
夏アニメ『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』会沢紗弥さん×種﨑敦美さんが語るキャラとのシンクロと収録現場の温度感|物語が進むにつれて少しずつ他人と話せるようになって心持ちが変わっていく、そんなモニカとリンクしていったところがあるのかなって思っています
イザベルの「発声練習をしてまいりましたの!」という台詞には注目!
──イザベルの登場シーンはかなりインパクトがあります。どのようなことを意識されましたか?
種﨑:登場というかモニカとちゃんと相対する最初のシーンですかね、あそこは第1話の冒頭でモニカを慕うことになる決定的な出来事があった上での場面ですし、その冒頭シーンからそうでしたけれど、イザベルは自分の立場ややるべきことをしっかり分かっているし、常に一本芯が通った行動をしている子なので、悪役令嬢っぷりも何もかも、「全ては救っていただいたモニカお姉さまのため」だと考えながらお芝居していました。ただただその一心で、イザベルなりにめちゃくちゃ練習してきたであろうものを思いっきりやったら、金崎監督に「品を忘れずに」と言われたという…(笑)でもそのシーンのおかげでそれ以降は「悪役令嬢風」以前に「真の伯爵令嬢」であることを常に意識していられました。
──モニカはそんなイザベルから慕われる訳ですが、このシーンはどのように見ていましたか?
会沢:モニカの口が×印になって「うん?」って圧倒されていましたけれど、私自身も似たような心境になりました。試しに悪役令嬢を演じた後に、突然「今のどうでした!?」って目をキラキラさせてあまりにもガラッと態度が変わるじゃないですか。私はその後の「発声練習をしてまいりましたの!」っていう台詞が大好きだし、この台詞を聴いて種﨑さんは本当に引き出しの多い尊敬する役者さんだなって思いました。
そういう面でもイザベルという面でも、私はモニカと同じように圧倒されたんです。「これはなんだ!?」みたいな。それに、私自身もモニカ自信も悪役令嬢についてそこまで深い知識があるわけではないので、ここで悪役令嬢という概念を学んだような気分でした。
種﨑:だいぶ偏ってそうな……(笑)。
一同:(笑)。
種﨑:後はアガサとの「流石です、お嬢様!」みたいなやり取りも、褒め称えるところなのかなって思うくらいちょっとズレていますし、このふたりの組み合わせも作品のポップでコミカルなところになっていて大好きです。
──種﨑さん的にどんな感じの悪役令嬢をイメージして演じたのでしょうか?
種﨑:とりあえず悪役令嬢といえばみたいなところがありますし、「オーホッホッホ」という高笑いが上手く行けば後は流れに乗っていけるのではという感じでした。先ほどもお話しした、品を忘れないでのディレクションをいただいたとき、腑に落ちるのと同時に「どうしよう、発声練習のところは絶対やりたい。けど言い方に品があるかどうかは分からない」と葛藤していたのですが、いやこれはやる!やろう!と決意して本番でやったらOKをもらえたので、ホッとしたのと同時に今後ここまではやっていいというラインも見えた気がしました。
──物語が動き出すきっかけとなった存在として、諏訪部順一さん演じるルイスの存在があるかと思います。モニカとは掛け合いもあったかと思いますが、彼の印象もお願いします。
会沢:ルイスさんはイザベルと違ってわかりやすいインパクトは薄いと思います。だけど、淡々と喋っているところから滲み出る恐ろしさ……怖さ……。そして、絶対に「はい」としか言えない環境を作り出す諏訪部さんのお芝居に震えました。
ちょっとしたミスをしてしまった時にモニカが想像したルイスさんに怒られたりするのですが、「ハッハッハッハッハ」という地の底から唸るような高笑いがモニカの脳内に響いて、拳の骨をバキバキ言わせているようなイメージが出てきたりします。それくらいモニカはルイスさんを恐れているんです。喋りには品を感じるのに、なぜだか怖い。本当に不思議です……!!
──種﨑さんはルイスについていかがですか?
種﨑:モニカは本気で「ルルルル、ルイ、ルイ……ス、さん……」って言っているのに、「人の名前をルルルルル、ルイ、ルイ……スなどと愉快な名前にしないでいただけますかな」って返していて。天然でやっているモニカに対してマジで返す。そういうブレないところが素敵です。
会沢:諏訪部さんはモニカの「ででででで、でも……!」とか、「ルルルルル、ルイ、ルイ……ス、さん……」とかの文字数をちゃんと拾ってくれるんです。本当に優しいです。
──そのあたりの文字数って台本上で決まっていたのでしょうか?
会沢:台本でも決まっていましたし、原作をチェックしたらそちらと数をあわせているようだったので、自分は1、2、3、4、5としっかり数えてメモしました。
種﨑:でもたとえ台本上では5個で、本番で1個多く言ったり少なく言ったとしても、多分諏訪部さんはそれにあわせてくださるんですよね。
会沢:本当にありがたかったです。
──最後に放送を楽しみにしている視聴者のみなさんへのメッセージをお願いします。
種﨑:人見知りであがり症のモニカがどのように成長していくのか。そして、護衛対象の第二王子フェリクスとどのように出会って近づいていくのか。序盤だけでも見どころだらけですし、最後までずっと面白いので、物語を堪能しつつモニカの成長を一緒に見守っていただけたらと思います!
会沢:原作の雰囲気がとても美しくて、そんな部分がきちんとアニメの映像に落とし込まれています。本当に綺麗だし、温かい作品になったと思います。推理もののようにモニカの得意な数学を使って、フェリクスの命を狙っている存在にも迫っていきます。点と点が繋がる瞬間があって、きっと「なるほど!」って思わず声が出ちゃうと思います。本当に作品の隅々までご覧いただけたら嬉しいです!
[文・胃の上心臓]
作品情報
あらすじ
ところが、その不可能を可能にしてしまった、ひとりの少女がいた。
リディル王国における魔術師の頂点・七賢人がひとり
〈沈黙の魔女〉モニカ・エヴァレット。
史上、初めて無詠唱魔術を生み出した若き天才である。
しかし…
極度の人見知りであがり症の彼女は、
使い魔の黒猫と山奥に引きこもり、
数式の本に囲まれて、ひっそりと魔術の研究に打ち込んでいた。
そんな彼女のもとに、
七賢人の同僚である〈結界の魔術師〉ルイス・ミラーが訪ねてくる。
戸惑う彼女にルイスはひとつの王命を告げた。
それは――貴族の集う名門校に潜入し、
第二王子を護衛する極秘任務だった……。
キャスト
(C)2024 依空まつり・藤実なんな/KADOKAWA/セレンディア学園広報部



















































