
夏アニメ『うたごえはミルフィーユ』手鞠沢高校アカペラ部キャスト陣が語る3年半の挑戦と6人の声がひとつになる瞬間【インタビュー前編】
ついに放送がスタートしたTVアニメ『うたごえはミルフィーユ』。ポニーキャニオン×山中拓也さんによるアカペラをテーマにしたプロジェクトで、キャストは、アニメの放送前から、手鞠沢高校アカペラ部として活動。オリジナル曲やカバー楽曲をリリースし続けていました。
インタビュー前編では、『うたごえはミルフィーユ』のこれまでの活動について、小牧嬉歌(ウタ)役の綾瀬未来さん、繭森 結(ムスブ)役の夏吉ゆうこさん、古城愛莉(アイリ)役の須藤叶希さん、近衛玲音(レイレイ)役の松岡美里さん、宮崎 閏(ウルル)役の花井美春さん、熊井弥子(クマちゃん)役の相川遥花さん、そして本作で原作・シリーズ構成・脚本を務める山中拓也さんに話を聞きました。
6人の出会い。ゼロからのアカペラ
──『うたごえはミルフィーユ』のこれまでの歩みを振り返っていきたいと思います。詳しくはYouTubeにアップされているドキュメンタリーを見ていただければと思うのですが、3年以上前に集まっているんですよね。
古城愛莉役 須藤叶希さん(以下、須藤):最初はボイスパーカッション以外のコーラス5人で集まりました。そこで、いきなり合わせてみようかと言われたんですよ。
近衛玲音役 松岡美里さん(以下、松岡):そうだったね(笑)。
須藤:課題としていただいていた曲が、「ガーネット」(奥華子)のアカペラ簡単バージョンだったんですけど、集まってすぐに合わせたのに、みんなきれいにハモるから、ヤバい!と思いました。みんなアカペラ初心者だと聞いていたから、初心者向けのレッスンをしていくのかと思ったら、最初から上手くて、「私、この中でやっていけるのかな」と思っていました。
小牧嬉歌役 綾瀬未来さん(以下、綾瀬):私は逆に不安みたいなものが全然なくて、みんなすごく歌が上手かったから、この人たちが一緒に歌ってくれるなら、安心して歌えるなと思いました。
松岡:ただ、アカペラをやったことがある人はいなかったので、右も左もわからなくて、私は、今ハモっているかどうかもわからなかったです。とりあえず覚えてきたメロディを歌ってみたけど、これはできているのでしょうか?という感じでした(笑)。そこから、よーこてんてーというアカペラの先生に入ってもらって学んでいくうちに、「こんなことができていなかったんだ!」って、知っていく感じでした。
繭森 結役 夏吉ゆうこさん(以下、夏吉):歌うことはお仕事でやってきたけど、アカペラはわからないから、勉強の仕方を教わりに行っていた感じというか。先生の胸を借りて練習していたので、軌道に乗るまではしばらくかかりました。
アカペラって、普通に歌うのと違って、家で練習しても、1人だから、今ハモっているかどうかもわからないんですよね。だからみんなで集まって、部活みたいにやっていかないと上手くならないんだなとわかったので、これは大変なことになるぞ!とは思っていました(笑)。
宮崎 閏役 花井美春さん(以下、花井):しかもコーラスの中で、リズム隊はクマちゃんだけだったんですよ。
熊井弥子役 相川遥花さん(以下、相川):そうなんです。だから私、最初に合わせたとき、歌っていなかったんですよ。歌っているふりをして、実は歌っていませんでした(笑)。
一同:(笑)
相川:みんなの中にいるときの自分の音がわからなすぎて、どこを歌ったらいいの?と思って。でも、できない人がいたらみっともないから、口パクにしてたんです(笑)。
須藤:そうだったんだ!
松岡:るんるん(花井)は、最初どうだったの?
花井:私は、ボイスパーカッションだったので、3ヶ月間は個人練習でした。その間みんなと会っていないので、どんな人たちとこれからやっていくんだろう?と思っていました。でも、まずはボイスパーカッションをイチから学ぼうと切り替えて、私は私で、できることをやっていこう!と思っていました。
ボイスパーカッションの先生の指導の元、練習を積み重ねていったんですけど、先生がすっごく褒めてくれるんです。だから、自分ってできているんだ!と、嬉しくなりながら頑張っていました(笑)。
松岡:良いこと!
綾瀬:実際できているしね。
山中拓也さん(以下、山中):補足すると、先生が本人のテンションを上げるために褒めていたのではなく、本当にすごかったんですよ。音の鳴りの成長のスピードが速すぎたので、これは尋常ではないと思っていました。
また、相川さんについては、ベースというのは歌の延長線上にないパートなんです。コーラスは歌が歌えればある程度できる部分があるんですけど、ベースは発声から違うので、最初につまずくのは当たり前で、つまずいてもらわなければ困るパートではありました。
綾瀬:そもそも歌の歌詞の中にドゥンとかがあると思っていなかったです。ベースというパートがある事自体、アカペラを習って初めて知りました。
松岡:あと女性ベース自体が珍しいので、参考にする人も少ないというのも、なかなかすごいことだなと思います。
花井:音が低いから、大変だっただろうなと思って。はるちゃん(相川)は、「声がどんどん低くなってきているかも」と言っていたんですけど、たくさん練習しているからこそ、それが普段にも出ちゃうのかなと思っていました。
相川:みんなが褒めてくれるから嬉しいです(笑)。






































