アニメ
『オチビサン』塙真奈美×岡本信彦×井澤詩織インタビュー

四季の移ろいを感じる情緒的な演技。童心に帰る大切さを想い起こさせてくれる温かさ――安野モヨコさん原作、スタジオカラー制作のアニメ『オチビサン』塙 真奈美さん×岡本信彦さん×井澤詩織さんインタビュー

安野モヨコさん原作、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズなどでおなじみのスタジオカラーが制作するアニメ『オチビサン』が放送中!

オチビサンやナゼニ、パンくいなどの愛らしいキャラクターたちが微笑ましくもくすっと笑えるやり取りをしていく中で、春から冬へ四季の移ろいを繊細に色彩豊かに描いた毎回5分のショートアニメです。なおこのアニメは鬼塚大輔さんと釣井省吾さんのW監督体制で制作され、版画技法(ボショワール技法)を用いてフルカラーで描かれた原作を3DCGで見事に美しく再現しました。ほのぼのとした雰囲気の裏で、最先端技術を駆使したアニメとしても話題にもなっています。

アニメは2023年10月から春編がスタートし、2024年1月21日より秋編がスタートします。放送も折り返し地点に差し掛かったところで、オチビサン役を演じる塙 真奈美さん、ナゼニ役の岡本信彦さん、パンくい役の井澤詩織さんによる座談会をお届けします。

 

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オチビサン
2007年より「朝日新聞」で連載を開始し、途中連載媒体を変えながら、2019年末まで12年もの間、愛され続けたロングセラー作品です。鎌倉のどこかにある小さな町“豆粒町”を舞台に、主人公のオチビサンと仲間たちは、夏は蝉とり、秋は落ち葉で焼き芋と、毎日遊びに大忙し!どこか懐かしい日本の原風景や、季節の風情をオチビサンの目線を通して描きます。作品名オチビサン放送形態TVアニメスケジュール2023年10月7日(土)~2024年3月30日(土)NHK総合にて話数全24回キャストオチビサン:塙真奈美ナゼニ:岡本信彦パンくい:井澤詩織おじい:茶風林シロッポイ:久野美咲ジャック:後藤ヒロキアカメちゃん:小倉唯ヘビくん:越後屋コースケスタッフ原作:安野モヨコ音楽:神前暁演出:吉邉尚希 新子太一 小林彩 どろみずCGアニメーションディレクター:石川将輝 山内智史 給田洋3Dキャラクターモデリング:若月薪太郎 山内研 鈴木貴志 齋藤弘光美術監督:矢口聖奈色彩設計:平塚のぞみ撮影監督:酒井淳子編集:木村佳史子音響監督:山田陽効果:野崎博樹録音:鶴巻慶典監督:鬼塚大輔 釣井省吾シリーズ構成・脚本・アニメーション制作:スタジオカラー制作・著作:NHK 豆粒町内会主題歌「ロ...

 

四季折々を美しく描いた日本らしい作品で、かわいく、幸福感や情緒を感じられるのが魅力

――原作を読んだり、実際に演じてみて感じた作品の印象や魅力を感じた点をお聞かせください。

オチビサン役 塙 真奈美さん(以下、塙):最初に原作を読ませていただいた時、絵の雰囲気や色のタッチなど、すごくかわいらしくて、愛らしい作品だなと思いました。そして四季折々が美しく描かれていて。その四季を楽しむオチビサン、ナゼニ、パンくいたちの物語はかわいらしいけど、ちょっともの悲しく描いているのが素敵だなと思いました。

 

 
ナゼニ役 岡本信彦さん(以下、岡本):オーディションを受ける時に初めて読ませていただきました。ゆったりした時間が流れていて、テンポも良いけど焦燥感みたいなものが一切ない世界観が魅力的だなと思いました。大人が見たら童心に帰れたり、癒されるような空気感が随所にあって、オチビサン、ナゼニ、パンくいの仲の良さも含めて、幸せな気持ちになれたり、エモーショナルな気持ちになれたりして。「動」と「静」で言えば、「静」の部分でエネルギーをもらえる作品だなと思いました。

パンくい役 井澤詩織さん(以下、井澤):最初に原作を読んだ時、「これが情緒というものか」と。季節感があるお話が多いので、繊細に季節を感じる日本らしい作品だなと思いました。でも「アニメにする時、どういうふうにまとめるのかな?」とも思いましたが、実際にアニメを見てみたら、生き生きとした季節の色味やキャラクターの動きが表現されていて。情緒だけでなく、かわいさやハッピー感がこういうふうに表現されるのかと感じました。

――ご自身が演じるキャラの印象とご自身と似ている点や共感できる点をお聞かせください。

塙:オチビサンは、すごく活発で好奇心旺盛な子で、普通であればなかなか気付かないきっかけだったり、人によってはちょっと嫌だなと思うことでも、オチビサンにとっては楽しいことの始まりに見えるところが素敵だなと。私自身も四季を感じるのが子供の頃から好きで、空を見たり、空気の匂いを感じたり、私なりに四季を楽しんでいたので、オチビサンとも共通しているかなと思います。例えば雨が降ってきた時、雨音きれいだなと感じるだけではなく、オチビサンは雨が降ること自体を楽しめるんです。そんな心の柔らかさや感受性の豊かさにとても共感できました。

 

 
岡本:ナゼニは本をたくさん読んでいて、知識が豊富で、それをオチビサンやパンくいに教えてあげたり、一人で反すうしながら物事の分析をしたりしている子です。あとナゼニだけでなく、オチビサンやパンくいに共通しているのはみんな優しくて、ナゼニも穏やかなイメージで。

僕と似ているところを見つけるのは難しいですね。ナゼニはとてもいい子で、優等生でありながら裏表がまったくないので……あっ、僕に裏表があるというわけではありませんけど(笑)、ここまでいい子を演じたことはないとTwitter(現X)にも書いたことがあるくらいで。

でも演じるにあたっては僕の中にある優しい気持ちをギュッと集めて声にしました。だから似ているところはほぼないけど、もしかしたら昔、空を眺めていた岡本少年に近いのかもしれません。

――岡本さんの少年時代を感じられるかもしれないんですね。

岡本:無心で口を空けて、虚無の顔をしていた時の、水面が波打つ感じではない凪のような岡本少年に似ているかもしれないです。

――今の詩的な表現はナゼニっぽいかも。

岡本:そうですか? ナゼニはもっと難しいことを言っている気がしますけど(笑)。

 

 

パンくいと井澤さんの共通点は一番の親友ではなく、3番目っぽいところ!?

――井澤さんはいかがですか?

井澤:パンくいはなかなかエキセントリックなキャラクターで(笑)。優しさはあるけど、ナゼニよりはちょっとトガっていて、どちらかといえば自由に、自分の気持ちに素直に生きている子です。似ているところは誰かの1番目の友達じゃなくて、3番目くらいなところ(笑)。私が見た限り、距離感的にオチビサンの1番の友達はナゼニかシロッポイ(CV.久野美咲)じゃないかなと。

塙:なるほど。

岡本:そうですか? 僕はパンくいが一番好きですけど。

井澤:嬉しい! パンくいは、一人で楽しいみたいなところが強いからオチビサンの親友かと言われればちょっと違う気がして。私も親友になりたいけど、3番目くらいのポジションが多いので、そこが似ているかなと。

――オチビサンとパンくいは一緒にいることが多いし、よくケンカもしているから親友かなと思いました。

井澤:不思議な関係性ですね。結構、どついているし。

塙:どつきあいしてますよね。二人共ストレートに自分の気持ちをぶつけ合うタイプだから(笑)。

井澤:演じていてとても楽しいキャラクターです。

 

 

――この三人のバランスはすごくいいですよね。

岡本:ナゼニは、オチビサンとパンくいの間をうまく取り持つ接着剤みたいな役割かもしれません。

塙:なにか面倒をみられている気分になります。

井澤:保護者感が強いから(笑)。

 

 

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