
『青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない』石川界人さん×山根綺さんインタビュー|ランドセルガール編から登場していた赤城は、自分の信じる正しさに基づいて行動しているキャラクター!?
第7話で赤城の真意が明らかに!?
──他にもナイチンゲール編の収録で印象に残ったエピソードやディレクションはありますか?
山根:これは大丈夫だったのかなって気になっていることがひとつあります。台本のてにをはの部分なのですが、オーディション原稿にもあった台詞だから「これはあの時にもあったな」って覚えていたんです。
予習したのはかなり前だったのですが、それでも覚えているくらい練習していたというか。何回も何回も反芻した台詞だったので、思い入れも強くて。ここでこの1文字が加わるかどうかでかなり意味合いが変わってしまうし、私はこの1文字が無い方が好きだなと思ったのですが、台本通りではないものの原作通りに読んでみたんです。
それを本番でもやったらここちょっと違うかもと指摘が入ってしまったのですが、「原作ではこうだったんです……」と進言したら確認してくださって。その後に、「採用。君の勝ちだ」と言われました。(笑)
原作は原作、アニメはアニメですから、そこまで細かくなくても良かったのかもしれません。その収録の日は原作の鴨志田先生もいらしていたので、先生的にもスタッフさんたち的にもどちらでもよかったのかなってちょっと思っているのですが……。
だって原作面白いじゃないですか。そのくらいこの作品が好きなんです!
石川:飲み会みたいなテンションになってきたぞ!
一同:(笑)。
山根:やっぱり何度も原作を読んでいるときに、頭の中で郁実として喋るじゃないですか。その時の音で覚えてしまっていたので、「あっ、ここが違う」って気付いてどうしようかと悩んだりしました。石川さんはどうでしたか? そういう経験はありますか?
石川:今のお話を聞いて本当に赤城っぽいなと思いましたし、そういう姿勢で自分もありたいなと思いましたね。
山根:大先輩にフォローしてもらって恐縮です……!
石川:僕は割と何でも戦ってしまう方で、その役の中で一番大事なシーンや台詞、単語みたいなところは役者や監督、皆さんで話し合い、慎重にシーンを作っていくべきだと思っています。
ひとつの作品を制作する上で色々な方が関わっていて、色々な理由があって(原作から)変更しているものも沢山あると思います。
こと『青ブタ』に関しては鴨志田先生も脚本会議に参加されているので、基本的には台本を大事にしています。ただ役者として「ここだけは譲れない」という部分はご相談させていただくこともありますね。
山根:そうだったんですね……。
石川:でも例えばですけれど、プリントのミスの場合や、台本屋さんが絵コンテから台本を起こす時に書かれている文字が不明瞭で直してくれることがあるのですが、そういう時に偶発的なヒューマンエラーが発生することがあります。そういう故意ではないミスの場合もあるので、そこで山根さんがしっかりと原作と違う部分を見つけて指摘してくれたのは素敵だなって思います。
──おふたりが《大学生編》で咲太と郁実以外で注目している、気に入っているキャラクターも教えてください。
石川:僕は福山ですね……!!
山根:わかります!
石川:ああいう友達が欲しくなるというか、気の置けないという表現がまさにその通りだというか。雑に扱ってもなんだかんだ話しかけてくれるし、そこに下心が全くなかったりする。だけど、下心がある感じで振舞ってくるんです。あの大学生感みたいなものは魅力的ですし、それを考えてやっているのかいないのか、わからないぐらい自然に演じている岩中睦樹さんのお芝居が素敵すぎて、何か凄い奴が同級生組に入ってきたぞと思いましたね!
──山根さんはいかがでしょうか?
山根:私はこれから深掘りされていくのだろうなと思うのですが、姫路紗良ちゃんが結構好きです。もし高校生の頃に実際にいたら、「ちょっとアイツさ」みたいに女子の間でなるような特異な存在というか。「おいおい」って思うような子ではあるかもしれないけれど、大人になった私が見た時にシンプルに可愛いなと思ったのは紗良ちゃんかもしれません。
この子は本当はどういう子なんだろうってみなさんも気になるはずです。郁実も何を考えているかわからないという点では同じベクトルの気持ちになると思いますが、郁実とはちょっと違う。そんな紗良ちゃんの胸の内やどんな環境で育ってきたのか、そういう内面を知りたくなるし、気になってしまう女の子なんじゃないかなと思いました。
──特に男性ファンには人気が出そうですよね!
石川:いいですよね、あざとい子って。僕は高校時代から大好きですよ、そういう子が!
山根:あざといって漢字は“小”さいに“聡明”で“小聡明”と書くらしいんです。確かに紗良ちゃんは賢いですよね。
──ナイチンゲール編以降はそんな紗良をはじめ、まだフォーカスのあたっていないヒロインたちの話が描かれることを期待させます。ネタバレにならない範囲で構いませんので、今後フォーカスされるであろうヒロインたちの注目すべきポイントも伺えますか。
石川:紗良は久々に来た高校生の思春期症候群という印象でした。だからこそ卯月の思春期症候群が描かれた迷えるシンガー編と郁実のナイチンゲール編の物語が、ちょっと大人な雰囲気のものだったんだなって実感できると思います。そういう意味でも紗良は《大学生編》のスパイスになっているキャラクターですし、後々この子が古賀の後輩なんだっていうのがありありとわかるんじゃないかなと。
ミニスカサンタについては、何を言うにも難しくて全てがネタバレになってしまうんです。今までのインタビューやイベントでも上田さんが非常に苦心されていたのですが、僕から言うのであれば咲太以外には認識できないという麻衣さんと似た状態になってしまっている……ということでしょうか。
初出し時のPVからバニーガールの恰好をしていた麻衣さんに似たセリフを喋っていて、非常に麻衣さんと近しいような表現がなされていました。その部分を考えながらご覧になっていただけると、ただ不可思議な現象で現れている訳ではないとわかってもらえるはずです。バニーガールの格好をしていた麻衣さんが実際にはどうだったか……というところまで思い返しながらミニスカサンタを見てもらえればと思います。
山根:郁実はこれからも頑張りますといった感じでしょうか。今度は咲太君の力になれるよう、郁実は自分にできることで新しい道を探していきます。ナイチンゲール編以降も彼女の活躍に期待してもらえると嬉しいです。
──《大学生編》からの新キャラクターだと美東美織もそうかと思います。スマホを持っていなかったり、咲太と近いというか似たような雰囲気もありますが……!?
石川:美東は自然だけど説明できない違和感がありますよね。本当に纏っている雰囲気に違和感があるとしか言えないのですが、それを知ってか知らずか石見さんがとても巧みに表現されていて。どうしてそんなにすぐ人の心の隙間に入ってこられるんだろうっていう部分が上手すぎて、逆に違和感があると言えばいいのかな。そういうところが面白いキャラクターですね。
──第7話の見どころもいただけますか。
山根:自分は自分以外のものにはなれないし、信じてきたものから目を背けて生きていくのはとても難しい。これまでの道のりや自分の感じた後悔とか、そういうものも全部受け入れて前に進んでいけるようなお話だったと思っています。
郁実は本当は何がしたかったのかとか、何を思っていたのか。それが彼女自身の口から語られるのがこの第7話だと思うので、郁実が自分で自分の気持ちに向き合って前に進んでいくところを見守ってほしいです!
石川:《大学生編》は『サンタクロースの夢を見ない』と題が打たれているものの、ナイチンゲール編はシリーズの中でもっとも長いお話になっています。この第7話でようやく『ゆめみる少女の夢を見ない』から派生した伏線がある程度、みなさんの中で理解を得られるお話になったなと思います。
これまでの物語も重要ですし、第7話で明かされる内容は今後にも関わってきます。ぜひ細部まで見逃さずに注目していただければと思います。
──ありがとうございます。それでは、今後の物語に期待している『青ブタ』ファンのみなさんへのメッセージをお願いします。
山根:この作品の舞台は神奈川県ですが、私も神奈川県出身で、金沢文庫の方に住んでいたこともあって。
郁実たちが通っている大学のモデルになった場所は、声優の道ではなく大学に行こうと考えていた子供の頃目指していたこともあるくらい、個人的にも思い入れがあるんです。
郁実というキャラクターは自分と近いところにいる女の子だと思っていたので、最初に絶対に自分が演じたいと思ったことを鮮明に覚えています。そこから気付けば収録が始まり、放送も始まっていて私自身も感無量です。
きっと大人になるって、今までの郁実が感じていた正しいことと正しくないことの境目だったり、自分の信じていた正義とか正しさを静かに諦めていくことなんじゃないかなと思っていて。
だから、今後は肩の力を抜いて、周囲の人たちとどんどんコミュニケーションを取ることで視野を広げ、新しい自分にとっての正義や正しさみたいなものを見つけていくんだと思っています。これまでの郁実もこれからの郁実もみなさんの中で膨らませていただいて、変わらず愛していただけたらとても嬉しいです!
石川:ここまでご覧いただき本当にありがとうございます。ナイチンゲール編も終盤となりますが、赤城はこれからも咲太と関わってくることになるかもしれません。今後もそんな彼女の活躍を見守っていただけると嬉しいです。
そして、今までの思春期症候群は割と主観的なものだったのに対して、《大学生編》からは客観から影響を受けたことによる症例が増えている。何故なら、何度も繰り返している言葉ではありますが、自分と関わる人間が増えることで、自分の知らない自分と対面しなければならない機会が増えるから。
それは非常に苦しくて大変なことではあるのですが、大人になる上で絶対に必要なこと。そう思いながら見ていただけると、ヒロインたちがひとつずつ色々なことに向き合い、前に進んでいることを実感してもらえると思います。ぜひ最終回までお付き合いいただければ嬉しいです。
[文・胃の上心臓]
作品情報
あらすじ
不安定な精神状態によって引き起こされると噂の不思議現象。
高校時代に様々な思春期症候群を発症した少女たちに出会ってきた“梓川咲太”も大学生になった。
国民的人気女優であり、恋人の“桜島麻衣”と共に金沢八景にある大学に進学した彼は、
校内で季節外れのミニスカサンタを見つけた。
驚いた。わたしのこと見えてるんだ。
どこかで聞いたような台詞。
思春期症候群をプレゼントしていると話すミニスカサンタは、咲太に告げる。
……わたしはね、霧島透子って言うの
SNSで流行する予知夢、正体不明のネットシンガー、ポルターガイスト、
謎めく現象と共に、心揺れる少女たちとの不可思議な物語が再び始まる。
思春期は終わらない――
キャスト
(C)2024 鴨志田 一/KADOKAWA/青ブタ Project



























































