
「まるで認識が書き換えられていくような……」際立つ亜鳥の特異性を表現するため「この子の中では日常」「普通に言う」を意識して──『ばっどがーる』水鳥亜鳥役・花宮初奈さんアニメ振り返りインタビュー
花宮さんが思う「水鳥亜鳥」とは
──実際に亜鳥を演じる花宮さんから見て、亜鳥とはどのようなキャラクターだと思われますか?
花宮:不思議な子だと思っています。枠にとらわれないといいますか、いわゆる〇〇系などのジャンル分けがない気もしていて。だからこそお芝居においても「突拍子もない感じって、どうやって表現したらいいんだろう」と悩むこともありました。今までにないキャラクターで、毎話楽しみながらアフレコをしていました。
演じてみても「変だな」と思っていましたが、それが正解なのではないかと思います。この子は最後までわからないんだろうなと。橘(杏咲)ちゃんと亜鳥ちゃんについて喋るのですが、謎のままで終わることが多くて。何でもありだからこそ、どのような結果でも「亜鳥先輩だしなぁ……」で終わる気がしています(笑)。
花宮:キャラクターによっては「この子はこんなことをしない!」という解釈が生まれると思うのですが、亜鳥ちゃんは何でもやりそうですよね。お淑やかで美人な振る舞いもできると思いますし……掴めないところが魅力だと思います。
──亜鳥を演じる際に、特に意識していたポイントを教えてください。
花宮:変なワードでも「この子の中では日常」と思いながら「普通に言う」を心がけていました。亜鳥ちゃんの発する言葉に、ただみんなが驚いているだけなのではないかと。
──たしかに最近、亜鳥が発する一言一言について驚きはするものの、違和感を覚えなくなっているような気がします。
花宮:(笑)。それが本質なのかもしれませんね。「亜鳥ちゃんがそう言ってるから……」と、まるで認識が書き換えられていくような……。でもそうなっても仕方ないのかなと思います。怖いですね。
──よりその一面が色濃く出るのがADC(亜鳥様大好きクラブ)との掛け合いかと思います。ADCのみなさんとのアフレコはいかがでしたか?
花宮:錚々たる方々の前で、しかもその方々に崇められている役でドキドキしていました。ただ、こんな機会は多くないと思いますので、ありがたいという気持ちが一番でした。
ADC初登場のエピソードでは、亜鳥ちゃんが幼稚園児を目覚めさせるような行動をしていて、ワルいところが出ているなと(笑)。みんな手が止まってましたから。
──いつの間にか全員が亜鳥の虜になっていました。
花宮:本人はそれに困っていたようですが、あの回のおかげで優ちゃんと親密になったのかなと思います。優ちゃんとの関係値が変わったこともあり、個人的に印象に残っているお話です。ずっと犬でしたが、今は、人間に見えていたらいいなと思います(笑)。
──第5話の清との会話で「人間(こっち)側」という表現を使っていましたね(笑)。そう考えると亜鳥先輩から見た世界って……。
花宮:歪んでいるかもしれません(笑)。一回、亜鳥ちゃんの一人称視点で展開されるお話を読んでみたいです。もしかしたらスゴいことになっているかも……。
第4話の「秘密の教室」で亜鳥ちゃんが描いていた絵も、亜鳥ちゃんの視界に映る世界そのままかもしれませんから。「傑作」って言ってましたからね(笑)。
──優の「コヒュッ」を受けることも多かったと思います。横で見ていて、変化などは感じていましたか?
花宮:オーディションの時点から優ちゃん役は「コヒュッ」がキモになると思っていて、「コヒュッ」ができる方が優ちゃんを演じるんだろうなと考えていました。橘ちゃんの「コヒュッ」も、どんな「コヒュッ」なのかなとワクワクしながら聞いていました。
楽しげに演じているときもあれば倒れそうなときもあって。「コヒュッ」って日常生活で言わない言葉なのに、その時、その状況に合わせたバリエーションで「コヒュッ」を出せるのが橘ちゃんだからこそなのかなと。
基本的に「コヒュッ」の前に亜鳥ちゃんのセリフがあるので、優ちゃんが「コヒュッ」って「大丈夫!?」と声をかけるまでが一連の流れになるのですが、優ちゃんの「コヒュッ」が毎回違うので「大丈夫!?」も毎回違うものになっていたように思います。その変化は見ていて聞いていて楽しいなと思っていました。
──そんなTVアニメ『ばっどがーる』を彩るオープニング・エンディングテーマについて、映像付きでご覧になった感想をお聞かせください。
花宮:オープニングの「すーぱーびっぐらぶ!」は“きらら”感が全面に出ていて可愛いです。あとは、なぜか上半身に何も着ていないような気がするカットが多々あって。ありがたいですよね(笑)。
オープニングから飛ばしているといいますか「何でもあり」「楽しい」「ワチャワチャしている」世界観……終盤では亜鳥ちゃんも馬に乗っていて(笑)。隅々に様々なこだわりを感じます。
エンディングは打って変わるカッコよい仕上がりで。どちらの雰囲気も楽しめるのが『ばっどがーる』の良さなのかなと思います。天狼群として着ている衣装とキャラクターたちが着ている衣装がリンクしているのもこだわりポイントだと思いますし、個人的にもお気に入りです。
──これから放送される第10話の注目ポイントを教えてください。
花宮:亜鳥ちゃん不在でみんながお勉強会をする回があるのですが、(瑠璃葉)るらの勉強方法を聞いて「めっちゃいいね……!」とみんなで言っていました。覚えやすくてタメになるんですよね。学生のころに知りたかった方法だなと思いましたので、特に学生のみなさんにご覧いただきたいです。
今台本を見て思ったのですが、10話はすべてのサブタイトルに「♡」が付いていてスゴいですね……! 楽しみにしていただけたらと思います。
──最後に『ばっどがーる』および天狼群のファンへメッセージをお願いします。
花宮:TVアニメも終盤へと差し掛かっていますが、キャラクターの魅力が出揃い始めて虜になっている方もたくさんいると思っています。それぞれの組み合わせの魅力が原作から描かれ続けています。みなさんが好きなキャラクターの組み合わせがあれば教えてほしいです。
残りの話数でも可愛いだけじゃない魅力が溢れていますし、まだまだ新たな供給があると思いますので、毎週楽しみに見ていてほしいと思います!
【インタビュー・文:西澤駿太郎 編集:太田友基】
















































