
『追放者食堂へようこそ!』連載インタビュー第8回:音響監督・小沼則義さん|時代劇のようなわかりやすい音楽の“型”──「観ている方に『楽しい』と感じていただけることを意識して」
「彼の成長を描いていければ」
──音響監督から見た、主要キャラクターの声の魅力を教えてください。
小沼:デニスに関しては武内さんが芸達者なので、この作品のコミカルな部分での声色の使い方の面白さが出ていたと思います。一転、怒り・迫真のシーンに入ったとき、声や雰囲気にググッと気持ちが入っていく感じは、彼の魅力的な部分だと思います。
アトリエちゃんは台詞が少ないのですが、そこにある心の機微を橘さんに細かく演じていただきました。メインヒロインのかわいらしさと、世間からズレたことを言う突拍子もない雰囲気を、とても上手に表現してくださっていたので、そのかわいらしさを見ていただけたらと思います。
ヘンリエッタは、基本的にボケ担当ですが、第5話に出てくるアクションシーンで急にカッコよくなったりするんですよ(笑)。そのギャップを見ていただけたらと思いますし、鈴代紗弓さんの魅力がたくさん出ているキャラクターだと思います。
ビビアはある意味ツッコミ役なので、ツッコミとノリツッコミ、自分が乗ってしまったときのやり過ぎ感を、ぜひ見ていただきたいです(笑)。楽しく演じてくださっていると思います。
バチェルは、なかなか珍しい、陰と陽で言うところの陰の関西弁キャラクターです。おおよその場合関西弁と言われると、楽しい雰囲気を想像されると思いますが「そんなことないんやけど……」というような、影がある感じなんですよね。松田颯水さんはオーディションのときから、そんなバチェルをスッと落とし込まれていました。特にその演技に注意して見ていただけたら面白いのではないかと思います。
小沼:ヴィゴーに関しては、最初のアフレコのときに「あなただけちょっとやり過ぎでもいいので、悪役感満載でやってください」と鈴木さんに伝えたんです。その与えられたロールをきちんとやってくださった鈴木さん、お見事!と思っていました。
ケイティは、演じていた安済知佳さんが本当にお上手で。表に見せているノリの良さと軽さ……ビキニアーマーを着ているキャラで見せておきながら、実は裏でいろいろ背負っているものがある、というのをフッと見せる瞬間の心の機微が本当に素晴らしかったです。
──原作の先生方もアフレコをご見学されていたとのことですが、先生方との思い出について教えてください。
小沼:とにかく作品愛に溢れているお二人でした。お食事をしていたときの話なのですが、君川優樹先生が、作品を書いているときに「デニスのことが嫌いかも」となったときがあったようで(笑)。ちょっとわがままなところやイジイジしているところ、周りのことに関しては身を挺して救える割に、自分のことになると急に決断できなくなるところが、原作者から離れて見たときに「もっとちゃんとしろよ!」となったそうなんです。
でもそれって、キャラクターがひとりでに動き出したからこそ起こることですよね。お話を聞いていて、そのくらいフレッシュに物語を書けていることなんだ、面白いなと思いました。
だからアニメでは、原作者がイラッとするようなデニスの心の弱さを出して、彼がどう成長していくのかを見せていけたら成功なのではないかと。それは印象に残っています。
──先生方が「意見をしやすい現場の雰囲気だった」というお話をされていました。
小沼:私が常に現場で意識していることです。いつも不満そうな顔をしていて「意見を言うのをやめよう……」みたいなことにならないようにはしています(笑)。なのでこの現場でもピリピリした空気はなかったと思います。作品的にも楽しくやれたほうが良いものになると思いますから。














































