
「4人じゃなきゃダメなんだ」――スフィアが証明した唯一無二のステージ/15周年ライブレポート
声優の寿美菜子・高垣彩陽・戸松遥・豊崎愛生の4人によるスーパーガールズユニット・スフィア。2009年2月15日に結成、4月22日にシングル「Future Stream」で歌手デビューを果たすと、瞬く間にトップランナーへと駆け上がる。充電期間などを経て、活動17年目に突入したスフィアが、デビュー15周年記念シングル「Shining days, shining stars!」を引っ提げて、5年ぶりのワンマンライブ『LAWSON presents スフィアライブ2025 “Welcome!!!!!”』を行った。2025年2月22日(土)・23日(日・祝)、立川ステージガーデンにて行われた2DAYSライブの、2日目の模様をレポートする。
光るボックスと青く染まる会場「Planet Freedom」の演出
15周年……紗幕に映し出された、15の数字がてっぺんにある掛け時計の針が、チクタクと動いている。15周年記念楽曲「Shining days, shining stars!」のイントロにあった時計の針の音を視覚的に表現すると、そのあとにくるチャイムの音と激しいドラムの生音が、観客のテンションを上げていく。紗幕の奥から、突き抜けてくる4人の歌声は、デビューした頃から変わらず、唯一無二の個性を放っていた。幕が1/3だけ上がり、4人の姿がはっきりと現れると、残りの2/3はスクリーン代わりにして、4人の姿を大きく映し出す。スペーシーな雰囲気、キラキラと輝く衣装、私たちがスフィアだ!と言わんばかりのステージングだ。4人もクラップを促したり、観客を煽りながら、前向きな歌を届けていく。
紗幕が上がりきると、バックバンドがいて、ステージの上にもう一つ小高くなったミニステージがあることが明らかになる。続く「キミが太陽」では、ファンのカラフルなペンライトが楽しそうに揺れる。スフィア自身のことを歌った曲だが、今ではファンとの絆も確かめ合うような歌になっていると感じた。それは、ファンのものすごい掛け声と〈ありがと〉の大合唱があったからだろう。
「Planet Freedom」は、ペンライトで青く染まった会場に、4人の伸びやかな歌声が響き渡っていく。また、ステージには4つの光るボックスが設置されていたのだが、それは動く椅子にもなっていて、先日第二子の妊娠を発表した戸松遥が、座りながらでもパフォーマンスできるように考案されたものなのだろう。ボックスは、その後も大活躍だった。
一気に3曲を歌い切ると、満員の会場に挨拶をしていく。5年ぶりのワンマンライブであり、2DAYSライブの2日目、ライブタイトル通り「“Welcome!!!!!”」と、4人は歓迎モードだ。自己紹介中、すぐ話を脱線させ、メンバーカラーが光るボックス椅子に、“ウニ”“ぶどう”“生ハム”“メロン”と名前をつけていくなど、その自由さが、彼女たちらしかったし、高垣のオヤジギャグがスベるのも、お馴染みの光景だった……。「(そんな)私たち、スフィアです」と、声を合わせ、自己紹介をうまくまとめると、続いて「スフィ」「アー!」のコール&レスポンスで、再び客席を温める。
最初の立ち位置だけで客席が沸いた「Now Loading…SKY」でファンキーに盛り上がり、アゲアゲな「HIGH POWERED」では、戸松がミニステージで歌う横で、バンドのギターとベースがパフォーマンス。メンバー3人は前方でボックスステップを踏みながら歌っていく。曲の最後に、ギターとベースのネックを合わせ、三角にしてイカの頭を表現していたのは、この曲が、TVアニメ『侵略!?イカ娘(第2期)』のOPテーマだからだが、2011年放送のアニメなので、長年のファンは、懐かしさにニヤニヤしたことだろう。
最初からテンションが高い曲ばかりをやってきたので、ここからは観客を着席させ、自分たちもボックス椅子に腰掛けて、静かな曲を届けていく。グッズのフラッグを持っている方は振ってくださいとお願いして、4人の声の重なりが心地よい「風をあつめて」、そしてソロ・2人・4人と徐々に声が重なっていく「らくがき Dictionary」を披露。また、歌とダンスのバトンをメンバーが繋いでいく「一分一秒君と僕の」は、4人の絆も感じられる1曲だった。