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- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。

KADOKAWAが運営するWebコミックサイト「ヤングエースUP」にて連載中の『光が死んだ夏』(著・モクモクれん先生)。三重県の山間部にある集落に住む辻中佳紀は、半年前山で行方不明になって戻ってきた親友・忌堂光の中身が別のナニカであることに気が付きます。明らかに人ではないモノが巣くうヒカルを受け入れようと葛藤するよしきと、同時に村に起こる不気味な異変を描いた青春ホラー作品です。
よしきとヒカルの歪んだ友情とゾッとするホラー、村にまつわる多くの謎などが魅力の本作。ファン待望のアニメが2025年7月よりいよいよ放送されます。
本稿では、行方不明から戻ってきた人ではないナニカ・ヒカル(忌堂ヒカル)の情報をまとめてお届け! 基本プロフィールに加えて、性格や人柄、光との違い、よしきに対する感情、その正体などを解説していきます。
※本稿にはネタバレ及び考察が含まれます。
誕生日:3月20日
身長:165cm
家族:父(他界)、母
好物:スイカ、アイス
忌堂光の身体に入って擬態し人間生活を送るヒカル。どんな恐ろしい化け物かと思いきや、その人格は純真無垢かつ好奇心旺盛で、まるで子どものようです。
光の記憶や経験を「記録」として引き継いでいるのですが、夏の暑さもアイスやスイカの味も友達との交流もヒカル自身は初めて体験するものばかりで、見るものすべてが新しく、それらから得られるさまざまな刺激を楽しんでいます。
感受性もとても豊かで、メンチカツを食べてそのおいしさに猛烈に感動したり映画を見てぽろぽろ涙をこぼしたりと感情をむき出しにするヒカル。その姿は外見よりも幼く、見ていて愛らしささえ覚えるほど。
しかし、ヒカルはどこまでいっても人とは本質的に違うモノ。自分の正体に気付いた人間を躊躇なく殺してしまううえ、そのことを「仕方なかった」と軽く捉えており、人の倫理観は皆無。子どものように純粋だからこそ、罪の意識なく人を殺めてしまう危うさを持っているのです。
ヒカルはよしきに対して特別な感情を抱いています。人間の感覚でいえば「好き」ということになるのですが、友達としての「好き」を超えた、より大きな感情を抱いているようです。
ヒカルはその感情が光のものなのか、自分自身のものなのかわからないようですが、筆者個人の考察としては、ヒカル独自の感情だと思っています。
長い間、山の中を彷徨っていたというヒカルは、これまで人の温かさに触れたことがなく、光に擬態してよしきと過ごす中で初めて「優しさ」に触れ、まるで親鳥に懐く雛のようによしきを「好き」になっていったのではないでしょうか。
好きで好きでたまらないよしきと本質的に違うことを自覚し、人を知ろうとしたり自分を変えようとするヒカル。それもこれも、全てはよしきのため。
一方のよしきも、共に過ごすうちに光に対するものとは違う、ヒカルに対してだけの思いを抱くようになり、2人の共依存関係は一層深いものとなっていきます。
本物の光との一番の違いは精神年齢でしょう。年齢に比べて幼いヒカルに対して光は年相応に大人であり、親友であるよしきともヒカルほどべったりではなく、仲が良いなりに一定の距離があったようです。
そのためよしきにとって光とヒカルではずいぶん印象が違い、そのことも光の中身の違いに気づけた一因となったのではないでしょうか。
記憶や経験を光から引き継いでいるため、一見すると普通に人間生活に溶け込むことができていますが、仲の良い朝子や結希、巻も行方不明になって戻ってきた光(ヒカル)の変化を感じ取っています。
ヒカルになる前はずっと機械のように山をさまよっていたというナニカ。これほどはっきり自我を持ったのは、ヒカルになって(忌堂光に擬態して)からです。
光は死んでしまっているものの、身体は健康体そのもので、細胞のひとつひとつをヒカルがコントロールしています。死への恐怖がないため、痛覚はなく暑さや寒さなども苦痛に感じることはありません。傷や怪我も軽いものであれば治せてしまうようです。
ヒカルはクビタチ村を調査している男・田中の会社では「落とし子」と呼ばれる存在であり、「知らぬ間にあの世からこちらに落ちてきて 人の願いを叶えるもの」だと言います。
神様や幽霊とも違うもので、天文学的な出現率ではあるもののヒカル以外にも存在が確認されているそうです。人の願いを叶えてくれる、といってもそう都合よくいくものではなく、人知を超えた力は願いを上手く叶えることはできず、結果として悲劇を生んでしまいます。
ここからは筆者の考察なのですが、死にかけていた光がよしきをひとりにしたくないために「おれのかわりにあいつのそばにいてほしい」と願い、それを「落とし子」が叶え、ヒカルとなったのではないでしょうか。
その願いは叶えられ、よしきのそばにはヒカルがいます。しかしながら、そんな彼らの未来には悲劇が待ち受けているのかもしれません。
光は山で足を滑らせて転落したことが死因になったようです。女体みたいな木に気を取られて足を滑らせるというなんとも男子高校生らしい原因ですが、こればかりは笑えませんね。
落ちた直後はまだ意識があったものの、どこもかしこも骨折しているうえに身体の感覚がなかったため、その時点で死を確信しています。そんな中で光は父と母、そして親友のよしきに思いを馳せていました。
ヒカルを演じるのは梅田修一朗さんです。10月11日生まれ、千葉県出身。『可愛いだけじゃない式守さん』の和泉くん役をはじめ、『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』の天道輝役など、数々の人気作品に出演しています。
| 作品名 | 光が死んだ夏 |
|---|---|
| スケジュール | 2025年7月5日(土)~2025年9月27日(土) 日本テレビにて |
| あらすじ | とある集落で幼い頃からずっと一緒に育ってきた同い年のよしきと光 照りつける太陽 耳にこびりつくクマゼミの声 帰り道に食べるアイス 他愛もないことで笑い合う いつもと変わらない夏のある日 「……お前、やっぱ光ちゃうやろ」 半年前、山で行方不明になった光は 一週間後ふらりと帰ってきた 声も姿も光に見えるモノ その中に蠢いていたのは―― 「光はもうおらんのや……それやったら」 友人の姿をした〝ナニカ〟と歩みだす、 “いつもと変わらない”日常 だが、時を同じくして 奇怪な事件が集落を襲い始める 未知の〝ナニカ〟へ墜ちていく 青春ホラー物語の幕が、今、上がる―― |
| 話数 | 全12話 |
| キャスト | 辻中佳紀:小林千晃 ヒカル:梅田修一朗 山岸朝子:花守ゆみり 暮林理恵:小若和郁那 田中:小林親弘 巻ゆうた:中島ヨシキ 田所結希:若山詩音 |
| スタッフ | 原作:モクモクれん(KADOKAWA「ヤングエースUP」連載) 監督・シリーズ構成:竹下良平 キャラクターデザイン・総作画監督:高橋裕一 ドロドロアニメーター:平岡政展 プロップデザイン:應地隆之介 サブキャラクターデザイン:渡辺舞 西願宏子 長澤翔子 美術設定:多田周平 高橋武之 曽野由大 美術監督:本田こうへい 色彩設計:中野尚美 色彩設計補佐:越田侑子 3D監督:中野祥典 撮影監督:前田智大 2Dデザイン:永良雄亮 津江優里 編集:木村佳史子 音響演出:笠松広司 音響制作:dugout 音楽:梅林太郎 アニメーション制作:CygamesPictures |
| 主題歌 | OP:「再会」Vaundy ED:「あなたはかいぶつ」TOOBOE |
| 電子書籍 |
『光が死んだ夏』電子書籍(コミック) 『光が死んだ夏』電子書籍(ラノベ) |

1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。
