
冬アニメ『全修。』スタッフ連載インタビュー第四回:音楽担当・橋本由香利さん&音響効果担当・白石唯果さん|「この曲違う、全修だわ」と自分にリテイクを出すこともあります
ナツコとルークの関係も変わっていくのでそこも見所だと思います
──ここからはお二人自身のことについても質問させてください。まず、いつ頃から今のお仕事をしたいと考えていましたか?
橋本:音楽を仕事にしたいと思い始めたのは中学生の頃で、当時は「音楽を仕事にする」と言っても、具体的にどのような職業があるのか全く分からず漠然とした憧れを抱いていただけでした。高校生の頃はFM(ラジオ)から流れる洋楽を聴き、貸しレコード店に足しげく通っていましたがミュージシャンや作曲家になろうとは考えておらず、今現在アニメのBGMを作っている自分を不思議に感じることがよくあります。
白石:高校生の時に決めました。元々“音”が好きでインターネットで検索して音響の専門学校があるのを知って入ろうと思いました。邦画はあまり見ないのと実写よりアニメが好きなのでアニメ業界目指しました。
──白石さんは音響効果という仕事があることをいつ頃知りましたか?
白石:それも高校生の時に知りました。アニメ音響は一塊で効果音とかミキサーとか分類があるのを全くわかっていなくて、専門学校を調べた時に知りました。
──タイトルの「全修。」もインパクトがあります。お二人はこれまでの仕事で、「全修(オールリテイク)」となった経験はありますか?
橋本:劇伴はたくさんの曲を作るので、「この曲は方向性が違うから全修だね」ということは多々ありますね。作っている途中でも次の日聴いてみて「この曲違う、全修だわ」と自分にリテイクを出すこともあります。
白石:あります。効果音の方向性が合わなくて一回プレビューしてから話し合って後日やり直しました。私は控えめが良かったのですが監督はセリフを食うくらいに派手に音量上げたいみたいで全然合わなかったです。こういう時には効果音担当が降板して別の方にお願いすることの方が圧倒的に多いので、修正する機会がもらえて良かったと思いました。
──最後に、今後の見どころを教えてください!
橋本:5話ではジャスティスが登場し、ナインソルジャーのメンバーの秘密が少しずつ明らかになっていきます。ジャスティスの活躍と、メンバー同士の関係性が変化していく様子には目が離せません。音楽も最終回に向けて徐々にシリアスなトーンが増していきますので、物語と共にその変化を楽しんでいただければと思います。
白石:異世界転生ものはチート能力で無双することが多いのですが『全修。』はそれだけではなく、シリアスなシーンも増えていき終盤までの展開が予想できなくてドキドキします。作業しながら毎週展開が楽しみでした。ナツコとルークの関係も変わっていくのでそこも見所だと思います。
音響効果としてはアクションシーンを頑張ったので見て欲しいです。山﨑監督とミキサーの早野さんとは仕事したばっかりの時から何作品かご一緒させていただいていたのですが初めてのアクションが多い作品ですごいプレッシャーでした。それこそ方向性が違って担当を変えると言われたらどうしようと不安でした。それでもやっぱり絵の力が凄いので絵に助けてもらってアクションもカッコよくできたと思います。
構成 M.TOKU
作品概要
















































