冬アニメ『月刊モー想科学』連載第3回:ゴロー役・土岐隼一さん|「現場の雰囲気がいいと失敗を恐れずに挑戦できる」
オリジナルTVアニメ『月刊モー想科学』が、TOKYO MXほかにて2024年1月11日より放送中。本作の舞台は、とある国にある街・モーストシティ。この街にある古びたビルの2Fには、『月刊モー想科学』を発行する小さな出版社が。
『月刊モー想科学』は奇想天外で「も~びっくり!」な事件、科学者でも「も~無理!」なオーバーサイエンスな現象を記事にしている科学雑誌で、スタッフは美人編集長と編集者のタロー・J・鈴木に加え、アシスタントの小学生ジロー・田中と犬のサブローがいるのみ。そんな編集部に、ある日、科学者のゴロー・佐藤が「世界の歴史を塗り替える、ものすごいネタ」を売り込むために訪れたことから、奇想天外な物語が始まる……。
アニメイトタイムズでは、本作メインキャストのインタビュー連載を実施! 第3回は、ゴロー役・土岐隼一さんに2話を振り返ってもらいつつ、今後の見どころについても語っていただきました。
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ゴローは頭はいいけど、脳の構図はシンプルで真っすぐ
――2話ではタローたちの前に、モーパーツを狙うホワイトペガサス社のパーチ・ノインが現れましたね。
ゴロー役・土岐隼一さん(以下、土岐):1話ではまだ「どういう物語なんだろう」と思う方も多かったと思いますが、2話で本作がどういうストーリーなのかある程度伝わったんじゃないかな。
まだ謎な部分は多いですが、基本的には、モーパーツという不思議な力が込められたものを巡って、謎の組織と争うことになるという分かりやすい構図なんですよね。ゴローを演じる身としては「思った以上に喋るやん! 説明するタイプの子ね」とも思いました(笑)。
――ゴローが編集部に入ったことで、物語が大きく動き始めた感もあります。そういう意味で言えば、ゴローは割とこの編集部のメンバーを引っ張っていくタイプ?
土岐:本人は引っ張りたいとは思っているし、実際にゴローの行動によって周りも動くのですが、彼の思った方向にはいかないんですよね。先導者ではなく起爆剤という感じかな。ただ、結局はオーバーサイエンてぃふぃっく!なことが起きるんです。ゴローとしてはそれが何であれ、楽しいんでしょうね。
――ゴローを演じるうえで、どのようなディレクションがありましたか?
土岐:ゴローって好きなことに対して真っすぐなんですよね。オーバーサイエンてぃふぃっく!なことを説明するときもマウントを取る感じではなくて、ただ自分の好きなものを「これって、こうなんですよ!」って、純粋に伝えようとしているんです。それを表現するために、「偉そうになって欲しくない。含みを持たせず、真っすぐで」というディレクションがありました。頭はいいキャラクターですが、脳の構図はシンプルなんですよね。興味があるから突き進むだけのキャラクターに見えるよう、演じる上でも意識しました。
――そういう真っすぐさは最後まで一貫している。
土岐:そうですね。貫き続けます。恐らく、最後まで裏切りません。
――アフレコ現場はどのような雰囲気でしたか?
土岐:本作の収録あたりから、ゲストの方も含めて一緒にアフレコできるようになったんですよ。休憩中に世間話をしたり、久しぶりのマイクワークでてんやわんやしたりするなかで、場の空気が自然とよくなっていった気がします。
――そういう空気感が作品にも活きてくる。
土岐:そう思います。現場の雰囲気がいいと失敗を恐れずに挑戦できると僕は思っていて。できあがった空気のなかであれば、「失敗したら先輩方に迷惑だから、とりあえず無難なところで終わらせよう」というのが薄れるというか。本作のアフレコではまさに、そういういい空気感が漂っていた気がしました。
それもあったからこそ、純度100%のアニメでは初主演になる後輩の石井孝英くんの芝居が、生き生きとしていたんじゃないかな。アフレコ中は久しぶりにみんなとご飯にも行けて。
中盤の話数の収録後には、みんなでバイキングに行ったんですよ。(エドワード・チー役の)杉田智和さんや(キャサリン・スー役の)釘宮理恵さんも来てくれて。釘宮さんとは犬の話をしました。あと、杉田さんが奢ってくださったんですよ!
――おぉ!
土岐:監督さんをはじめとした制作スタッフさんともご飯に行くことができたんです。本当にすごくいい空気のなかでアフレコできました。
――土岐さんは本作のエンディングテーマ曲も担当されています。タイトルは「SCIENCE」。こちらはどのような楽曲に仕上がりましたか?
土岐:メインキャスト4人で歌っているオープニング曲「オーバーサイエンてぃふぃっく!」は、1話のワチャワチャした雰囲気を表現しています。
対して「SCIENCE」は、2話で謎の組織が現れて戦うことになったシリアス展開を表現していると思っていて。これまでの僕の楽曲にはなかったようなダークでミステリアスな音色を取り入れて、不思議な雰囲気の楽曲になればと思って制作していただいた曲です。
オープニングでは『月刊モー想科学』の陽の部分、エンディングでは陰の部分を表現できたんじゃないかな。