
もしも“みんな”が幸せに暮らしていたら……? 切ないパラレルワールドに思わず涙する、映画『仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者』見どころまとめ【ネタバレあり】
2025年7月25日(金)より公開中の映画『仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者』と『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー 復活のテガソード』。この夏もヒーローたちの世界観と魅力をたっぷり詰め込んだ2作品が、劇場を熱く盛り上げています!
どちらの作品も、“らしさ”が存分に発揮されていて、観終わったあとには「えっ、これ本当に90分しかなかった?」と思ってしまうほどの濃密さ。ぜひ、スクリーンで味わってほしい1本です。
映画『仮面ライダーガヴ』は、闇菓子の存在しない“ハッピーな世界”が舞台……と思いきや、幕が上がると本編さながらの重厚なストーリーが展開されます。
この記事では、そんな映画『仮面ライダーガヴ』にスポットを当て、ネタバレありでストーリーを振り返りながら、印象的なシーンや見どころをたっぷりご紹介。今作でしか味わえない“とびきりおいしい”あの瞬間を、もう一度一緒に思い出してみませんか?
※映画を鑑賞前の方は、ぜひ振り返り記事をチェックしてみてください!
切なすぎる“もしも”の世界
冒頭で「闇菓子」の存在しない世界へと飛ばされてしまった主人公・ショウマ。彼のまわりの人々の姿も少しずつ違って見えます。
なんでも屋・はぴぱれの社長、甘根幸果(あまね・さちか)は、この世界でも「人の喜ぶ顔が見たい」という思いのもと、はぴぱれを立ち上げ、人々の笑顔を支えているようです。行き倒れていた青年・タオリンを拾い、アルバイトとして雇う流れは、本編でのショウマとの出会いと重なります。
また、本編では母を攫われた過去から仮面ライダーヴァレンとして戦っていた辛木田絆斗(からきだ・はんと)は、この世界では母を失っておらず、フードデリバリーの仕事をしながら穏やかな日々を過ごしていました。
そして、弟・コメルをストマック社に殺されたラキア・アマルガは、ストマック家の双子、シータとジープの執事として働いています。双子のわがままに振り回されながらも、いきいきと日々を送り、コメルもこの世界では健在のようでした。
本編では仲良くはぴぱれに集まっていた彼らも、この世界ではそれぞれ別の人生を歩んでおり、ショウマを含め、互いの存在を知らずに生きています。
さらに、闇菓子が存在しないストマック家も印象的です。人間界へお菓子や食べ物を買いにきていたり、兄弟の仲が悪くなかったりと、本編とは全く違う様相。敵との戦いでは5人が息ぴったりに力を合わせる一幕も。長男・ランゴがオートバリアで妹や弟を守る姿も描かれ、彼らの絆の深さが垣間見える場面となりました。このシーンで胸を熱くした方も多いのではないでしょうか。
闇菓子がない世界は、すなわちショウマが生まれていない世界。本編でショウマが深く関わってきた人々は、ショウマという存在を知らないまま、“それぞれの幸せ”を生きている……。そんな平和でありながらショウマにとってはどこか切なく、けれどショウマ以外の“みんな”が幸せに暮らすパラレルワールドが、今作では描かれていました。
もちろん、あの人も……
闇菓子が存在しない世界では、グラニュートによって人間がさらわれることもありません。そのため、ショウマの母・みちるも平和に暮らしており、ショウマではない子ども・未夢とともに、お菓子のお店を営みながら穏やかな日々を送っていました。
そして、この世界のみちるにとってショウマは「知らない人」。自分以外の子どもと幸せそうに暮らす母の姿を目の当たりにしながらも、ショウマはどこか切なく、けれど優しい表情で彼女を見つめていました。何も知らないみちるに、花言葉が「家族愛」のサルビアの花をそっと贈ろうとする姿に、胸を打たれた人も多いのではないでしょうか。
ただ見つめることしかできなかった“母”の幸せな姿――それはショウマにとって何よりも尊く、苦しいものだったかもしれません。
それでも彼は、ミューターにさらわれたみちるを救うため、命がけで戦いに身を投じていきます。確かな決意と、あふれる家族への想いがにじむショウマの姿に、思わず涙がこみ上げてきました。
魅惑と恐怖が入り混じる、ミューターの存在
今作の敵・ミューターの存在も物語の刺激的なスパイスとなっています。TVシリーズの敵であるストマック家は、兄妹間の葛藤やそれぞれの背景が描かれ、「悪でありながらも、どこか憎みきれない存在」として描かれました。対して、ミューターはその行動も存在も、まさに“絶対悪”。容赦のない悪意をまとった存在として、強烈なインパクトがありました。
その頂点に立つのが、世界さん(FANTASTICS)演じるカリエス。傲慢で圧倒的な力を持ち、「ミューターの王」の名にふさわしい存在感を放っています。彼の姿や言動、そしてその不遜さから目が離せない。そんな不思議な吸引力に満ちていました。
そんなカリエスに仕える科学者・クラープもまた印象的なキャラクターです。カリエスの突飛でわがままな命令に振り回されつつも、高度な技術力で彼を支えるクラープ。時に困惑しながらも忠誠を尽くし、ご機嫌をとるその姿には、小者感と哀愁が絶妙に同居していて、クセになる存在でした。
そして、カリエスが変身する「仮面ライダーカリエス」の強さは圧巻。仮面ライダーガヴとのバトルシーンでは、互いの力がぶつかり合う壮絶なアクションが展開され、まさに大きなスクリーンでこそ味わえる臨場感に包まれました。
“ただの悪”で終わらない存在感と、ゾクゾクするような恐ろしさ。ミューターという敵組織は、間違いなく魅力的なヴィランだったと言えるでしょう。
何度でも映画館で見たくなる傑作
本編さながらの重厚なストーリーと俳優陣の繊細な演技が相まって、何度も劇場で見たくなる──そんな深みのある作品に仕上がっている今作。
主題歌を担当する「FANTASTICS」のメンバーも出演しており、その熱のこもった演技は、ファンでなくても思わず引き込まれてしまうほど。
さらに、次回作となる「仮面ライダーゼッツ」が一足先に登場! そのクールな姿やアクションに期待が高まります。同時上映の『ゴチゾウの夏休み』では、ゴチゾウのキュートさが全開! 癒やしポイントもばっちりで、ほっとひと息つける内容になっています。
そして『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー 復活のテガソード』は、「これぞ "戦隊"!」という熱さと絆が詰まった一本。「2本立て上映でここまで満足感があるのか…!」と感動してしまうほど、観応えたっぷりです。
TVシリーズもクライマックスに突入した『仮面ライダーガヴ』。ぜひ、劇場の大スクリーンで、“この夏にしか味わえない特別な物語”を体感してみてください!
[文/五六七 八千代]
『"仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者』作品情報
あらすじ
ショウマと幸果の前に突如現れた謎の扉。
扉にひきずり込まれてしまったショウマがたどり着いたのは、闇菓子が存在しない平和な世界!?
その世界にもはぴぱれはあったが、
そこではガヴをもつ”タオリン”という青年が働いていた。
しかし、彼には過去の一切の記憶がない。タオリンの記憶を取り戻すために協力するショウマ。
そんな中、”カリエス”と名乗る男が町を無差別に攻撃し始め、平和な世界は一変!
平和を取り戻すため奮闘する2人がたどり着いたのは巨大な”お菓子の家”
何かをつかみかけた2人だったが、
カリエスは未知のゴチゾウで変身を遂げ、ショウマたちを追い詰める……!
最恐の敵が手にした圧倒的パワーの根源とはー!?
そして、失われたタオリンの記憶とは!?
キャスト
(C)2025 映画「ガヴ・ゴジュウジャー」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映 (C)テレビ朝日・東映AG・東映



































