
TrySail ベストアルバム『BestSail』で振り返る10年の軌跡――3人が選ぶ忘れられない瞬間【インタビュー】
麻倉ももさん、雨宮天さん、夏川椎菜さんによる声優ユニット「TrySail」が、デビュー10周年を記念した初のベストアルバム「BestSail」を2025年8月27日(水)にリリースされました。
通常盤はCD2枚組、初回生産限定盤(A、B)はCD3枚組でリリースされる本アルバム。これまでにリリースされたすべてのシングル表題曲を収録した「ALL SINGLES BEST」(2枚組/各10曲、計20曲)に加え、初回限定盤にはメンバー3人がそれぞれ思いを込めて選曲した「MEMBER’S SELECT BEST」を収録。3枚合わせると30曲におよぶ内容で、TrySailの歴史と魅力をすべて詰め込んだ集大成アルバムとなっています。
アニメイトタイムズでは、ベストアルバムのリリースを記念してTrySailの3人にインタビュー。10年の歴史を詰め込んだアルバムということで、今回は収録曲で特に印象的な楽曲や当時の思い出などを語りつつ、歩んできた10年を振り返っていただきました!
TrySailの3人にとって“◯◯の10年”
──10周年おめでとうございます! 20代のほぼすべてをTrySailとともに過ごしてきたわけですが、この10年はどんな10年でしたか?
夏川椎菜さん(以下、夏川):最初の頃は特にそうでしたが、TrySailが始まって、ドタドタといろんなことが目まぐるしく変わっていって、それに食らいついていって……みたいな感じで。“なんとか走り続けてきた10年”だったなと思います。
麻倉ももさん(以下、麻倉):“人格形成の10年”ですね。20代って世間的にもそうですし、自分の人生の中でも価値観とか考え方とか、いろんなことが変わる年代だと思うんです。その20代をTrySailとしてほぼすべて過ごして、ライブもレコーディングも取材も撮影も、初めての経験をたくさんしてきました。チームで動いているので、チームの一員としての動き方や社会性も培われましたし、それだけ自分の人格を作り上げる大きな要素になっていたんじゃないかと思います。
雨宮天さん(以下、雨宮):私は“とにかく考えた10年”でした。そもそもユニット活動は私がやりたいことではなかったから、「やりたくない」ところから「やってよかったと思える」ところまで持っていかなきゃいけなくて。少しでもストレスを減らしてやっていかなきゃと思っていましたので、自分の中での折り合いの付け方や、自分の機嫌の取り方、モチベーションの上げ方などを10年間でいっぱいいっぱい考えました。
──そんな皆さんは、2011年にミュージックレインのスーパー声優オーディションに合格し、翌年から声優活動を開始。2014年末にTrySailを結成します。ユニットをやることは、早い段階で言われていたのですか?
麻倉:いえ、かなり急だったと思います。「(ユニットを)やります」と言われてから、すぐに楽曲の制作が始まりましたから。
夏川:ユニットをやると言われて「来月レコーディングです」ぐらいだった気がしますね。
麻倉:なんなら、先輩たちがやっていたこともあって(寿美菜子さん、高垣彩陽さん、戸松遥さん、豊崎愛生さんによるユニット「sphere」)、ユニット活動を「3人はやりません」と最初言われていたので、やらないものだと認識していたんです。そこに突然降ってきた、本当にそんな感じでした。
夏川:急に会社に呼ばれて、会議室に入ったら当時の社長もいて。3人で並んで座って「ユニットを組むことになりました」と、重苦しい雰囲気で結成を伝えられたんです。
──そうなのですね。先ほどの話からすると、雨宮さんはかなり反対だったのでは?
雨宮:私は会議室で言われた瞬間のことを覚えていないんです。たぶん、それより前に聞かされていたんだと思います。
夏川:そうだ。天さん(雨宮さん)はなんかもう口をつぐんでいたというか、なにも話す気がないって感じだった記憶がある(笑)。
雨宮:思い出せる光景として残っているのは、電車の中で当時のマネージャーから「ユニットを組む」と言われて、「嫌です」と言ったのに「仕事だから」と。それはすごく記憶にあるんですけど、会議室でのことは記憶になくて……。
夏川:先に聞いていたから、会議室ではそういう反応だったんだね。私、天さんがなにも言わなかったのが意外だったんです。そのときは聞けなかったけど、そういうことだったのかもしれないね。
麻倉:確かに。
──では、ユニット結成前のそもそもの話にはなりますが、当時のお互いの第一印象はいかがでしたか?
夏川:第一印象といいますか、しばらく一緒にやっている中で感じたことですが、2人とも私の周りにはいなかったタイプの人間だなと思いました。私の学校にはいなかったといいますか。切磋琢磨していく仲間ができて嬉しい気持ちと同時に、2人のモノの見方や考え方がすごく新鮮で刺激になるなと感じました。
麻倉:周りにいなかったという意味ではそうかもしれないです。年代が少し違うのもあると思いますが、レッスン後などにファミレスで何時間も深い話やくだらない話をいっぱいする中で、「そういう風に考えるんだ」とお互いの考え方を知っていきました。そうやって関係性を作っていったんです。
雨宮:私は……「目がデカいな」って思いました(笑)。
麻倉・夏川:(笑)。
雨宮:最初に会ったときに、顔がかわいいのはもちろんですが、「目がデカい!」「声がかわいい!」と思ったのをよく覚えています。こんなに目が大きい人は、あまり見たことがなかったです。
夏川:周りにいなかった?
雨宮:うん。なんかその印象がすごく強かった。













































