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『魔道祖師』蘭陵金氏特集|金光瑶、金子軒、莫玄羽を中心に解説

【シリーズ五大世家⑤】『魔道祖師』蘭陵金氏特集|修真界の頂点に上り詰めた金光瑶の伝説と金氏の血縁関係を解説──魏無羨を召喚した莫玄羽はどんな人物?

人気作家・墨香銅臭先生が綴る中国BLファンタジー小説『魔道祖師』。アニメや実写ドラマ『陳情令』、ラジオドラマ、漫画などのメディアミックスも展開し、世界が熱狂するメガヒット作品です。

本作は、妖魔や邪気などが人々の生活を脅かしていた架空の古代中国を舞台に、主人公・魏無羨(ウェイ・ウーシエン)と藍忘機(ラン・ワンジー)の激動の運命を描く物語。五つの仙門世家が大きな勢力を誇るなか、暴虐の限りを尽くしていた岐山温氏を討伐すべく、雲夢江氏、姑蘇藍氏、蘭陵金氏、清河聶氏の四大世家は一致団結しました。

本日2月20日は蘭陵金氏の宗主である金光瑶と、前宗主である金光善の嫡男・金子軒のお誕生日です。おめでとうございます!

お誕生日を祝して、本稿では豪華絢爛たる「蘭陵金氏」をご紹介。金光瑶の伝説をはじめ、やや複雑な血縁関係(金光瑶、金子軒、莫玄羽)に焦点をあてた金氏の内情、観音廟のあとの魏無羨と金凌のエピソードについても少し触れています。

※本稿には『魔道祖師』『陳情令』のネタバレが含まれます。ご了承ください。

 

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金光瑶が仙督の座に就いて百家を統括

仙府:金鱗台(きんりんだい)

 

長年の仙門の大混戦の勝者として、現在は蘭陵金氏(らんりょうジンし)が大きな勢力を誇り、宗主である金光瑶(ジン・グアンヤオ)が仙督として百家を統括しています。金光瑶は姑蘇藍氏の宗主・藍曦臣(ラン・シーチェン)と親交が深く、両家の関係は良好だと言えそうです。

蘭陵金氏の家紋は白い牡丹。本拠地である金鱗台には辺り一面、金星雪浪(非常に上品で美しい白牡丹の一種で、家紋にあしらわれている)が花の海のごとく咲き誇っています。

自らを花の王である牡丹に例え、仙門の王であると密かに誇示している金氏。家風は「驕傲(きょうごう)」であり、傲岸不遜で豪華絢爛を好む一族なのです。彼らが丹砂で眉間に朱色の点を付けるのは、「知恵を啓き、確かな志を胸に、朱の光で世を照らせ」(日本語版小説第1巻「驕傲」より引用)という意味があると言われています。

 

金子軒、金光瑶、莫玄羽は異母兄弟

 

金氏の先代宗主である金光善(ジン・グアンシャン)は好色家で庶子が多くいます。つまり嫡男の金子軒(ジン・ズーシュエン)には異母兄弟が複数人存在しており、金光瑶と莫玄羽(モー・シュエンユー)も金光善の子。厳密に言うと、金光瑶は金子軒の異母弟であり、莫玄羽の異母兄にあたります。

金光瑶と莫玄羽は金光善の子であるとはいえ、金氏での扱いは嫡男の金子軒とは天と地ほどの差。特に金光瑶は、金子軒と同じ誕生日であるのにも関わらず酷い仕打ちを受けており、長らく金氏に迎え入れられることはありませんでした。金光瑶が初めて金鱗台に上ったときの悲惨な噂は詳細に世に広まっています。

一方、莫玄羽はというと彼と比べると待遇はやや良い方で、一度金氏に丁重に迎え入れられていました。しかしその後、訳あって追い返されています。

 

莫玄羽とはどんな人物?

 

莫玄羽は、自分を虐げていた莫家への復讐のために献舎の術(=自らの肉体と魂を代償に悪鬼邪神を召喚する術)で魏無羨を蘇らせた人物。非業の死から13年後、現世に復活した魏無羨は莫玄羽の体で生きていくことになります。その莫玄羽とはいったいどんな人物だったのか、彼の出世も併せてここでご紹介します。

莫玄羽の母方の祖父は地元の大地主。二人の娘のうち次女は秀でた容姿を持っていたものの侍女の娘であったため外に嫁がせるつもりでした。しかし、16歳の時に仙門名家の宗主がその次女に一目惚れして逢瀬を重ね、後に彼女は男の子を出産。その子が莫玄羽です。

仙門名家の宗主とはまさに金光善のことで、彼が莫家に訪れる回数は次第に減っていき、莫玄羽が4歳のときにはぱったり来なくなりました。けれど、莫玄羽が14歳になった年、金光善はたくさんの使いを出して丁重に彼を金氏に迎え入れます。

しかし莫玄羽の素質は平凡で、修行の成長は遅く修為も霊力も低い。さらには話によると彼は断袖(男色のこと)で、同門の弟子につきまとっており、一門に置いておく理由はないとして追い返されてしまいます。

 

 

しかも莫玄羽は気が触れていたようで、魏無羨が莫家荘で蘇った当初、その顔には白粉と紅が塗りたくられていました。彼が首つり鬼のような化粧をしていても誰も何も言わない上、部屋の床に血生臭い呪術陣があっても不思議には思わないのです。莫玄羽の顔立ちはというと、化粧を落とすと秀麗で垢抜けた雰囲気を持っています。

莫玄羽がつきまとっていた相手が金光瑶であったことを後に魏無羨が知ることになるのですが、金子軒の息子である金凌(ジン・リン)の記憶によると、莫玄羽は金光瑶を神のように崇めていたそうです。

 

金光瑶の伝説

 

金光瑶の出生と金鱗台で起きた悲劇

金光瑶の母親は雲夢にある遊郭の有名人で、当時は「花柳才女」という美名で呼ばれていました。雲夢に立ち寄った金光善がこの人気絶頂の有名娼妓を見逃すわけはなく、彼女に惚れ込み何日も滞在を続けます。しかし、“約束の証”=真珠の釦を一つ残して立ち去ったあと、金光善はこれまでの数え切れないほどの浮気と同じく彼女のことはすっかり忘れてしまっていました。

母親は孟瑶(モン・ヤオ=後の金光瑶)をたった一人で産むと、将来仙門に入るための準備をさせながらずっと金氏からの迎えを待っていましたが、一向に音沙汰はありません。母親は危篤に陥り他界し、孟瑶は約束の品を持って雲夢を旅立ち金鱗台へと向かいます。

孟瑶が金鱗台に上った日。その日はよりによって金子軒の誕生日で、盛大に宴を催していました。孟瑶が持ってきた真珠の釦は金夫人の逆鱗に触れ、金光善は慌てて孟瑶を追い返すよう下僕に命令します。

そのような経緯があって、孟瑶は金鱗台から蹴飛ばされてその階段の最上段から一番下の段まで転がり落ちたのです。話によると、起き上がった彼は何も言わずに額の血を拭いて、服の埃をはたき荷物を背負うと、そのまま立ち去ったそうです。

 

修真界の頂点に上り詰めた金光瑶

 

射日の征戦の戦端が開かれたあと、孟瑶は清河聶氏の門弟に。当時の聶氏宗主・聶明玦(ニエ・ミンジュエ)は優秀な孟瑶を気に入り補佐として重用していましたが、金氏入りを願う彼の気持ちを知り推薦状を書いて送り出します。

しかしその後、聶明玦は孟瑶の本性を目の当たりにすることとなり彼を激しく憎むように。孟瑶はしばらく消息を絶っていたのですが、岐山温氏に潜伏して宗主の温若寒(ウェン・ルオハン)に気に入られ、地位を上げて最後には彼の腹心にまでのし上がっていました。

密かに藍曦臣に文を送り、温氏の機密情報を流して温若寒を暗殺した孟瑶。射日の征戦で功績をあげた彼は、その聡明さと有能さをもって悲願の蘭陵金氏入りを果たし、金光善亡きあとは金氏宗主の座に就きます。

厳格な質で決断が迅速な〈赤鋒尊(せきほうそん)〉こと聶明玦、温和で高潔な品性を持つ〈沢蕪君(たくぶくん)〉こと藍曦臣、八方美人で明敏な策士と言える〈斂芳尊(れんほうそん)〉こと金光瑶。彼らは射日の征戦時に義兄弟の契りを結んでおり、各々の美談が仙門世家に伝えられ「三尊」と呼ばれるようになりました。

 

 

しかし、義兄弟の契りを結んだとはいえ、聶明玦と金光瑶の確執は根深いものに。聶明玦が日に日に短気になり乱心するなかで、藍曦臣は姑蘇藍氏の秘技のひとつ「清心音」を金光瑶に伝授します。

金光瑶は心を清め気を鎮める効果があるこの曲で聶明玦の治療を続けていましたが、聶明玦は狂乱状態に陥り、金光瑶に対して数々の嫌疑と怨恨を抱くなかで急死。聶明玦は刀霊に蝕まれ発狂したとされていますが真相やいかに。この件に関して、魏無羨と藍忘機は「清心音」に注目して謎を追究しています。

ちなみに、当時は聶明玦率いる清河聶氏が最盛期を迎えて蘭陵金氏を凌ぐ勢いだったのですが、彼の死後は弟の聶懐桑(ニエ・ホワイサン)が宗主の座を継いで、聶氏の情勢は変化していくのでした。

 

 

金子軒と雲夢江氏の江厭離が婚姻を結ぶ

 

金子軒は、魏無羨や藍忘機、江澄(ジャン・チョン)、聶懐桑とは、かつて参加していた姑蘇藍氏の座学で共に学んだ仲です。この時に婚約者である雲夢江氏の江厭離(ジャン・イエンリー)をめぐって魏無羨と喧嘩になり、その縁談は当時の江金両家宗主の話し合いにより一度白紙となっていました。

江厭離は雲夢江氏の現宗主・江澄の姉であり、魏無羨にとっては特別大切な存在である優しい師姉。穏やかな性格でありながら芯の強さも見せる素敵な女性です。一度は婚約破棄となったものの、金子軒が江厭離に想いを告白して二人は後に婚姻を結ぶことに。

魏無羨が雲夢江氏から離反したと世間に伝わった後、江厭離は婚礼を挙げる前に江澄と共にこっそりと夷陵へとやって来て、婚礼衣装を身に纏った姿を魏無羨に見せてくれました。

実は彼女の息子である金凌の字「如蘭(ルーラン)」は、まさにこの時、その子がまだ生まれる前に魏無羨がつけたもの。江澄の提案で、江厭離が息子の字をつけてほしいと魏無羨に頼んだのです。 蘭陵金氏の次の世代の字には「如」が入るということもあり「金如蘭」となりました。

今となってみると、後に金子軒は非業の死を遂げ、金光瑶は修真界の頂点に立ち、莫玄羽は己の命と引き換えに魏無羨を召喚しており、それぞれ思いもよらぬ運命を辿ることとなりました。

 

 

<次ページ:金凌と魏無羨が観音廟以来の再会、蘭陵金氏キャラクター&キャスト紹介>
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