
『追放者食堂へようこそ!』連載インタビュー第6回:アトリエ役・橘茉莉花さん|「身近な人たちのためなら、すごく頑張れるし、強くもなれる」──演じる中で感じたアトリエの“軸”とは
「アトリエちゃんと出会ってくれて本当に良かったなと思いました」
──第5話までで、特に印象的だったシーンはありますか?
橘:アトリエとして一番大事にしたかったシーンが、先ほどもお話したバチェルを説得するシーンなんです。
私自身も、バチェルのように色々と悩んでいた時期があったので、昔の自分に対して掛けてあげたい言葉だなと感じました。あのセリフは、昔の私と、同じように悩んでいる方の救いになればと思って、大切に演じました。
──ぜひ、そのシーンについて詳しくお聞かせください。
橘:「もうこれから、いいことは何もないと思ってた」「でも」「アトリエは死ななかった。いいことがあったから死ななかった」というところですね。今悩んでいる人たちに、これまでダメだと思っていたけど、生きていればアトリエみたいに良いことがあるんだよ、ということを伝えたくて、この言葉は大事にしたいと思っていました。奴隷として買われていこうとする第1話でのアトリエを考えながら言ったセリフでもありましたね。
──とても素敵なシーン、フレーズでした。
橘:しかもこのフレーズは、これまでのアトリエのセリフの中で、一番長かったと思うんです。だから、久しぶりに(アフレコ中に)こんなにしゃべったなとも思いました(笑)。
──(笑)。そして放送された第6話は、アトリエの家系・血筋に関することが明らかになるエピソードでしたね。
橘:家系の秘密を知ったとき、アトリエちゃんが持っていた気品や落ち着いた雰囲気に、私自身も納得しました。見てくださっている方にも、「そういうことだったんだな」と思っていただけたら嬉しいです。
──演じるときは、最初から気品を意識して演じていたのですか?
橘:そうですね。このエピソードは原作で読ませていただいていたので、、「気品があって落ち着いている」という雰囲気は、最初にお芝居の方向性を考えている段階で意識していました。
──アトリエはその血筋によって、血族間の争いに巻き込まれてしまいました……。
橘:私も原作を読んでいる当時は、デニス様のように、めちゃめちゃ怒りたい気持ちになりながらストーリーを追っていました。
執事だったスティーブンスですら助けてくれなかったですからね! 許せないです! でも、怒りがマックスになるタイミングで、デニス様が怒ってくれたのでスッキリしました(笑)。
これまでで(デニスが)一番“怒り”を表すシーンだったと思いますが、迫力はもちろん、まるでお父さんのような感じがしたんですよね。だから、アトリエちゃんと出会ってくれて本当に良かったなと思いました。デニス様と出会っていなければ、アトリエは単身であの人たちに立ち向かうことになっていたので……感謝しかありません。
──第1話で、ポルボ(CV:下山吉光)に買われなくて良かったですね(笑)。
橘:本当にそうですね(笑)。でもポルボも実は良い人なんですよ!
──ちなみにオーディションでも印象に残っているとお話していた、「嫌だ嫌だ嫌だ怖い怖い怖い」はどのように演じられたのですか?
橘:あの呪詛ですか(笑)。オーディションの際にディレクションをいただいていたので、アニメのアフレコでも、きっと指示されるだろうと思って、練習して行ったんです。
もともとの台本パターンとは別に、私が考えてきたパターンがあったのですが、私なりの呪詛のほうを採用してくださいました。
──具体的にどのような言い方だったのですか?
橘:「嫌だ嫌だ嫌だ」を、一定の大きさでぶつぶつ言うのではなく、だんだん大きくしていくのが私なりの呪詛でした。
注射を打たれたあと、アトリエじゃなくなっているアトリエも可愛かったですよね。溶けている瞬間は特にセリフがなかったのですが、あまりに可愛かったので声を入れたくなってしまって(笑)。
──その声も採用されていましたね(笑)。そんなシリアスとユーモアがあった第6話でしたが、結局相続の結果は覆らず、富と権力はジョゼフ卿に、知識と書物はアトリエが受け継ぐことになりました。
橘:アトリエが受け継いだものは、今後のストーリーにも影響していきますが、良いものを手にすることができましたね。あと、書庫に落ちて潰れていたアトリエちゃんも可愛かったです(笑)。















































