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『はめつのおうこく』リレーインタビュー第3回:日野聡

秋アニメ『はめつのおうこく』リレーインタビュー第3回:ヤマト役:日野聡さん│ヤマトの強さの根底には妹への優しさと思いやりがあった

10月よりTVアニメの放送がスタートした『はめつのおうこく』。アニメイトタイムズでは、作品の魅力に迫る出演声優のリレーインタビューを実施しています。

戦いの舞台は「魔女の国」へと移り、アドニスを利用しようとする魔女と、魔女の根絶を達成しようとするリディア帝国の軍人が激突。人間と魔女の双方に大きな犠牲を払いながら、アドニスとヤマトの戦いにも決着がつきました。

リレーインタビュー第3回は、そのヤマトを演じる日野聡さんが登場。国家保安局局長としてアドニスたちに毅然と立ち向かう彼をどのように演じたのか。ヤマトという男の“生き様”についてもうかがいました。

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はめつのおうこく
人類に知恵と安寧をもたらした存在――“魔女”。しかし、リディア帝国の“超産業革命(ギア・エクスパンション)”は魔法を凌駕する科学文明を生み出し、魔女は進歩を阻害する“敵”と見做されてしまう。かくして“魔女狩り”が始まった。魔女クロエに育てられた人間アドニスは最愛の師を奪われ、同族である人類への復讐を誓う。絶望を糧にした修羅は、殺戮の果てにいかなる“救い”を見いだすのか――。作品名はめつのおうこく放送形態TVアニメスケジュール2023年10月6日(金)~2023年12月22日(金)TBSほか話数全12話キャストアドニス:石川界人ドロカ:和氣あず未クロエ:白石涼子ヤマト:日野聡ユキ:遠野ひかるシロウサギ:谷山紀章スタッフ原作:yoruhashi(マッグガーデン「月刊コミックガーデン」「MAGCOMI」連載)監督:元永慶太郎シリーズ構成:鴻野貴光キャラクターデザイン:加藤裕美プロップデザイン:村山章子銃器デザイン:松田未来美術監督:栫ヒロツグ(鹿児島ラメカヒリム)美術設定:山口大悟郎(鹿児島ラメカヒリム) 三浦智(鹿児島ラメカヒリム)色彩設計:松山愛子(颱風グラフィックス)2Dワークス:矢崎宏幸CG監督:遠藤誠(トライスラッシュ)撮影監督:今泉秀樹(颱風グラフィックス)編集:木村祥...

今の世の中にも合致するような深くて重いメッセージ

――『はめつのおうこく』の原作をご覧になったときの印象はいかがでしたか?

日野聡さん(以下、日野):アクション要素やファンタジー要素だけを見ると、「カッコいいな」、「面白いな」と思えるんですが、作品をじっくり紐解いていくと、今の世の中にも合致するような深くて重いメッセージが見えてくるんです。それが心に突き刺さりました。魔女の立場、人間の立場、どちらにも一定の理解を示せますし、そうあってはならないとも思える。非常に複雑なテーマを扱った作品だなと感じました。

――確かに、手放しでどちらかを応援できるような構造ではないところがこの作品の魅力ですよね。

日野:そうですね。魔女がやられているから人間側が悪だと簡単に言い切れないところは、今の世の中にも当てはまるものがたくさんあるなと感じます。

――日野さん演じるヤマト局長は完全に人間側の登場人物です。彼をどう捉え、どのように演じようと考えられましたか?

日野:ヤマトは帝国と魔女の深い因縁や、帝国に隠された真相を把握しているわけではありません。ただ育ってきた環境、教え込まれた思想から正義を培い、置かれた立場から任務を遂行しています。なので、あくまでも帝国の人間として、彼が信じている正義を貫くというアプローチを意識しました。

――決してブレないキャラクターですよね。

日野:そうですね。自分の信じる正義のために、帝国の人たちのために邁進してきたのがヤマトです。この立ち位置も現代に通じるテーマだなと感じました。誰も“正しい真実”がわからない中で、上から教えられるものを絶対的に正しいとして育てられたら、やっぱりそれが“正義”になってしまう。仮に真実が明かされたとしてもなかなか受け入れられないでしょうし、生き方も変えられないと思うんです。ヤマトが真相に触れることはありませんでしたが、とても奥深いテーマだと思いました。

――そのヤマトが第5話で魔女の国に攻め入り、アドニスや魔女と血みどろの戦いを繰り広げました。

日野:第1話から細かいところまで行き渡った画の迫力に圧倒されていたので、ヤマトとアドニスの戦いはどうなるんだろうとワクワクしながら拝見したんです。そうしたら、息をするのも忘れるくらい見入っていました(笑)。とにかく映像も展開もすさまじかったです。凄惨さがさらに際立って、怖さも切なさも倍増しました。

魔女にしても人間にしても、上は上でいろいろな思惑で動いていますが、それに踊らされる末端の人たちは必死に生き抜こうとしている。でも、それが叶わない。無惨に亡くなっていく姿を見るのは苦しかったです。

――アフレコはいかがでしたか?

日野:「常に軍人たれ」という立ち居振る舞いや、揺るがない信念はしっかりセリフに乗せるようにしました。その一方で、妹のユキへの思いが溢れる場面もあるので、優しくて柔らかいお兄ちゃんというギャップも意識しました。

――第5話では、ユキとの静かな未来を想像する場面もありましたね。

日野:とても楽しそうな二人が見られて心が和みました。ユキは完治するのかしないのかわからない病に冒されているので、妹が生きている間は一緒に笑顔が絶えない時間を過ごしたいという願いがあったんだと思います。

――ユキへの強い思いがある種の原動力にもなっていた?

日野:やはり妹を残して死ねませんからね。片腕を落とされた状態でも冷静にアドニスへ向かっていくところは、なんとしてでも生きて帰るという強い意志が感じられました。そういう意味で、ヤマトの強さの根底には妹を大切に思う気持ちがありますし、同じように帝国民を守りたいという気持ちもあるんだと思います。本当に優しい男なんです。

――愛の魔法「束縛(マンドラゴラ)」を使ったドロカに抵抗するシーン(第6話)では、ヤマトの怒りが爆発しました。

日野:ヤマトからすればドロカが提案した「仲直りの握手」は絶対に受け入れられないものでした。たくさんの仲間が犠牲になり、妹も死の淵をさまよっている。その原因となったアドニスを倒し、魔女を駆逐するという使命に燃えた状態での停戦の提案。絶対に認められませんよね。

憎しみ、怒り、復讐心をお互いにぶつけ合い、負のエネルギーが爆発している状況のただ中にいるので、その感情の矛先が目の前のドロカに向くのも仕方なかったのかなと思います。ただ、このシーンも迫真の映像だったので、ドロカに対しては本当に胸が痛みました。

――アドニスも驚愕していましたが、あそこで停戦を提案できるドロカもすごいですよね。

日野:ドロカの理想が広がっていくのが、本当は一番いいんです。でも、人間と魔女が憎悪を向け合い、お互いの正しさを信じ込んでいる状態では、やはり難しい。結果として感情を逆なですることになったのかなと思います。

(C)2023 yoruhashi/マッグガーデン・「はめつのおうこく」製作委員会
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