
『ある魔女が死ぬまで』声優インタビュー連載第3回:青山吉能さん×伊藤静さん | 「“死”について考える作品に参加できるのは嬉しい」。器が大きい祈でも「足が臭い」は本当に傷付いていそう……?
実は根っこはネガティブ同士だった二人
──第3話では“ポジティブモンスター”という表現も使われていましたが、お二人はご自分のことをポジティブとネガティブ、どちら寄りだと思われていますか?
青山:私はもう、ゴリゴリのネガティブです。まず前提が「自分なんかが好かれているわけがない」から入ってしまうので……。
伊藤:(笑)。それは何かトラウマでもあったりする?
青山:私の周りって、やっぱりすごい人達がいっぱいいて。それは周囲に恵まれているということでもあるんですけど、どうしても「その中にいる自分なんかが好かれる理由がない」って思っちゃうんですよね。
でも、だからこそ「おはようございます」って挨拶した時に「おはようございます」って返してもらうだけでも、「この人いい人だ……!」ってなるくらいハードルが低いので、めちゃくちゃネガティブではあるんですけど、ある意味ではハッピーに生きられている気がします(笑)。
伊藤:といいつつ、実は私もネガティブ派なんです。
──そうなんですか!? イメージ的に、完全に伊藤さんはポジティブ寄りの方かと……。
青山:私もそう思ってました……。
伊藤:そうなんです(笑)。周りからはポジティブに見られがちなんですけど、意外と家に帰るともう一気に沈むタイプというか。一回吹っ切れちゃうと結構割り切れるんですけど、結構ネガティブの時間も長かったりして、寝て忘れることもあれば、しばらく引きずっちゃうこともありますね。
ただ、それでもしばらくすると「ま、いっか」みたいな気持ちにはなるんですけど、ウジウジしてはポンと忘れる、みたいなのをずっと繰り返してますね(笑)。
──伊藤さんから見た青山さんとメグ、青山さんから見た伊藤さんと祈には、似ていると感じる部分はありますか?
青山:もう、結構そのまんま……(何かに気付いて) いや! すっごくいい匂いのする祈さんって感じがします!
一同:(爆笑)
青山:でもこうやってお話させていただいている今もまさにそうなんですけど、伊藤さんが現場にいてくださると現場がすごく朗らかになるんですよね。いろんな方から、「現場に一人、伊藤静が欲しい」みたいな話も聞いていくらいで。
伊藤:本当に? 初めて聞いたかも(笑)。
青山:いや本当に、伊藤さんがいると場が明るくなったり面白くなるという話はお聞きしていましたね。『ある魔女』って、結構新人の子たちが多い現場だったんですけど、やっぱり新人の子って、「せ、先輩だ……」みたいに構えがちじゃないですか。だから私も座長として、「楽しい現場作りをしないと……」と緊張しまくっていて。さっきのマドレーヌの話とかもそうですけど、伊藤さんにはいろいろ気持ちを楽にさせていただきました。
収録の二人での掛け合いもすごくテンポが早いので、私がミスったら終わりみたいな感じでガチガチだったんですけど、そこも笑いの空気に変えてもらったり、青山としてもメグとしてもやりやすかったですね。
伊藤:すごい褒められちゃった(笑)。収録現場だと、私は青山ちゃんが朝からめちゃくちゃカロリーを使っている横でなんか飄々としてるだけだったので。
でも、さっきの数が足りなかったっていうお土産の話もそうですけど(笑)、その大変な中でも座長として周りを気遣っている様子を見て、こっちも明るい気持ちにしてくれるところとかは、タイプは違うけどメグと同じところがあるんじゃないかなって思いましたね。
実は私、座長だとしてもその辺はあんまり気を使わないタイプで、普通に一人でスマホとか見てたりしてたので(笑)、すごいなと思いながら見ていましたね。
──最後に伊藤さんから、放送を楽しみにされているファンの方へのメッセージをお願いします。
伊藤:『ある魔女』に出てくるキャラクターって、みんないろんなバックボーン持っているんですけど、その人たちがどうメグと関わって、メグ自身がどんなふうになっていくのかは注目していただきたいですし、私自身も楽しみにしています。
青山:メグって天真爛漫なだけじゃなくて、すごく周りが見えているタイプで、本当にさり気なく他人のミスをフォローしたりもできるんですよね。人といて純粋に憧れられますし、見ていてすごく気持ちがいいキャラクターでもあると思うので、そんなメグがあの瓶いっぱいに嬉し涙を集めることができるのか、ぜひ見届けていただければと思います。
──ありがとうございました。
[取材・文/米澤崇史]
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作品情報
あらすじ
十七歳の誕生日を迎えた見習い魔女のメグ・ラズベリーは、魔法の師匠であり、魔法界トップの七賢人に名を連ねる『永年の魔女』・ファウストから、突如として余命一年であることを告げられる。
メグは『死の宣告』の呪いにかかっていたのだ。
呪いによる死を免れる方法はただ一つ。手にした者に不死をもたらす、『命の種』を生み出すこと。
そして、『命の種』の材料となるのは、感情の欠片――人が喜んだ時に流す、嬉し涙。
「それで、一体どれくらい涙を集めればいいんですか?」
「千人分だ」
「......はい?」
こうして、メグは嬉し涙を集めるため、様々な人たちと関わっていく。
幼馴染みで大親友のフィーネ。
ファウストと同じ七賢人の一人――『英知の魔女』・祈。
メグと同い年にして七賢人に名を連ねる天才少女、『祝福の魔女』・ソフィ。
これは、余命一年を宣告された未熟な魔女、メグ・ラズベリーが起こす、奇跡の物語。
キャスト
(C)坂/KADOKAWA/ある魔女が死ぬまで製作委員会
























































