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『千と千尋の神隠し』の豆知識・裏設定をまとめてご紹介!

新年最初の金曜ロードショーは『千と千尋の神隠し』! 絵コンテ集を参考に知ってるとより作品を楽しめる豆知識をご紹介!

1月5日(金)の金曜ロードショーで放送予定の『千と千尋の神隠し』。2024年が辰年ということで竜の登場する本作が新年一発目を飾ります。

2001年夏に公開された本作は、1年以上のロングラン上映を経て興行収入は316.8億円という記録的な数字を達成。この記録は現在も日本歴代興行収入第2位に輝いています。最近では橋本環奈さんと上白石萌音さんのダブル主演で舞台化もされて大きな話題になるなど、公開から20年以上経った今でも多くの人に愛される名作です。

公開当時11歳だった私は伯母と映画館で鑑賞し、不気味だけどどこかぬくもりある不思議な世界に引き込まれたことを覚えています。主人公の千尋と年齢が近かったこともあり、彼女に感情移入して観ていました。

仔細まで明示せず視聴者の解釈に委ねるような部分も多い本作。しかし、絵コンテには表立って描かれていない設定がたくさん書き添えられています。そこで、『千と千尋の神隠し』をより楽しむためにそんな裏設定をまとめてご紹介! 裏設定を踏まえた考察も少し加えてみましたので、金曜ロードショー放送前にぜひチェックしてみてくださいね。

※本稿には個人的解釈やネタバレが含まれます。

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千と千尋の神隠し
10歳の女の子、千尋は、無愛想でちょっとだるそうな、典型的な現代っ子。両親とともに車で引っ越し先の家へと向かう途中に、いつの間にか迷い込んだ「不思議の町」。町の屋台にあった料理を勝手に食べた両親は、豚に姿をかえられてしまう。ひとりぼっちになってしまった千尋は、「千尋」という名を奪われ「千」と呼ばれながら、生き残るためにその町を支配する強欲な魔女・湯婆婆の下で働き始める。湯屋とは、この日本に棲むいろんな神様やお化けが疲れと傷を癒しに通うお風呂屋さんのこと。そこで、千尋は怪しい神様やお化けに交じって生まれて初めて懸命に働く。ハクや河の神などと出会い、様々な経験とふれあいを重ねるうちに、千尋は徐々に成長していく。何重にも守られて育つ現代の子どもたちが、突然ひとりぼっちになったら?はたして千尋は元の世界に帰れるのか・・・?作品名千と千尋の神隠し放送形態劇場版アニメシリーズスタジオジブリスケジュール2001年7月20日(金)キャスト千尋:柊瑠美ハク:入野自由湯婆婆・銭婆:夏木マリお父さん:内藤剛志お母さん:沢口靖子青蛙:我修院達也坊:神木隆之介リン:玉井夕海番台蛙:大泉洋河の神:はやし・こば父役:上條恒彦兄役:小野武彦釜爺:菅...

目次

千尋の両親について

物語の冒頭に登場する千尋の両親。神様の食べ物を食べてしまい、豚になってしまったシーンを初めて観た時の衝撃は今でも忘れられません。そんな彼らにもストーリー上で明らかになっていない設定がありました。

まず、お父さんの職業は建築業。不思議なトンネルを見つけた際に壁を撫でて「モルタル製か?」や「結構新しい建物だよ」などと口にしているのは専門的な知識があったから。そう言われてみると、ガタイが良いところも建築業従事者らしいですね。

そんなお父さんがお店の料理を手早く取る様子は“奥田さん”という方がモデルのよう。絵コンテには、生でその様子を見たい人は奥田さんとバイキングに自費で行ってくるように書かれています。「テキパキとお父さん特に真剣に!!奥田流に!」とも書かれており、宮崎駿監督のイメージが完全に奥田さんだということが感じられます。気になってスタッフ陣の名前を調べてみたところ、製作担当に奥田誠治さんという方がいらっしゃいました。この方のことかもしれませんね。

また、そのまま料理をむさぼる両親のコマには「二人豚のようにむさぼり食っている」と添えてあり、人間の姿の時点で豚っぽさを出すように指示されていたことがわかります。そして彼らはまもなく本当に豚の姿になってしまうのでした。
 

敏腕経営者・湯婆婆

 
恐ろしい魔女として描かれている湯婆婆ですが、凄まじい悪臭を放つクサレ神を自分自身で対応したり、クサレ神を前に鼻をつまむ千尋を「失礼だよ!」と諫めたり、成果を出した千尋をきちんと褒めたりと、湯屋の女主人として立派に働く姿も。

そんな彼女が敏腕経営者だなと感じられるのは、クサレ神にまとわりついた大量のゴミを湯屋従業員たちがみんなで引っ張るシーン。湯婆婆はクサレ神の正体にいち早く気づき、出っ張っているゴミに結わえたロープをみんなで引っ張るよう指示を出します。

その際、両手に扇子を持ち「湯屋一同心を揃えて」と音頭を取る湯婆婆。絵コンテには「ゆバーバ、客むけのパフォーマンスにしちゃう」と書き添えられており、彼女がわざと身振りや掛け声を大げさにしたことがわかります。

 
現場を見物できる回廊は客(神様)でいっぱいになっており、そのうち客たちも団扇で声援を送るように。無事本来の姿を取り戻したクサレ神、もとい河の神様が帰っていくと、一部始終を見守っていた神々は、やれめでたし! と大喜びの大盛り上がり。湯婆婆の目論見は大成功に終わったわけです。

本来ならばハプニングであることも、臨機応変に対応し一大イベントにしてしまう湯婆婆の経営手腕が垣間見えます。

 

調度品でわかる湯婆婆と銭婆の人柄

湯婆婆の部屋にある調度品は伊万里焼と書かれており、銭婆の自宅内装はカントリー趣味であると書かれています。劇中で銭婆が「あたし達、二人で一人前なのに気が合わなくてね」と言っていますが、それぞれの好みからも2人の人柄が合わないだろうことが伝わります。

絵柄が細かく洗練された印象の伊万里焼を好む湯婆婆と、木材を基調としたナチュラルで温かみのあるカントリー調のものを好む銭婆。好みの全く違う2人は双子とはいえ仲違いしてしまうのも仕方ないことに思えます。

 

カオナシは透明度に気持ちが表れている

本作で最も不気味で不思議な存在のカオナシ。未だに謎を多く残しているキャラクターであり人によって解釈が分かれる存在でもあります。お面のような顔のカオナシは表情変化があまりなく、その感情を読み取ることが難しいのですが、身体の透明具合に心境の変化が表れているようなのです。

不安になったり落ち着かなかったりする場面では身体が薄くなると絵コンテに書かれています。カオナシの身体の透明度に関しては絵コンテ上で何度か指示が出されているので、その部分にも注目して見てみてください。

 

湯屋を訪れる神様たち

本作は湯屋を訪れるユニークな姿形の神々も魅力的ですよね。劇場パンフレットなどで紹介されているキャラクターもいるので、名前や設定についてご存知の方も多いことでしょう。彼らについても触れておきたいと思います。

春日さま

物語の前半でフェリーに乗ってやってくる不思議なお面の神様は、絵コンテ内で「春日さま」という名で呼ばれています。調べてみたところ、奈良春日大社から名前を取っているようです。

印象的なお面は「雑面(ぞうめん)」と呼ばれ、日本各地の舞楽で広く使われているものだそう。フェリーから降りてくる春日さまが何人もいるのは日本各地の神様が疲れを癒しに来ているということかもしれませんね。
 

おしらさま

初めて湯屋に入り、湯婆婆の元へ向かう千尋と2人きりでエレベーターに乗ることになる白い神様は「おしらさま」と呼ばれています。おしらさまは大根の神様のようで、絵コンテにも「部品は全部大根です」と書かれており、ところどころ「大根様」と書かれている部分も。頭にかぶっている汁物椀の蓋にもユーモアが感じられます。

表情が変わらず感情がわかりづらいおしらさまですが、実は千尋とエレベーターで2人になったとき喜んでいるらしいのです。当該のコマには「口ヒゲをピラピラさせてどうもおしらさまはよろこんでいるらしい」と書き添えられています。

おしらさまは湯屋の人々に見つかってはいけない千尋を匿うような動きをしますが、やはり千尋の味方だったようです。

 

オオトリさま

作中に登場する神様の中でも随一の可愛さを誇るひよこに似た神様「オオトリさま」。ひとつの湯船にひしめき合うように入っている姿が印象に残っている方も多いのではないでしょうか。

 
混み合って入浴しているそのコマには「ツアー客」と書き添えてあり、温泉宿にやってくる団体客をイメージしていることが明らかになっています。確かに、団体客ってこんな感じですね。
 

放送は1月5日(金)21時から!

ご紹介してきたほかにも絵コンテ集にはクスッと笑えるコメントが多く、湯婆婆の下着が「冷え性のばあちゃんのランジェリー」と表現されていたり、波を被ってよろけるカオナシに「あわれなカオナシ」と書き添えてあったりと、本編にはない面白さが詰まっていますので、ぜひ一度ご覧になってみてください。『千と千尋の神隠し』の放送は1月5日(金)21時からです。
 

参考図書

スタジオジブリ絵コンテ全集13「千と千尋の神隠し」
 

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わたなべみきこ
出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。
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