
“会話だけなのに尊い”――夏アニメ『フードコートで、また明日。』宮崎ヒヨリさん×青山吉能さん、ふたりの推し語り&“心の距離”のリアル/インタビュー
お嬢様のような雰囲気を醸し出してはいるが、勉強が苦手で、とにかくおしゃべりな女子高生・和田と、見た目はギャルで、勉強熱心で面倒見もいい山本。2人がただただフードコートでしゃべっているのを眺めるのが楽しいTVアニメ『フードコートで、また明日。』が2025年7月より放送中です。
今回は本作に出演する宮崎ヒヨリさん(和田役)と青山吉能さん(山本役)のお二人に、第3話までのエピソードを振り返ってもらいつつ、気ままにおしゃべりをしてもらいました。
同担拒否は心が狭いのか
──宮崎ヒヨリさんは、TVアニメ『フードコートで、また明日。』が、初めてメインキャストとして出演するアニメになるんですよね?
宮崎ヒヨリさん(以下、宮崎):はい。和田役が決まった時点では、アニメのアフレコもやったことがなく、何もかもが初めての経験でした。
──経験してみてわかったことはありますか?
宮崎:練習もかっちりしてから行くんですけど、画に合わせなければという意識が強すぎて、硬くなっていたところがあるんです。特にこの作品は会話劇なので、相手のセリフを聞くところから始めなければいけないなと、改めて感じました。初歩的なことで恥ずかしいんですけど。
──でも和田はセリフが多いので、口パクの長さにセリフを収めなきゃ!となっちゃいますよね。
宮崎:ここに入れなきゃ!と思っていましたね。ひとつのセリフが長かったりもするので、実際に合わせるのも大変でした。
──放送までに、このアニメのイベントなどにも出演されていましたが、そこでは制服を着ていました。
青山吉能さん(以下、青山):制服のデザイン自体が、アニメアニメしていないナチュラルな制服なんですよね。『ANIME JAPAN 2025』のときは福山潤さんも登壇されていたのですが、裏で作家さんと打ち合わせをしているときの様子がバイトの面接みたいだよなぁって思っちゃって。それが面白かったです(笑)。でも(宮崎に向かって)まんまだったね? アニメから飛び出してきた!と思うくらい、実写版和田だった。
宮崎:嬉しいのと恥ずかしいのと……(照)。それを見た親戚に「学校帰りだったの?」と言われました。
──福山さんは面白い方ですが、イベントではいかがでしたか?
宮崎:私がものすごく緊張していたので、優しく声を掛けてくださって。入学式みたいな感じでした。
青山:引率の先生、みたいなね。ちゃんと盛り上げてくださるし、なんて頼りになる先輩なんだろうと感動しました。
──これから何かイベントの予定などはあるのですか?
(ここでスタッフから、7月27日(日)に東北楽天ゴールデンイーグルスの試合での始球式と、舞台となる「イオンモール名取」のフードコートでイベントが開催されることが知らされる)
宮崎:え! 私たち投げるんですか!?
青山:ひとつずつ消化させてください。まず、なかなか聖地に行ける機会ってないので、舞台となったフードコートで行けるのは嬉しいです。ひよた(宮崎の愛称)は初遠征?
宮崎:初遠征です! 楽しみです。
青山:名取のイオンモールは東北でも大きなところらしいので楽しみです。
宮崎:しかも22時半からだから営業が終わったあとですよね。お客さんがいないイオンモールに入れるのが嬉しいです。
青山:始球式もすごいなぁ。
宮崎:始球式で投げたことありますか?
青山:ない! でも同じ場所で国歌斉唱はしたことはあります。なのでそこにまた行けることが嬉しいです。肩を鍛えとかなきゃ!
宮崎:ボール買っておきますか!
──楽しみですね! このインタビューの掲載時期は第3話後なので、ちょうどイベントと同じタイミングになるかと思います。インタビューではまず第3話を振り返っていきたいのですが、和田のクラスメイトの斉藤さんがしっかり登場しましたね。
青山:斉藤さんとしゃべるときの和田、ちょっと距離があるのがかわいいなと思いました。敬語になっちゃうんだ!って。
宮崎:何なんでしょうね、あの距離感は。
青山:山本が来ると、安心してしゃべる感じがすごくかわいい。
宮崎:きっとコミュ障なんでしょうね…。
青山:山本にしか心を開いていない感じもあるよね。
宮崎:素を出せるのが山本しかいないというか、山本なら何を言っても許してくれるだろうと思っている感じがあるんですよね。
──その感じを出すために、なにかアプローチは考えましたか?
宮崎:あまり相手のことを気にしすぎないようにしていました。お互いそうだと思うんですけど、言っていることを真に受けすぎないというか。受け流すのが親友っぽいと思ったんですよね。
青山:この2人っていつも隣に座っているから、しゃべるときも目を合わせてないんですよね。それで成り立っている感じが、親友だなと思います。
──山本はスマホを見すぎですけどね。
青山:山本は、英単語とかを勉強しているので。
宮崎:あと、和田って結構、公で言ったら炎上するようなことも言うんですけど、実際はフードコートで山本だけに話しているので、そのあたりのことも気にせず、ストッパー掛けずに言っているところがあるんですよね。そこも意識はしました。
──かなりプライベート感はありますよね。それとエイベル公爵について熱弁するシーンもありましたね。あまりにうるさくて、山本に目潰しで止められていましたけど。
青山:このシーンは山本もちょこちょこ言葉を挟むんですが、和田の勢いを大事にしたいから別で録ろうという話になったんです。
宮崎:ここの長台詞のシーンは共感もあって。推しに対して、そんな単純な好きではないんだよ!と言っている感じはわかるなぁって。
──同担拒否に対して、山本に心が狭いと言われていましたね(笑)。
宮崎:私も、同じ推しが好きな人すべてがイヤというわけではないんですけど、同じキャラを好きなのに、違うものを見ているなと思うときがあるんですよね。私が思っているのと違う解釈をしているなぁと思ったとき、このキャラはこうだから!っていう気持ちが出てきてしまうんです(笑)。和田も、キャラへの想いやこだわりが強いから、イヤなんだろうなって思いました。
青山:へぇ〜。私は全然同担気にならないけどなぁ。オーディション番組が好きで、投票数で推しのデビューが決まったりするから、むしろ同担が多いほうがいいし。でも確かに、「私もめっちゃファン!」って言っていたのに、その人の人となりだったり、顔以外の情報が全然出てこないときは悲しくなるかも。
宮崎:そうですよね!
──本当に好きなのか?と思っちゃいますね。
宮崎:このシーンで、山本に目潰しで止められたあと、「山本ってお姉ちゃんじゃん。だから気が合うのかもね」って和田が言うんですけど、そのセリフがすごく好きなんです。この2人の関係性を表しているというか。山本の懐の深さと、それに甘えている和田という構図がよくわかるし、落ち着くところに落ち着いているんだなって思います。
──この回の最後に、和田が読んでいるエイベル公爵の同人小説を書いている作者が、斉藤さんであることが判明しましたね。
青山:この作品の音響監督の明田川仁さんって、普段そんなに実演される方ではないのですが、でもたま〜に実演してくださるときがあって、それが本当に転げ回るくらい面白かったんです。基本的にそれは和田のトリッキーなセリフなんですけど、ひよた、試されてるなぁと思っていました。
宮崎:音響監督さんにそこまで迫真の演技をされたら、私がやらないわけにはいかない!という気持ちでした。これを超える演技をしなければ!と思いながら、テンションを上げていたんです。
青山:それで、その演技指導があったシーンがまさにここで、斉藤さんが作者だと気づいたときのリアクションがあったんです。ビックリマークだけではなく、もっと声に出してもいいという話になり、仁さんが「はうあー」と言われたんですよ。だから私、「はうあ」ってメモしてました(笑)。
宮崎:そうでしたね。「はうあー!」でした。
──ちなみに、斉藤役が早見沙織さんなのも面白かったですね。
青山:私たちも声の想像がまったくできていなかったんです。でも香盤表を見たら「早見沙織」とお名前が書いてあって、よりわからなくなりました(笑)。和田が斉藤のことを、ひどい感じで言ってたじゃないですか。
──ゴリラみたいとまで言ってましたね。化粧が長いとか。
青山:背も高いし、強い感じの声かと思ったら、天から舞い降りた羽衣みたいなエンジェルボイスでしたよね。
宮崎:現場でもすごく繊細に調整されていたんですよね。これだと言い方が強すぎるとか、語気は強くしていいよとか。
──第3話でも、「なんでだよ! 友達じゃねーのかよ!」とか言っていましたね。
宮崎:口は悪いんですよ(笑)。でも「夢小説」の作者だから、すごく乙女なんだなと思いました。




































