまりの果てしなさに驚いています。

1・10・100・1000というメモリアルデイはどうやら小さい時にあっという間に過ぎていってしまっているので、10000日は大切なんですよと、ラジオメールで教えていただきました。

ちなみに次の「10000日」という日々を思い返すことができるのは54歳9ヶ月です。次は82歳1ヶ月と2週間ちょっと。うまくいけばあと2回は10000日を過ごすことができそうですね。うまくいけば。

あまり日齢を考えることもありませんでしたが、文化によっては区切りのいい日齢をお祝いするところもあるのだとか。自分たちの偉さや大きさを年単位で捉える我々にとって、日々に目を向けるというのは新鮮で良いものかもしれません。

1年365日とはよく口にもしますが、1という小さな原点のなかに365も詰まってるのデカすぎだろと度々思います。それを一度や二度に飽き足らず何度も何度も繰り返して、無事二十ウン回ちょっと、こうやってこの日を迎えられているのは奇跡の連続なのだなと思います。

わたしに出会ってから10000日の父と母(と姉兄と親戚と助産師さんと、ええと・・・)、なんとか東京で元気に暮らしております。

これを読んでくださっている皆さんのなかにも、まだ生後10000日を迎えてないわたしよりもねんりんが小さい方、とっくに迎えていて長寿歴史に名を残そうとまでしている方、さまざまいらっしゃると思います。

しかし、ここで言う皆さんの人生というのは、すなわち青山吉能を知ってからの人生ですので、是非そちらの方で10000日到達目指してみてくださいね。

10000日を振り返る

このテーマで書くと決めて、改めてこれまでの日々を振り返ろうと思ったのですが、生後0〜2000日あたりのことはもうなにも正しく思い出せませんでした。実家の写真アルバムから辿る景色も、もはや新鮮なものとして受け取ってしまいます。

そんななかでも、ひとと話していると、ふと思い出す景色や匂いがあります。

先日のラジオで出た九九の思い出もそうです。

当時の4歳のわたしにとって最も“大きい”数字だった9×9=81のこと、幼稚園の先生に投げまくっていました。大きい数字と年齢を結びつけると、なんとなく攻撃的であるという自覚がここで芽生えたんだと思います。

いまは毎日のようにその数字を口に出して自己紹介をしているんだから、面白いです。

アニラジアワードでトロフィーをいただいたとき、KUMONでもらえた小さな緑色のペンダントのことを思い出したし、先日同業者が履いていたSALOMONの靴を見て、猛吹雪で乗っていたリフトが止まって凍りついていく鼻水のことを一気に思い出しました。

自転車通学の友人の横を歩いている風に走るの大変だったなとか、女子トイレにある個室の隙間わずか3㎝を利用して禁断のブツ(漫画)の貸し借りしてたなとか、よりよい練り消しを求めて通った文房具屋さん、いつもよりちょっとだけ歩みが遅くなる塾の帰り道、好きなまんじゅう、とか。

正直共有するほどでもない記憶なんですが、いまの自分にその愛おしいくだらなさの積み重ねってあるのかなと、ほんの少し心がキュとなりました。

最近、ここ数年の記憶のことを、思い出風の、思い出の形にあてはめたなにかとして喋っている気がしています。

大人になればなるほど、都会に向かえば向かうほど、人との関係も希薄になりますよね。昨今の情勢は、それをさらに加速させたと思います。

ひとと話すことで芽生えていたものも、思い出すことも覚えておこうと思うことも、極端に減りました。毎日のように頭によぎっていたなにかも、今は一昨日の昼ごはんくらいの形状です。

おまけに、自分のものでしかないはずの思い出を、より正しく保存して綺麗に思い出すために、赤の他人の言葉が必要になることもあります。

誰かの言葉に寄生したいから。自分に自信がなくて、言葉では味気なく物足りなく感じてしまうから。その物足りなさにお前の真髄が詰まっているのに、そんなはずはないと目を背けて、息のないものが生きたように喋っていて、恐ろしいと感じます。

でもね、嫌いじゃない。10000日生きたわたしは、それはそれでとても人間だなと感じてしまいます。

これから先の10000日、54歳9ヶ月を迎えたとき。

昼過ぎに起きてちょっと期待して開いたLINE16通が全部公式LINEだったり、もう4ヶ月も経つのにいまだに小さな机とYogiboと行き場のない有象無象が部屋の隅に固まったTHE引っ越したてのサンプルみたいな部屋に住んでいたりする今のことも、きっと輝かしく想うのでしょう。

思い出せないだけで、忘れているわけではないのです。

わたし自身が、ゆるやかに角がとれていく、川の下流の石ころのように、少しずつ形を変えていっていったように。

ひとと話すってとても大事なことですね。

交わることで色を濁らせたくはないけれど、何はともあれ楽しかったと、54歳のわたしは言ってくれそうな気がします。

それに、いくら足し水されようが味の濃さは大健在です。なめんなよ!

それではこの辺りで終わります。

さあ!もう二度とやってこない1万日目、晴れやかに生きていきましょう。

ちなみに、ずっと思い出したかったわたしの大好きな言葉、あれから全てのアーカイブを探ったのですが結局見つかりませんでした。

絶対にここに書き残したと思っていましたが、当時の推敲の結果どこかで要らぬものとして塵となって消えたのでしょうね。

それもまた。

さようなら。

青山吉能

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