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アニメ『ずたぼろ令嬢』リレーインタビュー第4回 日笠陽子

ミオは“参謀”であり、“忍者”。忠誠心溢れる有能な侍従頭なんです!──アニメ『ずたぼろ令嬢は姉の元婚約者に溺愛される』リレーインタビュー第4回 ミオ役・日笠陽子さん

婚約式が迫る中、マリーとキュロスの心の距離はどんどん近づいていきますが、その一方でマリーの家庭や過去を巡る謎はさらに深まるばかり。果たして、二人はこのまま幸せなゴールを迎えられるのでしょうか――。

アニメイトタイムズでは、好評放送中のTVアニメ『ずたぼろ令嬢は姉の元婚約者に溺愛される』のリレーインタビューを実施中! 第4回のゲストは、ミオ役の日笠陽子さんが登場。キュロスとマリーを見守る、頼れる侍従頭をどのように演じているのか、語っていただきました!

 

第3回はこちら

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「胸が締め付けられるほどの純愛物語でした」

――本作の原作やオーディション資料をご覧になったときの感想はいかがでしたか?

日笠陽子さん(以下、日笠):オーディションのお話をいただいた際に、制作側から「ミオ役を受けてください」とのご指名をいただいたんです。

そのうえで原作を拝見し、初めからミオの視点で物語を追いかけたので、旦那様(キュロス)とマリーがとてもかわいらしく見えました。胸が苦しくなる展開からほっこりする展開まで物語の構成も巧みで、ミオの視点でマリーをずっと応援しながら、ぐいぐい引き込まれたのを覚えています。胸が締め付けられるほどの純愛物語でした。

――ミオについては、どんな印象をお持ちになりましたか?

日笠:ミオは悲しくつらい過去を抱えながらも、それを乗り越え、自分を拾ってくれたグラナド家に忠義を尽くそうとする、まるで武士のような人物です。忠誠心や愛情が作品の随所から垣間見え、そのうえで冷静な参謀のようなところや、変装もこなす忍者のようなところもあり、とにかく有能な人物だなと感じました。

――ミオを演じられて、共感できる部分やご自身と近い部分はありましたか?

日笠:近いところはあまりない気がします。ミオは冷静で淡々としていますが、私は結構ふわっとしたタイプ(笑)。お互いに遊び心はあるかもしれませんが、その方向性がまったく違うと感じました。指名でオーディションのお話をいただいたときも、「本当に私でいいんですか?」という気持ちがあったくらいです。

第1話の収録でも原作のとびらの先生から「ミオは作中で一番強いキャラクターです。そして、声を聞いた中で最強だったのが日笠さんでした」と言っていただいたんです。とてもうれしかったのですが、自分では手探り感がぬぐえませんでした。

――そうだったんですね。あまりにミオにぴったりだったもので。

日笠:ありがとうございます! リュー・リュー役の大原さやかさんとご一緒した際も、「まんまミオだよね」と言っていただいたんです。まわりの方からはぴったりだと言われるけれど、自分ではなんとなく正反対の性格だと感じている……そんな不思議な現象が起きています。

――演じていて大変なところはありましたか?

日笠:収録の際に画がほぼ完成していたので、セリフの尺を口パクにしっかり収めないといけないんです。たまにセリフがこぼれてしまうことがあり、もうちょっと画を描かれた方とのセッションを意識しないといけないなと思いました。ただ、大原さんもおっしゃっていたのですが、本来アフレコはできた映像に合わせて収録するものなんです。

――まさに、“アフターレコーディング”ですからね。

日笠:そうなんです。「最近あまりないぶん、背筋が伸びるね」と、大原さんがおっしゃっていて、私自身もしゃんとした気持ちになりました。自由に演じさせていただく機会が多かったぶん、それに甘えてきたところがあったなと。この作品を通して本来の声優の仕事に向き合い、技術や感覚を勉強し直すことができました。

――ミオを演じる際に、監督や音響監督からディレクションはありましたか?

日笠:スタジオオーディションでは、私が持っていったものに加え、制作の皆さんから提示された5パターンほどを録りました。

合格の連絡をいただいて第1話の収録が始まったときは、「どのパターンでいけばいいんだろう?」と少し戸惑いましたが、皆さんもミオというキャラクターの持つさまざまな表情を踏まえて検討してくださったんだと思います。結局、最初に自分がやったパターンで進めることになりました。

そういうこともあり大きな修正などはなかったのですが、シーンによっては「飄々とした部分を強調してほしい」、「コミカルなほうに寄せてほしい」といった指示をいただきました。私が考え込みすぎて真面目になりすぎる傾向があるので、それを崩そうとしてくださるのがとてもありがたいです。

――キュロスやほかのキャラクターとの掛け合いはいかがでしたか?

日笠:基本的に全員で同時収録できているので、相手の発した言葉によって自然とこちらの反応も変わるのが楽しいです。

旦那様役の濱野(大輝)くんも役作りにすごく悩んだそうで、さらにマリー役の本村(玲奈)ちゃんも私も「自分でいいのだろうか」と悩んでいて……。そういう真面目な役者陣が集まり、三人であれこれ考えながらも「生きた芝居をしよう」という意識をもって臨んでいます。

――キュロスに対するミオのツッコミも絶妙ですよね。

日笠:幼なじみとしての距離感と従者としての丁寧な言葉遣い、その両方を意識しています。意外と旦那様ってマリーを思いすぎて暴走するときがありますよね?(笑)

最初はマリーを引っ張っていく冷静で頼れる人物、まるでお姫様を守るナイトのようなイメージだったのが、物語が進むにつれ、年齢相応の初々しい恋愛観が見えてきました。今ではマリーのほうが大人っぽく見えることがあります。

――マリーとキュロスはだんだんと想いが通じ合ってきています。

日笠:最近のアフレコではあまりのラブラブぶりに、恥ずかしくて顔を隠したくなるときもあります。もうニヤニヤしっぱなしです(笑)。私のイメージでは、いわゆる“令嬢もの”というと政略や戦略が多い印象だったのですが、この作品は恋愛――それも“溺愛”に特化しているのがとても新鮮でした。

 

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