
『追放者食堂へようこそ!』連載インタビュー第1回:原作・君川優樹先生×原作コミック・つむみ先生|丁寧に描かれるキャラクターの心情と美味しそうな料理に「アフレコ現場でお腹が空いてしまいました(笑)」
「アフレコ現場でお腹が空いてしまいました(笑)」
──実際にアニメ『追放者食堂へようこそ!』をご覧になっていかがでしたか?
つむみ:戦闘シーンの作画がいいなと思いました。あとは料理が本当に美味しそうで、そのシーンを見るたびに、うわぁ美味しそう!ってなっていました。
アフレコのときに見た映像は、まだ完成されていないものだったのですが、原画に細かく色の指定が書かれていたんですね。それを見て、「アニメーターさんってすごい! 私もこのくらい気合いを入れて描かないと!」と思いました。
──第1話の感想を聞いていきたいのですが、始まりは激しいバトルシーンからでした。
君川:原作も漫画も、バトルからは始まらないんです。でもアニメだったら、動きのあるシーンを最初に持ってきたほうが良いだろうということで構成していただきました。(戦闘シーンを)入れていただいてありがたかったです。
つむみ:このバトルシーンのカッコ良さで、多くの人に興味を持っていただけるアニメになると思いました。あと、第1話の中盤になりますが、アトリエちゃんの心情を深堀りしているシーンが追加されています。食堂までの帰り道でデニスとはぐれてしまう場面なのですが、そこで不安そうな表情を浮かべるんですね。ここはアトリエの心情が追加されていて本当に良かったので、漫画にも逆輸入をしたいというお話をアフレコ現場でしていました(笑)。
──演出的に、アトリエの心情を描いているのが良かったですね。
君川:先程お話しした「熱くなってしまったシーン」が、まさにこのあたりでした。第1話でアトリエの内面に踏み込みすぎているのではないかと思ったんです。そこは取り扱いが難しいところでもあったので、脚本の段階では過敏になってしまっていたのですが、絵コンテを見て「これがやりたかったんだ」と思い、映像を見て「なるほど! ありがとうございます!」となりました(笑)。
──デニスとヴィゴー(CV:鈴木崚汰)のやり取りも見ごたえがありましたね。
つむみ:めちゃめちゃ良かったです。お二人の声の相性も良くて。
君川:鈴木さんがヴィゴーに厚みを持たせてくれましたね。アニメスタッフもヴィゴーを大事にしてくださっているなと思いました。
つむみ:ヴィゴーにも深堀りシーンが追加されていましたからね。
──「銀翼の大隊」だと、ケイティ(CV:安済知佳)のコスチュームの露出の多さなどがキャスト間でも話題になっていました。
君川:なるほど……それは良かったです(笑)。ケイティに関しては、演じてくださった安済さんがイメージそのままというか。
つむみ:ケイティ推しとしても、ピッタリな声で感動しました。
君川:元気いっぱいで良かったですよね。
つむみ:特に、普段のケイティと「銀翼の大隊」副隊長としてのケイティの演じ分けがすごくて。
君川:実はケイティってかなり難しいキャラクターで、色々な要素を持っているんですよね。その切り替えが難しいと思ったのですが、しっかり表現してくださっていたので、素晴らしいなと思いました。
──それでいうと、アトリエの塞ぎ込んでいる感じも、絵のお芝居と声のお芝居で見事に表現されていましたね。
君川:アトリエこそ難しいだろうと思っていました。橘さんもセリフ量が少ない中、全部を表現するのは大変だっただろうなと思います。
つむみ:セリフが少ない分、吐息などでも演技されていたので、すごかったです。
君川:アトリエはミステリアスなキャラクターなので、色々な解釈ができますが、「どのような解釈にするのか」についても、現場で監督さんや声優さんが一丸となって考えてくださって、アニメのアトリエを作ってくれました。
──炒飯を食べたあとに生まれる、デニスとアトリエのバディ感も良かったですよね。
つむみ:チラシを貼るシーンも、マンガだと一コマだけですが、動きが入ると、めちゃめちゃかわいくなるなと思いました!
君川:漫画のテンポ感がとても好きなのですが、アニメは漫画のテンポを維持しつつ、じっくり描いてくださっているんですよね。こういう細かい部分も監督さんは大事にしてくださっていたんだなと思いました。2人の関係性や温かさが構築されていく過程を描いていただけて嬉しかったです。
──そしてアニメでも美味しそうな料理が魅力のひとつかと思います。第1話では炒飯が登場しましたが、いかがでしたか?
君川:料理のシーンに関しても、監督さんが大事に作ってくださっているのがわかるんですよね。小説が漫画になったときに、つむみ先生が『追放者食堂へようこそ!』という作品に、温かみを与えてくれたと思っているんです。僕はひねくれた人間なので、どうしても冷たくなってしまって、どこかトゲがある。でも、つむみ先生が温かさや優しさを根底に漫画を描いてくれて、アニメではそれらをすごく大事に表現してくださった。食事の美味しさ、温かさを細かい部分まで、本当にこだわって描いてくださったことが伝わってきました。
つむみ:食べたあとの声やキラキラした雰囲気、さらに食器の音などが入ることによって、さらに美味しそうに見えるなぁと思って、アフレコ現場でお腹が空いてしまいました(笑)。アニメならではの良さですよね。
──フライパンを回しているシーンの作画も、細かく描写されていました。
君川:デニスくらい大きな男が料理をしていると、料理シーンですらアクションシーンになっちゃいますよね(笑)。そのシーンも、こだわって丁寧に描いてくださっていました。
──お二人がおっしゃった通り、あの炒飯が本当に美味しそうで……!
君川:「レジェンダリー炒飯」の炒飯なので(笑)。本当に説得力のある炒飯が出てきたな、と思いました。
──最後に、ついに放送が始まった『追放者食堂へようこそ!』を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。
つむみ:アニメを観て、志村監督をはじめ、アニメ制作に携わってくださった皆さんの熱い想いを感じました。私もやる気が出て、この作品を少しでも世に広めたいと思い、宣伝のためのイラストをばりばり描いています(笑)。少しでもこのアニメの役に立ちたいと思いながらイラストを描いていますので、見かけたらよろしくお願いします。そしてアニメ『追放者食堂へようこそ!』を、このあとも楽しんでいただけたら嬉しいです。
君川:この先のエピソードでいうと、僕が大事にしていたのは第3話になります。なのでアニメのスタッフの方々とお会いしたとき、気合いを入れて作っていただきたいですとお願いをしたら、本当に素晴らしいエピソードにしてくださって……。丁寧な演出だった上に、声優さんの熱演もあって、僕は2回観て、2回とも泣いてしまいました。
演じるのが難しいキャラクターも多い作品ではありますが、最終話では、全12話を通したキャラクターの成長を感じられるシーンもあり、そのセリフでアフレコ現場が湧いたんです。本当に皆さんが良い演技をしてくださったので、そこも楽しんでいただきたいです。
皆様の協力のおかげで、とても良いアニメに仕上がっていると思いますので、最後までご覧いただければ幸いです。
【インタビュー・文:塚越淳一 編集:西澤駿太郎】
『追放者食堂へようこそ!』作品情報

放送情報
2025年7月3日(木)よりTOKYO MX 、CBC 、BS11、AT-X にてTVアニメ放送開始!!
TOKYO MX:7月3日から毎週木曜24:00~
CBC:7月3日から毎週木曜26:08~
BS11:7月3日から毎週木曜24:30~
AT-X:7月3日から毎週木曜22:00~
※AT-X リピート放送:毎週月曜10:00~/毎週水曜 16:00~
※放送日時は変更になる場合がございます
配信情報
アニメタイムズ、Lemino、dアニメストアにて見放題最速配信!
先行配信
7月3日(木)22:30~配信開始
・アニメタイムズ
・Lemino
・dアニメストア
見放題配信
7月6日(日)22:30~順次配信開始
・Hulu
・ニコニコチャンネル
・ニコニコ生放送
・U-NEXT
・アニメ放題
・DMM TV
・AnimeFesta
・ABEMA
・Prime Video
・バンダイチャンネル
・FOD
・J:COM STREAM
・TELASA
・milplus
レンタル配信
7月6日(日)22:30~順次配信開始
・Rakuten TV
・ニコニコチャンネル
・HAPPY!動画
・バンダイチャンネル
・J:COM STREAM
・TELASA
・milplus
最終話放送後~順次配信(予定)
・カンテレドーガ
・music.jp
・ビデオマーケット
・MOVIE FULL
※配信開始日時はサービスによって異なる場合がございます。詳しくは各配信サービスにてご確認ください。
※配信時間は変更になる可能性がございます。
イントロダクション
シリーズ累計100万部突破!!
心もお腹も満たされる“新異世界グルメ人情ファンタジー”!!
「小説家になろう」での連載開始から多くの読者を魅了し、書籍化・コミカライズ化と超スピードで展開を続けた「追放者食堂へようこそ!」がついに2025年7月TVアニメ化!!
アニメーション制作は、食欲を超絶刺激する作画で評判の「OLM Team Yoshioka」が担当する!
超一流冒険者パーティーを追放されたデニス。
だが、落ち込んでいる暇はない──むしろこれはチャンス!?
憧れだった“自分のお店を開く”という夢を叶え、看板娘のアトリエとともに、
思わず「ウマッ!!」が飛び出す“至高の料理”をお届け!
次々と巻き起こるトラブルは...まさかの“最強の料理スキル”で解決!?
世間から弾きだされた冒険者が不思議と集う、人情食堂がついに開店!!
人生ウマくいかなくても、飯はウマい!!
ストーリー
超一流冒険者パーティーを追放されたデニスは、元奴隷の美少女アトリエと出会い、
夢であった自分の食堂を開店することに。
しかし、その扉を叩くのはなぜか問題を抱えたクセ者ばかりだった!
お人好しのデニスは、“至高の料理”でお客の腹を満たし、
“最強の料理スキル”で彼らの抱える問題の解決に挑むのだが......。
肉切り包丁で悪党をなぎ倒し、中華鍋で仲間を守る !?
ここは、心もお腹も満たされる場所──『冒険者食堂』!!
スタッフ
原作:君川優樹(オーバーラップノベルス刊)
原作コミック:つむみ(「コミックガルド」連載)
監督:志村錠児
シリーズ構成:赤尾でこ
キャラクターデザイン:大和葵
プロップデザイン:大河しのぶ/東海林康和
美術監督:加藤賢司
色彩設計:佐藤直
撮影監督:佐藤敦(Studio Shamrock)
編集:渡辺直樹
音響監督:小沼則義
音楽:甲田雅人
音響制作:ビットグルーヴプロモーション
制作:OLM Team Yoshioka
オープニングテーマ:Dannie May「ユニーク」
エンディングテーマ:超ときめき♡宣伝部「まごころ My Heart」
キャスト
デニス:武内駿輔
アトリエ:橘茉莉花
ヘンリエッタ:鈴代紗弓
ビビア:伊瀬茉莉也
バチェル:松田颯水
ヴィゴー:鈴木崚汰
ケイティ:安済知佳 ほか

















































