
ルイフォンは一見“チャラそう”でも、シリアスシーンではとことん真面目──アニメ『ずたぼろ令嬢は姉の元婚約者に溺愛される』リレーインタビュー第3回 ルイフォン役・木村良平さん
好評放送中のTVアニメ『ずたぼろ令嬢は姉の元婚約者に溺愛される』。第5話ではキュロスとマリーの婚約を巡り、キュロスとルイフォンが衝突しました。いったいルイフォンはなぜあのような行動に出たのか──!?
アニメイトタイムズでは本作のリレーインタビューを実施中! 各キャスト、スタッフにキャラクターやストーリーの魅力を語っていただき、本作の面白さを深掘りしていきます。
第3回のゲストは、ルイフォン役の木村良平さんが登場。ルイフォンとキュロスの関係や、マリーとキュロスを見つめるその眼差しの意味などについてたっぷり語っていただきました。
「これは絶対に面白くなるぞ」
──原作やオーディション資料をご覧になった際の率直な感想をお聞かせください。
木村良平さん(以下、木村):恵まれない令嬢が“ひと癖あるハンサム”に見初められる。これは古今東西の物語にある“型”ではありますが、『ずたぼろ令嬢』はキャラクターの魅力が際立っていて、とても先が気になる物語だと感じました。
マリーがキュロスに溺愛されていく過程は小気味よく読めますし、姉のアナスタジアや両親との関係、さらにキュロスの家庭にも何やら秘密がありそうで……。ミステリー要素が巧みに盛り込まれ、そうした要素が物語をいっそう厚みのあるものにしているんです。「これは絶対に面白くなるぞ」と期待が膨らみました。
──確かに、『シンデレラ』的な要素に加え、謎解きの面白さがありますよね。
木村:そうなんです。タイトルにもある“ずたぼろ令嬢”が“溺愛される”という作品の肝となる部分は安心して楽しめる一方で、その裏ではちゃんと読者や視聴者の不安を掻き立てる謎が進行している。
──では、木村さんが演じられているルイフォンについて、どのような部分が魅力的だと感じましたか?
木村:良くも悪くも“王子様らしさ”を体現しているところでしょうか。クセが強くて、嫌味な一面もあるのに、キュロスとの関係を見ると友情には厚いし、騎士団長ということで部下からの信頼も厚そう。視聴者の期待を裏切らない華やかさがありつつ、王子としてもひとりの人間としても面白い人柄をしているところが魅力的ですね。
──第5話ではサプライズ好きで気さくな一面も覗かせてくれました。木村さんもまわりの声優さんに慕われ、ご自身もコミュニケーションを取るのが好きそうなイメージを勝手に持っているのですが(笑)、近い部分もあるのでは?
木村:本当ですか!? でも、そうですね。僕も人と話すのは好きですし、打ち解ければとことんまで仲良くしたいタイプ。ルイフォンも友達になってしまえばすごくよくしてくれる人だと思うので、そういう意味では共通点があるかもしれません。
──そのルイフォンを演じるうえでどんなことを意識されていますか?
木村:メインで登場する貴族男子はキュロスぐらいですし、僕の声質や音の出し方はキュロスを演じる濱野(大輝)とは違っているので、何かこうしようとか、たとえばキュロスとの対比をあえてつけるようなことはありませんでした。キャラクターの持っている人間性だけでも、物語のなかでしっかり違いが出ていますから。
──音響監督から何かディレクションはありましたか?
木村:第2話の初登場シーンでは、ルイフォンが明るく軽口を叩きながら出てくるんです。どのぐらいのテンションがいいかなと考えていたら、音響監督さんから「シリアスな場面ではキリッとするキャラクターなので、普段はかなり軽く、ともすればチャラく見えてもいいです」というディレクションをいただきました。ルイフォンの二面性というものを強調したかったんだと思います。実際に、第2話でキュロスとの軽口を交えたやりとりがあったからこそ、第5話のルイフォンとキュロスのぶつかり合いに迫真さが増しました。
──親友同士であるルイフォンとキュロスとの衝突は驚きました。
木村:ルイフォンはキュロスを深く信頼していますし、「彼にはこうあってほしい」という期待も大きいんです。だからこそ手厳しい言葉で煽ったんだと思います。
──お芝居としてはどのようことを意識されましたか?
木村:こういう場面は本気でやらないとドラマとして面白くならないという点と、ルイフォンとキュロスは本音としてはお互いの気持ちを把握しているんだろうなという点ですね。男同士の喧嘩であって、憎しみ合っているわけでも、本当の意味で決裂するためにやっているわけでもない。それでも本気でぶつかり合うからこそ、結果としてキュロスとマリーの背中を押すことになる。そういうことを意識しました。二人の絆が強まって、ルイフォンも安堵したと思います。
──マリーに対してはかなり厳しい場面もありましたが……。
木村:ルイフォンも王子という貴族の頂点に立つ者として、甘いことを言っているなと少し思いました(笑)。それもキュロスの親友だからこそ、彼を思っての発言なんだと思います。不器用だなと思いつつ、最後にきちんとマリーに謝罪できたのでよかったとしましょう!












































