GARNiDELiA(ガルニデリア)ニューアルバム「TEN」インタビュー|「諦めなければ何かが掴める」ということを証明できた1年。今まで以上に明確になった、“ファンへ届けたい想い”とは?
世界中のみんなに愛を届けるのが自分の使命
――今までもいろいろなことを経験されてきたと思います。それでも、この半年の中国での活動は特別に大きいものだったんだろうなとお話を聞いていて感じました。
MARiA:めちゃくちゃ変わりましたね。今やもう一国の主感すらちょっとあるというか。でもその分、プレッシャーもものすごいです。これだけたくさんの人から愛していただくということは、それだけ責任も伴ってくるし、愛ゆえの重さも絶対にあって、それぐらいの覚悟が必要なんだなと感じています。
国際的なアーティストとして活動するということは、「私=日本」という目で見ていただくことも多いわけですし、本当に“日本代表”という気持ちでずっと立たせてもらっています。なんというか……本当にすごいことになっちゃったなと思います(笑)。
でも、もともと恥ずかしいことをしているつもりもないし、私が出たことで日本のイメージが悪くなるようなことをしてきたつもりもまったくないので、そこに関して「どうしよう」という気持ちになったことはないです。私は日本人ですが、中国のみんなも、海外のみんなも大好きなのは本心なので。嘘偽りのない私だからこそ、リアリティショーでウケたんだと思っています。
――ここまでは今回のアルバムで進化、変化したところを伺いましたが、GARNiDELiAとして、今までと変わらないところもお聞かせください。
MARiA:(楽曲を通して)描いている気持ちはずっと変わっていないです。受け取るみんなの感覚は変わったと思いますが、私たちが伝えたいことはずっと一貫していると思います。ただ、そこに迷いがなくなったと思います。サウンドでの表現の仕方とか、どこにどうやって刺していくか、ということではなく、自分が歌いたいように歌うという風に。どんな環境になっても、自分がみんなを愛していることと、みんなからの愛を受けて歌い続けているんだ、ということはずっと変わらないです。
「それでも(自分が)変わっちゃうんじゃないかな」と頭によぎるくらい、常に動きがある環境でしたが、物欲とかも結局あんまり変わらなかったですね(笑)。むしろよりシンプルになったと思います。「自分がなんでステージに立っているのか」をめっちゃ考えるようになって、自分がなんで歌っているのか、なにが歌いたくてステージに立っているのかが、超明確になりました。それが迷いがなくなった理由のひとつですね。どんな環境だろうが、どの国に行こうが、言葉が通じなかろうが、私が伝えたい気持ちはコレだと。世界中のみんなに愛を届けるのが自分の使命だと思っています。もうなんにも怖くないです(笑)。
――おふたりが(悪い方向に)変わる姿は想像できないです。tokuさんは、変わること、変わらないことについて、どう感じていますか?
toku:楽器や機材のテクノロジーが発達することによってやりやすくなっている部分はもちろんあると思います。ただ、(コロナ禍によって)コミュニケーションを取って、ミュージシャンを使ってという部分は希薄になっている感じもあったので、今回はリアルタイムで、僕が中国にいながら、オンラインで喋りながら他のプレイヤーと一緒にやったりしました。
移動中の時間など、限られた時間の中でやりたいことをどう実現するか最短を考えることで、作りたかったことのイメージに一番近いものが出てくるなとも感じました。家にある機材が無駄になっている感じは残念ではあるんですけど(笑)。
「こういうものが作りたい」というものに向かっていく力、やりたいことをやっている自分は変わらないだろうな、と思っています。
「―TEN―」のMVは、“引き算”によって洗練された仕上がりに
――今回のジャケットのコンセプトや見どころもお聞かせください。
MARiA:煌びやか、華やか、ゴージャスな感じにしたいなと思って、やっぱりゴージャスといえば「金(きん)」かなと(笑)。GARNiDELiAのテーマカラーのブルーも入れて「青金」で行きますと伝えました。私も大人になっているので、ドレスのシルエットとかは落ち着いたラインになっていると思います。
――少しインドっぽいなと感じました。
MARiA:みんなからそう言われます(笑)。そこを目指したわけじゃないですが、スタイリストさんも「なんかインドっぽくない?」と。オリエンタルな感じというか。
――中国の次はインドか、と。
MARiA:それもよく言われました(笑)。ボリウッド目指すか~(笑)
――初回限定盤にはMVも収録されていますが、どんな仕上がりでしょうか?
toku:(「―TEN―」について)カッコいいです。
MARiA:ヤバいです! これを見たらきっと「GARNiDELiA、こうなったか!」となると思います。今までの私たちでは絶対やらなかったというか、超スタイリッシュな感じで、衣装も超シンプルなんです。
――そのスタイルこそがこの楽曲に合っているということなんですね。
MARiA:私たち二人が立っているだけでいいと。
スタッフ:今までだったら「画面がもったいないからもうちょっと顔寄りに!」みたいになっていましたから(笑)。
MARiA:やってたやってた(笑)。「顔!顔!顔!」みたいな(笑)。
監督が、ダンサーもバンドも付けないというこの案を出してくれて。照明だけ作りこんで、めっちゃ“引き算”した感じになっています。
――先ほども言いましたが「突き抜けた」という印象をすごく感じました。
MARiA:ありがとうございます!
――きゃにめ限定版には「GARNiDELiA stellacage 2023 -stella ship- Re:CoNNeCT 」上海公演の模様が収録されます。海外のライブは日本とどんな違いがありますか? また、以前の海外と今年の海外での違いもあったりするのでしょうか?
MARiA:違いはめっちゃ感じますね。もとから海外のみんなは熱狂的で、テンション高く応援してくれていましたが、今はホントにとんでもなくて、みんなのパワーに負けないようにステージに立たないと、と思います。それだけ「会いたい」と思ってくれていたんだなと。
――コロナ禍以前の海外ライブは拝見したことがあるのですが、今の海外ライブもぜひ拝見したいですね……!
MARiA:中国ライブに来たら感動すると思いますよ。私たちの中国語でのあだ名なんかもあって。私は小美(シャオメイ)って呼ばれています。
※「小」=「~ちゃん」
――tokuさんは何と呼ばれているんですか?
中国出身のスタッフ:「特酷(トク)」です。意味は「超イケメン」です。
※「酷」=「カッコいい」
toku:変えたいんですけどね(笑)。