アニメ『刀剣乱舞 廻 -虚伝 燃ゆる本能寺-』三日月宗近役・鳥海浩輔さん×山姥切国広役・前野智昭さんインタビュー|お互いが感じたそれぞれのキャラクターとの共通点
舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺を脚本原案とするアニメ『刀剣乱舞 廻 -虚伝 燃ゆる本能寺-』が、2024年4月2日(火)より放送されます。魔王・織田信長が暗殺される歴史の分岐点「本能寺の変」を舞台に、織田に関わる4振りの刀剣男士たちの活躍が描かれる今作。
本稿では、三日月宗近役・鳥海浩輔さん、山姥切国広役・前野智昭さんのインタビューをお届けします。今作の見どころに加え、長く携わってきたシリーズへの想い、演じるキャラクターとの共通点なども伺いました。
今作の三日月宗近には少しだけソリッドな面がある
ーー舞台の第一作目を脚本原案とするアニメ化のお話を伺った際、どのような感想を持ちましたか?
山姥切国広役・前野智昭さん(以下、前野):舞台の中でも人気の高い作品だと伺っていましたし、『刀剣乱舞』のアニメーションが新しく作られること自体も嬉しかったです。ただ、お話を伺った段階では、具体的にどうなるのかがはっきりしていませんでした。例えば、「舞台版のキャストさんがキャラクターの声を担当する」とか。色々な可能性があった中で、これまで通りの声優陣で携われると知って、非常に楽しみな気持ちでした。
三日月宗近役・鳥海浩輔さん(以下、鳥海):僕も前野くんと概ね一緒ですが、最初は「そういうアプローチもあるのか」と驚きました。原案ゲームは我々がやっていたので、ある種の逆輸入と言いますか。それと同時に、再びアニメで動く彼らを演じられることが非常に嬉しかったです。
ーーアフレコ時のエピソードやディレクションについてはいかがでしたか。
鳥海:特にはなかったですね。まだ分散収録の時期だったんです。僕と前野くんはほとんど一緒にできたかな?
前野:そうですね。大体3〜4人1組のチームでやっていたのですが、1年前の今頃には録り終えていました。
鳥海:頻繁に絡む人同士は一緒でしたが、粛々と進んでいった印象です。細かい演出上の動きや感情の振れ幅についてのお話はありましたが、「今回はこうやってください」といったディレクションはありませんでした。
ーー長く演じているので、ある種の信頼関係も生まれているのではないかなと。
鳥海:舞台が脚本原案ではありますが、全てが同じように描かれることはないと思っています。そういう意味でも、キャラクターに関してはお任せいただいていました。(前野さんへ)何か言われた?
前野:特に演出面で、ご指摘いただいたことはなかったですね。細かいニュアンスだったり、距離感だったり、アクションの動きだったり、そういった演出はありましたが、キャラクターとしての振れ幅は、大部分をこちら側に委ねていただいた気がします。
ーー収録中にふたりの間でお話されたことは?
鳥海:主に雑談です(笑)。
前野:(笑)。キャラクターとの関係性とか、そういうお話をすることはなかったですね。
ーー改めてになりますが、おふたりが演じられる刀剣男士について、どのようなことを考えてお芝居に落とし込んでいるのでしょうか?
前野:山姥切は、自身のコンプレックスが軸にあるキャラクターなので、今作でもそういった部分を大事にしています。今回は、「その葛藤をどう成長に繋げていくのか」というお話だったので、毎回演じていて楽しかったです。改めて、乗り越えていく過程を応援したくなるようなキャラクターだと感じました。一方の三日月は「毎回難しそうだな……」と勝手に思っています。
鳥海:確かに難しい立ち位置にはいるキャラクターだと思います。全部知ってるような気もするし、何も知らないかもしれないという曖昧さを出したいなと。
ただ、たまに良いことを言ったり、導くような言葉を残したり……。普段は聞いてる人が決めつけられないくらいの物言いで、あえて核心に触れすぎないように演じていますが、説得力を持たせつつも、「それが正解だ」という提示はしたくなかったんです。
今作の三日月は、山姥切を導く立場というか。彼に期待しているという立ち位置なので、今までと比べると少しだけソリッドな面があるかもしれません。基本はいつもと一緒ですが、少し強めの言葉を言っていて、今までより方向性は分かりやすいんじゃないでしょうか。