
付き合い始めた二人の“これから”を演じられる嬉しさ。第2期には相手を想うがゆえの切ないシーンもーー『阿波連さんははかれない season2』水瀬いのりさん&寺島拓篤さんインタビュー|転校生・玉那覇さんはこれまで作品になかった視点を持ったキャラクター
玉那覇さんは視聴者に近いような視点を持ったキャラクター
ーー阿波連さんとライドウくん以外で、お気に入りのキャラクターはいますか?
水瀬:石川くんは、見ていて初めての感情を抱くタイプでした。
寺島:見たことないタイプだよね。
水瀬:(キャラクターの立ち具合的に)本当に、ただのクラスメイトにしておくのはもったいないし、かといって彼にスポットライトを当てないからこその良さもあって、そのうえで気になってしまう存在です。佐藤(ハナコ)さんもそうなんですが、ちゃんと華があるし、このキャラクターたちが二人(阿波連さん、ライドウくん)と同じ世界にいることの面白さというか。二人がクールで、モノローグが多めなキャラクターなのに、普通に「おはよう!」と挨拶する友達がいることで、「みんなで学生生活を過ごしている」と感じられるんです。二人だけだと、やっぱりはかれないやり取りになってしまうと思うんですが、クラスメイトみんなが良いキャラをしていて、みんなが二人をちゃんと好きでいてくれる空間だからこそ、学生生活を謳歌できていると感じます。
寺島:僕は阿波連きょうだいがすごく好きですね。家族仲が本当に良くて、見ていて微笑ましいですし、(える役の)日高(里菜)さんと、(れん役の)久野(美咲)ちゃんのお芝居も絶妙なさじ加減でやっているので、「こんなの見たことないぞ!?」という造形に仕上がっていて。それでいて「阿波連さんの家族なんだな」というのが分かる人物像をしているので、「とても素敵な家族だなあ」と登場するたびに感じています。
あとは、第1期から姿は見えていたんですが、第2期で登場シーンが増えている、阿波連さんの前の席にいる「比嘉くん」がめちゃくちゃ好きですね(笑)。第2期で出番が増えていて嬉しかったです。
ーー第2期で新たに登場するキャラクターの中で、特に注目してほしいキャラを教えてください。
水瀬:それはやっぱり、転校生の玉那覇さんです。
寺島:そうだよね。
水瀬:第1期の時点で個性豊かなキャラクターは多かったんですが、「そういえばこのポジションはいなかった!」と思いました。とんでもないポテンシャルを持ったキャラクターですし、彼女が来たことにより、れいなちゃんたちが究極体になるというか、すべてのピースが揃ったというか(笑)。
『阿波連さん』らしいすれ違いだったり、ギャグの部分もあるんですが、玉那覇さんが来たことによって、ピュアな感情とか、思ったことを口にする大事さを再確認できましたし、それが背中を押してくれるところもけっこうありました。
水瀬:なので第2期は、玉那覇さんの暴走と、彼女を演じる奈央ぼう(東山奈央さん)の大粒の涙が見えてくるようなお芝居を楽しみにしてほしいです。
寺島:玉那覇さんは第2期において、絶対外せない存在だと思います。彼女の視点は今までいなかったポジションというか、どちらかというと視聴者に近い感じがします。「あの世界の人ってみんな阿波連さんとライドウくんに対して肯定的すぎるだろ」ということに気づかされました(笑)。
みんな、ギャグテイストなのでポジティブな方向に転がっていくんですが、玉那覇さんは逆にネガティブなアクションを刺してくるので、彼女がいることで面白さの幅がすごく広がったなと。彼女がいなかったら、ここまで魅力は増さなかったかもしれないと思うくらい、大切な存在になっていますね。
水瀬:あとは、桃原先生をはじめとした大人たちもよりパワーアップして登場するので、そこにも注目してほしいです。二人が付き合うことになり、先生の“あはれ”がより加速していて(笑)。今までは先生の妄想だったものが、“公式”になってしまったことで更なる破壊力が生まれています。
“一人じゃない”れいなちゃんの成長をぜひ見届けてほしい
ーー本作に限らず、続編のアフレコ時に、座長として新しいキャストさんを迎える上での心構えなどはありますか?
水瀬:何でしょう?……「変わらずいる」ことでしょうか(笑)。
ただ、今回に関して言えば、奈央ぼうとはいろんなところで会っていて、仲もいいので、安心感しかなかったです。新キャラクターというプレッシャーもかかる部分にチャレンジしていく姿は、玉那覇さん自身とリンクしましたし、改めて奈央ぼうのひたむきさであったり、キャラクターを大切に、そして視聴者の皆さんに愛されるように、という想いをひしひしと感じました。
寺島:僕も共演することが多いので、何も心配していなかったです。東山くんは、その人のお芝居でしか出てこないものがあるタイプの役者さんなんですよね。なので、玉那覇さんについても、想像していた以上のものが出てきて、「こりゃすげーや」と、座長がどうとか関係なくただ感心して見ていました(笑)。
ーー第1話で特に面白かったシーンや、注目してほしいシーンを教えてください。
水瀬:やっぱり「ギャルが来た!」というインパクトでしょうか。『阿波連さん』の世界では異質なカテゴリの玉那覇さんの登場のテンションは「今までにない!」となると思います。れいなちゃん、ライドウくんが大きな声で挨拶することってあまりないので(笑)。
正反対な個性を持ったキャラクターが第2期の第1話から投入される、その起爆剤っぷりというか、これまでとは別作品を見ているような空気になるので、「パワーアップして帰ってきた」と感じると思います。
寺島:ギャルと不良の違いが分かっていないライドウくんと、第1期から健在の妄想っぷりにも注目してほしいです。一発目から衝撃的な絵面になっているので(笑)。「こういう作品です」というのを最初からしっかりやってくれます。
水瀬:徐々に思い出す感じじゃないですもんね(笑)。「ああ、これだ!」と一発で思い出すと思います。
ーー最後に、第2期全体の見どころを踏まえて、読者へのメッセージをお願いします。
水瀬:第1期で二人の心の距離が少しずつ近づいていった訳ですが、第2期では、学生生活という時間が過ぎていく中で、「今が過去になる」ということを意識しだす切なさが描かれます。ライドウくんというかけがえのない存在と一緒にいる、“一人じゃない”れいなちゃんがどんな成長を遂げていくのか、ぜひ見届けてほしいです。
寺島:学生生活において一つのゴールとも言えるような関係を築いたところで第1期が終わり、第2期で「学年が変わって、みんなとどうなるの?」という心配を第1話で忘れると思います(笑)。第1期同様、それぐらいのハチャメチャエピソードがずっと続いていって、終わる頃、みなさんがどんな感情を抱くのか、というのを楽しみにしています。その瞬間に起こることから目を離さないで楽しんでいただきたいです。
[インタビュー/篭法 撮影/小川いなり]
『阿波連さんははかれない season2』作品情報
2025年4月7日(月)22時00分より
TOKYO MX、MBS、BS11、AT-X にて順次放送開始

あらすじ
人との距離をはかるのが少し苦手。
そんな彼女の隣の席に座るライドウくんは、
阿波連さんとの間に距離を感じていた。
だが、ある日、阿波連さんが落としてしまった消しゴムを
ライドウくんが拾ったことをキッカケに、ふたりの距離は急接近!!
学校生活を送る中で「遠すぎたり」と「近すぎたり」を繰り返し、
付き合い始めた阿波連さんとライドウくん。
それから迎えた新学期、
今度は転校生との距離がはかれない!?
色んな意味で、『はかれない』密着系?
青春ラブコメディの幕が再び上がる!!
キャスト
(C)水あさと/集英社・BILIBILI