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おそらく声優初の断髪式となった「福山潤断髪式」レポート&独占インタビュー

なぜ髪を伸ばし続け、なぜ髪を切る決断をしたのか? おそらく声優初の断髪式となった「福山潤断髪式」をレポート&独占インタビュー|これからは“爽やかな福山潤”で頑張っていきます

インタビュー:福山潤、長髪にすることによって知ることができた発見

本稿の最後に、イベント終了後に福山さんに行ったインタビューの模様をお届けします。

――ショートヘアすごくお似合いです。近くで見るとブルー系の色味が入っているんですね。

福山潤さん(以下、福山):慣れないというわけではなく、「あ、こんな感じになるんだ」という新鮮な気持ちですね(笑)。

ロングヘアにする前も含めてですが、年齢的に白髪がちらほら出てきて、黒染めが嫌いだったんですよ。ブリーチして色を入れるという選択肢もありましたが、ブリーチ自体も嫌だったんです。

それにあまり色が抜けにくい毛質でもあるので、そこで「じゃあ、(ブルー系の強い紫)マニキュアで全体的に染めたら白髪にも色が入るんじゃない?」と思ってやってみたら色持ちが良くて!

マニキュアなら3~4ヶ月は色が持つので、「じゃあ、マニキュアでいいや」という流れで続けるようになりました。そうしたら髪が長くなればなるほど紫が目立つようになってきて、結果として今このような仕上がりになっています。

――先ほどの配信でも断髪式を終えたご感想をお話しされていましたが、改めてお聞かせください。

福山:感想はいくつかありますが、「ほっとした」という気持ちと「楽しかったな」という思いですね。断髪式自体はある意味ワンアイデアで5年間伸ばし続けた髪を切るというものですが、これまで「なんで伸ばしてるの?」と聞かれたり、短い髪のほうが好きな方からは「早く切ってください」と直接言われたり、さまざまな反応がありました。ですが、こういう仕事をしているからこそ、そういう反応も含めてありがたい言葉だなと思っています。

やっぱり僕にとっては、「体験すること」がとても重要なんです。髪を伸ばすことでどんな感覚になるのか、どんな不都合があるのか、どんなメリットがあるのか、もしくは日常生活で気をつけるべきことは何か? とか。イベントで話したこと以外にも、細々とした出来事がいっぱいありました。

ただ、ここまで髪の毛を伸ばす方がそんなに多くない中で、ある一定の長さを超えると「大変なことも増えてきたな」と感じることもあり、今回切ることなりました。実は「髪を切る」という行為が「断髪式」というこんなにもスペシャルなものになるとは思っていなかったんです(笑)。

僕自身は「また変なことをやってるな」くらいの感覚で少し酔狂な方がイベントには100人くらい来てくださったらいいなと思っていたのですが、想像以上の反響があって、最初は全く考えていませんでしたが、「ちゃんとショーアップをした方がいいのかな?」と考えるようになりました。

僕らの業界では、企業がしっかりお金をかけてイベントを開催し、お客さんから料金をいただいて、良いエンターテイメントを提供するのが一般的です。だけど、今回は利益をあまり考えていないやり方なので、企業や作品が関わるイベントとは一線を引き、「内容だけでどこまで楽しめるか?」という点を大事にしていきました。

だから基本的に舞台ではマイク1本だけで僕がただ話すことにこだわっていて、お客さんにも良いものを提供し、いかに楽しくコミュニケーションを取ろうかと考えていました。

正直にお話しすると、話の内容はスイムキャップを持っていき、どこかでネタとして使おうということしか決めていませんでした(笑)。

――大きすぎるスイムキャップのくだり、めちゃめちゃウケてました!

福山:本当に良かったです!

やっぱり、直接お客さんの顔を見ながらだと話せたり、お客さんのアクションを見て言葉が出てくるものです。僕は芸人さんではないですが、それでもマイク1本で約40分間のなんちゃって漫談をやれたのは楽しかったですね。

あと、もちろん気持ちの面もですが「ほっとした」というのは単純にこの季節なので……。

――「季節」でしょうか?

福山:本当はインフルエンザが流行っていない夏が良かったんです。正直、この1週間はストレスでしたね(笑)。1週間前なら感染してもギリギリ回復できるのですが、月曜日以降にかかってしまうと、イベント当日の日曜日には間に合わなくなる。

だから、毎日「今日も大丈夫か?」と確認しながら過ごしていました。幸い、現状のところはめっちゃ元気なので何の問題もないですが、それでも「もしも」があるかもしれないので、ずっと気を張っていました。昨日の朝も「よし、今日も大丈夫」、今朝も「お、大丈夫」と確認してイベントに臨みました。

――先ほど、「発見もあった」とおっしゃっていましたが、例えば「トリートメントの減りが早い」など、そういった細々とした発見がいくつもあったということでしょうか?

福山:トリートメントの減りは確かに早かったですね。だけど、それだけではなく、トリートメントの重要性も改めて実感しました。

髪が短いと別になくてもいいと思ってしまいますが、あそこまで長くなると、トリートメントをしないと髪が絡むし、摩擦が増えることで髪が痛んでしまうんです。でも、トリートメントをすると水分量が上がるため、パサつきは防げるし、まとわりにくくなるという面もあって、いろんな意味で都合が良くなるなと。

やっぱり、髪の毛が綺麗に見えたほうが人に不快感を与えないじゃないですか。だから、そういう部分に気を遣うようになったのは、とても良かったなと思います。

あとステージでは話しませんでしたが、シャンプーの香りについても発見がありました。実は僕、「無香料」が好きだったんですよ。髪が短い状態だと、香りがあってもなくても変わらないし、正直、匂わないんです。

そこで髪が肩口くらいまで伸びて顔が髪に包まれる状態になったときに、「なんでもいいや」と思って、いろんなシャンプーを試してみたんです。試していくうちに、「好きな香りのとき」と「嫌いな香りのとき」の不快感の差がすごく大きいことに気づきました。

シャンプーなどの「香りが大事」と言われるのは、こういうことかと。髪が耳より下まで伸びると、自然と香りに包まれてしまうから、「シャンプーの匂いは超大事なんだな!」と発見でした。

「このシャンプーは洗いやすいけど、香りが苦手」とか、「この香りは好きだけど、泡立ちがイマイチ」とか。シャンプーの選び方で、短いときには全く気にしてこなかった部分に自分の好みが出てくるようになったのも面白かったです。

――福山さんといえば「LUX(ラックス)」の生電話キャンペーンも印象的でした。

福山:起用されたタイミングで、たまたまロングヘアだっただけなんですけどね(笑)。でも、髪にまつわるお仕事は「LUX」が最初で最後だったので、そういう意味でもすごく楽しい経験でした。

――ほかにも美しい髪質を保つために、特に気を遣った部分はありますか?

福山:おそらく、元々の髪質に助けられた部分もあると思います。でも、何もしなければさすがに傷んでしまいますね。

とはいえ、僕は基本的にあまり手をかけず、ドライヤーをかけてブラッシングをする以外は特別なケアはしていませんでした。今振り返れば、それが一番ダメージを抑える方法だったのかなと。

綺麗に見せるために、アイロンを頻繁に使ったり、カールをつけたりもできたとは思いますが、それをやってしまうと熱による髪へのダメージが増えてしまいます。そういった場合のヘアケアの知識があればいいんですが、僕はあまり詳しくなかったので、分からない状態でアイロンなどをしていたら髪質はもっとパサパサになっていたかもしれません(笑)。

でも、終盤になって熱から髪を守る方法でヘアオイルがあったりとか、そういう知識もだんだん分かってきました。ヘアケアとして、不要なダメージを与えないように心がけていたわけではないけれど、結果的にこういうふうになっていました。

――寝るときも摩擦で髪が傷んでしまいそうですが、ナイトキャップなども試されたりしたのでしょうか?

福山:試しました! が、寝る時が一番髪が痛みましたね。やっぱり寝てる間に取れてしまうんですよね。それに、髪をキャップの中に収めるのが結構大変で……。

髪を全部上に流すようにして、寝ている間は自分の肩から下に髪が落ちないように工夫をして寝ていました。最終的には何もしないで寝ていましたが、寝返りなどで特に襟足の毛が絡まってしまうことが多かったです。朝起きたら、まずブラシで梳かすのが日課になっていました。

長髪の方や女性の共演者からは「枕カバーをシルクにするといい」とアドバイスをもらったのですが、僕が使っている枕は特殊な形状をしていて、シルクのカバーが見つからなくて、それは諦めましたね(笑)。

――“長髪卒業記念”写真集の撮影も終えられたとのことですが、注目してほしいポイントを教えてください。

福山:写真集のことまでありがとうございますw。ラジオの企画でクラウドファンディングにてご支援いただいて作っている写真集なのですが、日常的なシーンもあれば、ちょっとアラカルトとしてユニークな要素を入れたものもあります。「幻想的」と言うとハードルが上がってしまうかもしれませんが、想像していないようなジャンルの写真もあると思います。

例えば、「アニメキャラにこういうのいそうだよね」というような雰囲気のカットもあります(笑)。

――お話しいただきありがとうございました! 最後に改めてファンの皆さんにメッセージをお願いします!

福山:「福山潤 断髪式」と、そしてアニメイトタイムズさんに取材をしていただくような、そういう注目を浴びるつもりが一切ないような状態で始めたなかで、色々なご協力をいただきました。

イベントを面白く、満足していただけるものにしようと尽力してくれたスタッフの方々のおかげで、自分のアイデアが120%の形で実現できました。

また、僕自身の"身一つでやる(漫談する)"という部分に若干こだわりを持っていたのですが、それはお付き合いいただける皆さんがいるからこそ、こういう形が成立するんですよね。今回のイベントは、今後の自分の活動のなかのひとつの大きな支えになると改めて感じています。

そして、やっぱり「会話」は大事だなと。観に来ていただいているお客さんであっても、やっぱり会話だよねと。受け答えはなくても会話ができるんだということが自分の中で実感できたことは、この断髪式のなかでもひとつ勉強になったことでもあります。皆さんのリアクションを見て、「髪を切るだけでこんなに面白いイベントになるんだ!」というのも新たな発見でした。

僕自身、今後また同じようなことをやることはないと思いますが(笑)。(長髪にすることに対して)もし興味のある方がいればぜひ参考にしていただければ!

最後に配信を含め、興味を持ってくださった皆さんに心から感謝いたします。これからは、“爽やかな福山潤”で頑張っていきますので、ぜひともよろしくお願いします!

[取材・文/笹本千尋 撮影/胃の上心臓]

 

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