アニメ
メタリックルージュ:宮本侑芽が黒沢ともよとの共演で再確認した芝居の楽しさ【インタビュー】

「“お芝居って楽しい”──そう思えたのは、ナオミ役・黒沢ともよちゃんの存在も大きいです」 ボンズ25周年記念作品『メタリックルージュ』ルジュ役・宮本侑芽さんインタビュー

お芝居が好き! お芝居が楽しい! 

ーー宮本さんの立場的には座長になるんですよね。

宮本:そうですね。引っ張っていかなきゃという気持ちもあったんですけど……難しいですね。周りの方たちに助けられっぱなしでした。ルジュの性格的にも引っ張っていく立場ではなかったので、ともよちゃんやジーンを演じる武内駿輔くんにお芝居の相談をしたりもしていました。

ーー現場は和気あいあいとされていたのではないでしょうか。

宮本:そうですね。特にともよちゃんはすごくムードメーカーなんですよ。「みんな知り合いなんじゃないか」と錯覚するくらい距離感が近くて、それでもまったく違和感がなく、むしろ心地良い。そこにもナオミっぽさがあるんじゃないかなと感じました。距離の詰め方がすごく上手だし、場のテンションを上げてくれて、和ませてくれるんです。人と人との間に入っていく姿がすごく素敵でした。

あと、ともよちゃんならではのトークと武内くんのやりとりが面白かったです(笑)。同年代なので、気心知れた仲でお話できたことは楽しかったです。

また、ともよちゃんとの掛け合いでは空気感を大事にしていました。掛け合いの場面でリテイクをするときは、2人でもう一度収録をし直してくれました。

ーー黒沢さんにもお話をうかがったのですが(後日公開予定)、黒沢さんも宮本さんとの掛け合いがすごく楽しかったというお話をされていました。

宮本:わ、嬉しい! 私も全く同じ気持ちです。実はルジュの収録が始まったときは、お芝居に全く自信がない時期でした。いろいろなことが重なったんですけど、やはり(コロナ禍で)分散収録になったので、それまではひとりで作るシーンが多かったんですよね。分散収録が解除されたことで「みんなでちゃんと掛け合いできるのかな」と。

その時期にともよちゃんとお芝居できたのは、自分の中でもすごくアドバンテージになりました。同年代とお芝居について話すことって、ちょっと小っ恥ずかしくてあまり話せないこともあるんです。でもともよちゃんには相談できるし、お話をするのがすごく楽しいです。

ーーお芝居に自信がなくなっていたというのも、無事に解消できました?

宮本:はい。解消もできましたし「好き!」という気持ちが強くなりましたね。中でも、ジャロン役の吉野(裕行)さんが熱量高く演じている姿を目の当たりにして「表現って自由だよな」と考えさせられるものがありました。この作品を通して、「お芝居って楽しいな」と改めて思うことができました。

ーーそれってすごく大事なことですよね。

宮本:「あまり過信しすぎても」とは思うんですけど……でも好きになれたことは大きかったですね。ともよちゃんの存在もすごく大きかったと思います。「お芝居って楽しんでいいんだ」って。

これまでは突き詰めちゃう癖があったんですけど、「自由にやっていいんだ」と感じましたし、周りの人を頼ることも覚えた現場でした。

ルジュの変化に注目してほしい

ーーところで、黒沢さんは音響監督の山田さんと元々お知り合いだったとお話されていて。

宮本:私は「はじめまして」でした。収録終わりにともよちゃんから、山田さんの経歴やお人柄を教えてもらいました。先程お話した通り、お芝居に自信がない時期だったので、少し弱気になっている部分があって……。

ーー“ボンズ25周年オリジナル作品”という看板もありますし、プレッシャーも大きかったと思います。

宮本:そうなんです。重厚感たっぷりな作品だったので少し緊張していた部分があって。でも、ともよちゃんがいろいろ教えてくれたり、皆さんとの橋渡しをしてくれていた気がします。とにかく楽しいアフレコだったので、それも伝わったら嬉しいです。

ーー山田さんからディレクションはありました?

宮本:大まかな部分は任せていただいた印象があります。アドリブも受け入れてくださることが多かったです。ただ、最初の頃はともよちゃんと喋り方が似てしまうシーンが何度かあったんです。お互い会話で作品を作り上げるという意識があるからこそ、テンションを合わせてしまったりとか。

ーー合いすぎてしまうということですね。

宮本:ルジュが淡々としている一方、ナオミがあまりにも人間くさいキャラクターだったので、「そっちに引っ張られないように」とは言われていました。やはりルジュは、感情の出し方に全然幅がなくて。イエスかノーしかない、みたいな子なんですよね。それを感情として出すのが難しかったところはあります。だけど人造人間(ネアン)として、いろいろな思いを持っている子ではあるんですが、その塩梅はどんどん話数を重ねるごとに自分も分かっていったところがあります。

ーールジュの感情が出る場面もありますね。例えば、ナオミと喧嘩するシーンがあります。

宮本:ナオミに対して「嫌い!」と言う場面があります。人間の嫌いって色々な種類があるじゃないですか。色々あったから嫌いとか、本当は好きだけど嫌いとか。その中でルジュはただ「嫌い」としか言えないんです。ルジュの感情の変化は、楽しみにしていてもらいたいです。

ーー第1話と最終話で特に変化があるキャラクターになりそうですね。

宮本:ナオミと一緒にいたからこそ、色々と思うことができたと思います。ジーンとナオミとお父さんお母さんという近しい人しかいなかった中で、ジル(CV.小倉唯)をはじめとした色んなキャラクターと出逢って、頼れる存在・守らなきゃいけない存在ができました。

「人間としての深みが出てくる様子を表現したい」と堀監督にお話したところ「ルジュも人間ぽくなっていく」というお話もされていたので、そこは特に意識しました。心情的に最初は「言われたから戦いに行く」という、能動的じゃない状態でした。、ナオミとバディを組んだことで、2人で一緒に戦っているという気持ちが強くなって、「自分がしなきゃいけないんだ」という責任感が芽生えていき、ルジュ自身が「何故戦っているのか」も分かってくるので、それは観ていても面白いんじゃないかなと思います。

ーールジュを演じるにあたって、挑戦した点はありますか。

宮本:やはり戦闘シーンですね。アニメでここまで自分で戦いに行くようなキャラクターを演じるのはほぼ初めてだったんです。どちらかというと「行け! 今だ!」と戦っている人を支える立場が多くて。

戦闘する前のルジュは、声量的にも小さいし、駆けることもないんですけど、戦い出すと強くなる女の子なので、その差をつけるのは難しかったです。でも、そこが楽しいところでもありますね。

戦闘シーンも重めのフォルムですが、だいぶ動く子なので、「足はどういうふうに曲がるんだろう」「どこまで手が分断するんだろう」「どこで力が入っているのかな」という部分は教えていただきつつ収録していました。監督の中でどういうふうに戦うのかというイメージは決まっていたので、みんなで「こういう動きなんだ」と共有しながら収録していました。

ーー能動的に前に出ていくキャラクターをアニメで初めて演じてみて、いかがでしたか?

宮本:エネルギーが要るんだなと。

ーーそれこそパンが必要になりますね。

宮本:そうですね(笑)。改めて、パッションが必要になると感じました。あとは収録の関係で、戦っている相手のキャラクターと掛け合いで戦えなかったこともあって、「私1人で戦わねば」という宮本の自意識がたまに働いちゃって(笑)。それをルジュで抑えて、「しっかり戦わなきゃ」という気持ちで挑んでいました。切り替えがとても難しかったです。

ーーそういうときは、ひたすらメンタルを調整していくしかないのでしょうか。

宮本:メンタルや発声、筋トレとか。今回はチェックも長めにしていましたね。どうやって動いてるんだろうということをじっくり見ていきました。

ーー宮本さんから見て、ルジュとナオミのコンビはどのように映りましたか?

宮本:「女の子ふたりのバディって羨ましいな」と思いました。女の子ふたりでいると、時には喧嘩が起きることもあると思うんです。でも相棒がいるのは心強いだろうなと思います。

おすすめタグ
あわせて読みたい

おすすめ特集

今期アニメ曜日別一覧
2024年春アニメ一覧 4月放送開始
2024年冬アニメ一覧 1月放送開始
2024年夏アニメ一覧 7月放送開始
2024年秋アニメ一覧 10月放送開始
2024春アニメ何観る
2024年春アニメ最速放送日
2024春アニメも声優で観る!
アニメ化決定一覧
声優さんお誕生日記念みんなの考える代表作を紹介!
平成アニメランキング