
『ファイナルファンタジー』ファン感涙の懐かしさを感じられるRPG『FANTASIAN Neo Dimension』をレビュー|長谷川育美さん演じるツンデレ王女・シャルルの健気すぎる可愛さも語りたい
シンプルなコマンドバトルなのに爽快感も味わえる
RPGといえば、やはりバトルシステムを重視する方も多いのではないかと思うのですが、本作は元々iOS向けに提供されていたこともあって、RPG初心者でも遊びやすいコマンドバトル方式が採用されています。
とはいっても、ただのオーソドックスな普通のコマンドバトルかというとそうではなく、味方や敵の配置が戦闘に大きく影響するのが特徴。本作のスキルには、直線だったり円形だったりと攻撃の範囲が設定されていて、その範囲に敵が存在していれば複数の敵を一気に攻撃することが可能。魔法などのスキルは、目標に向かって弧を描くような軌道で飛んでいくので、壁を利用して半円状の進路の敵を攻撃したりもできます。
この要素を活かして、100体以上のザコ敵を相手にするという、普通のコマンドバトルではまず遭遇しないようなシチュエーションがあったり、ノーマルの難易度でもボス戦はギミックなどを理解して戦わないと苦戦することも多く、結構やりごたえがあります。
また本作では、フィールドを歩いていると一定のタイミングで敵と遭遇するランダムエンカウント方式が採用されているんですが、一度でも倒したことがある敵とのエンカウント時に敵を一時的に異次元にストックしておき、任意のタイミングでまとめて戦うことができる“ディメンジョンシステム”の存在が独自の味付けをしてくれています。
ランダムエンカウント方式って、ダンジョン内とかを移動している時に頻繁に足止めを食らったりするのが結構ストレスになったりするんですが、このシステムのおかげでボスの元にたどり着く前などHP・MPの消耗を抑えて進みたい時にも一切ストレスがありません(ストックしておける敵の数には上限があるので、ずっとエンカウントを無視できるというわけではありませんが)。
ストックしておいた敵とまとめて戦う際の“ディメンジョンバトル”は、大量の敵と同時に戦うことになるのでちょっと大変なんですが、バトルフィールド内に攻撃力ブーストや再行動などかなり強力な効果のギミックが配置されているので、通常よりもテンポよく敵を倒せるようになっています。次々と湧いてくる敵をドンドン倒していく爽快感という、RPGのコマンドバトルだとなかなか味わったことのない体験ができます。このおかげで、レベル上げにも作業感がなく、楽しくバトルできたのが非常に良かったです。
元々本作は買い切りのタイトルではないので、RPGとしてのボリューム面を気にされる方もおられるかもしれませんが、本作はストーリー主導型の第1部、自由度の高い第2部という二章立てになっていて、第1部だけでも十分一本のゲームとして成立するくらいボリュームがあるので安心。もともとフルプライスのゲームとして作られたんじゃないかと思えるくらい、しっかりと作られているので安心です。
ゲームの雰囲気、キャラクター、バトルとどの要素の完成度も高く、とくに坂口さんの関わられていた頃の『FF』が好きだった世代としては、本当にたまらないゲームになっていました。ちょっと懐かしい雰囲気のRPGがやりたいなら、是非にプレイしてみてください。
[文/米澤崇史]
作品情報
あらすじ
主人公レオアは、機械に溢れた見知らぬ場所で目を覚ます。
ここはどこなのか、なぜここにいるのか、なにも思い出せない。
レオアの記憶は、失われていた。
死械に脅かされる人間の世界、
謎多き機械の世界、
そしてまだ見ぬ、更なる次元。
残された「ワープマシン」を頼りに、
レオアは失われた記憶を求め、次元を巡る旅へと踏み出す。
キャスト
(C)MISTWALKER/SQUARE ENIX
動画











































