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『もののけ姫』名言・名台詞まとめ

ジブリ映画『もののけ姫』心を打つ名言・名台詞まとめ|荒ぶる神々と人間たちの生きることへの思いと、紡ぎ出される魂の言葉

「森と人が争わずに済む道はないのか?」アシタカ

荒ぶる神々と人間たちとの大決戦を間近に控えた夜。洞穴で目覚めたアシタカは、サンの手厚い看病により順調に回復していました。アシタカはモロと言葉を交わしており、ここでは、『もののけ姫』の有名な台詞が続きます。

ナゴの守がタタリ神と化した原因であるエボシに対し、恨みや憎しみの感情を内包するアシタカ。迷いながらも森と人間の双方が争わずに済む道はないのか模索し、本当にもう止められないのかとモロに問います。

後にアシタカはエボシにも「森とタタラ場 双方生きる道はないのか」と訴えています。両者を守ろうとしているアシタカを見て、ジコ坊は「あいつ どっちの味方なのだ?」と呟いていました。

 

 

「あの子を解き放て!あの子は人間だぞ!」アシタカ

 

何よりもサンを救いたいという想いを強く感じる場面。アシタカがサンに対して抱く様々な感情が溢れていきます。

「サンをどうする気だ? あの子も道連れにするつもりか?」というアシタカに対して「いかにも人間らしい手前勝手な考えだな。サンはわが一族の娘だ。森と生き 森が死ぬ時は共に滅びる。」と返すモロ。するとアシタカは、「あの子を解き放て!あの子は人間だぞ!」と、森と人間の争いからサンを解放するようモロに訴えかけます。

 

「黙れ小僧!お前にあの娘の不幸が癒せるのか⁉︎ 森を侵した人間が わが牙を逃れるために投げてよこした赤子がサンだ。人間にもなれず 山犬にもなりきれぬ 哀れで醜い かわいいわが娘だ。お前にサンを救えるか⁉︎」モロの君

 

サンを解き放つよう訴えるアシタカをモロは一蹴。生贄として森に捧げられ、人間にもなれず山犬にもなりきれぬサンの身の上を案ずる母親のモロは、何も知らない人間の若者の言葉に激昂していました。サンを救えるのかと激怒されたアシタカは「分からぬ。だが共に生きることはできる!」と答えますが、もうお前にできることは何もないと突き放されてしまいます。

このようにアシタカに対して厳しい態度で接しているモロですが、サンには「お前にはあの若者と生きる道もあるのだが……」と、人間として生きる道を示唆しています。森と運命を共にするというモロ一族からこのような言葉がでるなんて……母親心ですね。サンの身なりや佇まいなどから、モロはサンが人間と共に生きれる道も残しながら育ててきたのかもしれないとも思えてきます。

 

「生きてりゃ何とかなる!」トキ

 
ディダラボッチは、奪われた首を取り戻すために、触れるもの全ての生命を吸い取りながら徘徊。ドロドロに触れると死んでしまうため、やむなくタタラ場を皆が脱出し、「もうダメだ」と甲六が絶望していた時にトキが叫んだ言葉。生きていればなんとかなる、何度でもやり直せると言ってもらえると、希望をもらえますよね。

 

「よみがえってもここはもうシシ神の森じゃない。シシ神様は死んでしまった。」「シシ神は死にはしないよ 命そのものだから。生と死と2つとも持ってるもの。私に生きろと言ってくれた。」サン/アシタカ

シシ神の首が戻ったあと、朝日を浴びたディダラボッチは猛烈な風を巻き起こしながら消えていきました。「シシ神様は死んでしまった」とサンは言います。

自然は再生して穏やかな風景が広がっていますが、かつての恐ろしく厳かな森はそこにはもうないのです。そういう風に日本の風土そのものを日本人が作り替えてきたのだと宮崎監督は話しています。

「古い神がいなくなれば もののけ達もただの獣になろう。」と言っていたエボシの言葉通りになっていくのかもしれません。エボシは、「森に光が入り 山犬どもが鎮まれば ここは豊かな国になる。もののけ姫も人間に戻ろう。」とも話していました。

 

「アシタカは好きだ。でも人間を許すことはできない。」「それでもいい。サンは森で 私はタタラ場で暮らそう。共に生きよう。」サン/アシタカ

 

森が蘇ったあと、サンがアシタカに告げた言葉。そして、共に生きようというアシタカの答え。アシタカは、ヤックルに乗って会いに行くと約束し、サンは静かに頷きました。悲しみと怒り、憎しみにまみれる争いの惨劇のなかで出会い、アシタカとサンが心を通わせていく過程は美しく尊いものですね。

最後のサンの台詞に関して宮崎監督は、「解決がつかないままアシタカに刺さったトゲ」だと表現しています。アシタカはそのトゲも一緒に生きていこうと決めている21世紀人なのだそうです。

 

「みんな初めからやり直しだ。ここをいい村にしよう。」エボシ御前

 

崩れ落ちたタタラ場に集まり、皆でエボシを囲んでいるシーン。皮肉にも山犬の背で運ばれ生き残ったというエボシは、憑きものがとれたような表情を見せ、タタラ場には日が差しています。

 

主題歌「もののけ姫」の歌詞

傷を負ったアシタカがシシ神に癒された後、三日月が見える石の洞穴で流れ始める主題歌「もののけ姫」は美しく神秘的。アシタカは隣で眠るサンを見つめ、それから外へ出ると目の前には森が広がり、洞穴の上にはモロが鎮座していました。両者はいくつか言葉を交わし、アシタカはモロからサンの身の上を聞き、お前にサンを救えるのかと一蹴されるのです。

“悲しみと怒りにひそむ まことの心を知るは 森の精 もののけ達だけ”

こちらは主題歌「もののけ姫」の一節。「もののけ姫」はアシタカのサンへの気持ちを歌った曲です。アシタカの哀愁漂う感情が静かに伝わってきますね。米良美一さんは「恋」と「慈愛」と「憐れみ」の3つの想いを浮かべて歌われたそうです。

 

この記事をかいた人

藤崎萌恵
大阪府在住のライター。数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。

 

『もののけ姫』作品情報

もののけ姫
中世・室町期の日本。 いまだ人を寄せ付けぬ太古の深い森の中には、人語を解する巨大な山犬や猪などの神獣たちが潜み、 聖域を侵す人間たちを襲って、荒ぶる神々として恐れられていた。 エミシの末裔のアシタカは、人間への怒りと憎しみによってタタリ神と化した猪神に呪いをかけられ、 それを解くために訪れた西の国で、数奇な運命に巻き込まれていく。 森を切り開こうとするタタラ製鉄集団とその長エボシ御前、森を守る山犬一族、 そして山犬に育てられた人間の少女サン。 アシタカはその狭間で、自分が呪われた理由を知り……。

作品名 もののけ姫
放送形態 劇場版アニメ
シリーズ スタジオジブリ
スケジュール 1997年7月12日(土)

【IMAX劇場】
2025年10月24日(金)
期間限定上映
キャスト アシタカ:松田洋治
サン:石田ゆり子
エボシ御前:田中裕子
ジコ坊:小林薫
甲六:西村雅彦(西村まさ彦
ゴンザ:上條恒彦
トキ:島本須美
山犬:渡辺哲
タタリ神:佐藤允
牛飼い:名古屋章
モロの君:美輪明宏
ヒイさま:森光子
乙事主:森繁久彌
スタッフ 監督:宮崎駿
脚本:宮崎駿
プロデューサー:鈴木敏夫
作画:安藤雅司
美術:山本二三 黒田聡 田中直哉 武重洋二 男鹿和雄
音楽:久石譲
主題歌 もののけ姫」米良美一
公開開始年&季節 1997アニメ映画

(C)1997 Studio Ghibli・ND
『もののけ姫』公式サイト

 

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