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- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。

吾峠呼世晴先生による漫画『鬼滅の刃』。家族を鬼に殺され、唯一生き残った妹は鬼にされてしまった主人公・竈門炭治郎が、鬼を討伐する部隊・鬼殺隊に入隊し、鬼たちの祖である鬼舞辻無惨を倒すため奮闘する物語です。
本稿では“お館様”と呼ばれる鬼殺隊の最高管理者・産屋敷耀哉の情報をまとめてお届け! 基本プロフィールに加えて人柄・性格、特異な能力、家族・一族、鬼舞辻無惨との関係、病の原因、使いの鎹鴉、演じている声優の情報などを詳しく解説していきます。
※本稿は原作に沿って作成しており、ネタバレ要素が含まれますのでご注意ください。
誕生日:不明
年齢:23歳
身長:不明
体重:不明
氏族:産屋敷家九十七代当主
役職:鬼殺隊最高管理者
代々当主が鬼殺隊の最高管理者を務めてきた産屋敷一族。歴代当主の中でも耀哉は随一の統率力と異能とも呼べる力を持っています。
ひとつ目は声。彼の持つその特有の声は現代では1/f(エフぶんのいち)ゆらぎと呼ばれており、聞いている相手を心地よくさせることができます。1/fゆらぎは川のせせらぎや人間の心拍音などの自然現象に多く見られるのだとか。
要は声を聞くと心地よく、つい聞き入ってしまうということでしょう。初めて耀哉に会った炭治郎も頭がふわふわするような不思議な高揚感を感じていますし、産屋敷邸を襲撃した鬼舞辻無惨が長い時間耀哉の話を聞いていたのもこの特有の声が作用したためでしょう。
ふたつ目は先見の明。先のことを予見する勘がすさまじく、無惨との決戦が間近に迫っていることだけでなく、無惨が5日以内に自邸を襲撃してくることまでも予知。これによって鬼殺隊は無惨に先手を打つことに成功。
先見の明は産屋敷一族が有している力のようで、この力によって一族は財を成してきました。
耀哉はその能力だけでなく、人格面においても鬼殺隊のトップに立つにふさわしい人物です。
最高管理者である自分のことも鬼殺隊の駒のひとつに過ぎないという考えであり、尊大な態度は一切ありません。柱たちが“お館様”と呼んで慕っているのも、皆の善意によるものであると言っており、そのように扱ってもらいたいという気持ちはないようです。
隊士たちを我が子のように思っており、怪我をした隊士のお見舞いや亡くなった隊士の墓参りを、病が進行して寝たきりになるまで毎日欠かさず行っていました。
また、相手の気持ちを慮ることにも長けている耀哉は、相手がその時最も欲している言葉をかけてあげることができる人物でもあり、苦しい生い立ちを持つ隊士たちをその言葉で何度も救っています。
特殊な声はもちろんですが、その人柄こそが柱をはじめとする多くの鬼殺隊士を心酔させているのです。
その一方で、常に冷静で一見すると穏やかな人物ではあるものの、鬼殺や無惨討伐において甘さはありません。産屋敷邸を襲撃してきた無惨を自身と妻子共々爆破させたことからも、“鬼殺の手を一切緩めない”姿勢が感じられます。
【年齢:27歳 旧姓:神籬(ひもろぎ)】
代々神職の一族から妻をもらっていた産屋敷家。耀哉の妻・あまねも神職の家系の生まれで、耀哉13歳、あまね17歳の時に結婚しました。両家のしきたりに沿った出会いでしたが、「貴女が嫌なら私からこの話は断ります」という、相手の立場を思いやる耀哉の言葉を受け、あまね自ら結婚の意志を固めました。
病身の夫の看病だけでなく、剣士になる前の時透の元を夫の代わりに訪ねており、鬼殺隊にも積極的に関わっています。病状が悪化した耀哉の代わりに柱合会議に出席したことも。また、断片的な予知夢を見ることがある特殊な力の持ち主でもあります。
夫と子どもたちの息災を願い、雪の日であっても禊祓い(穢れを落とすための水浴び、願掛け)を欠かしたことはなく、夫と子どもへの深い愛情を持つ女性です。
耀哉とあまねの間には五つ子が誕生します。次期当主である男児・輝利哉(きりや)、その姉のにちか、ひなき、妹のくいな、かなたです。輝利哉のみが黒髪、他の姉妹は白髪。年齢は8歳。
長くは生きられない耀哉は、早く子供たちを大人にするため厳しく育ててきたようです。あまね同様、子供たちも幼い頃から鬼殺隊には積極的に関わっており、最終選別試験の案内役や柱合会議で当主の側仕えを務める姿が描かれています。
また、産屋敷家の男児は病弱であるため、13歳までは女児として育てられるという特殊な風習があり、最終選別で姿を見せた輝利哉は女装をしています。
産屋敷一族は長い間呪いに苦しんできた一族です。呪いの力は非常に強いようで、まず男児はいつも一人を残して全員幼いうちに亡くなってしまい、女児であっても13歳までに結婚して名字を変えなければ、事故や病で必ず亡くなってしまいます。そして、無事大人になれたとしても30年以上生きることはできません。
先代である耀哉の父は繊細な人で、隊士たちが次々に亡くなったり傷ついたりする姿に耐え切れず、19歳で自ら命を絶ちました。兄弟もいましたが、全員男児だったため耀哉以外は全員幼い頃に死亡。
耀哉が当主となったのはなんと4歳。普通では考えられない年齢ですが、産屋敷一族では子供ながら当主となることはそれほど珍しくないようです。
自身も病に侵され、23歳で余命を宣告された耀哉。最後は余命いくばくもない自分を囮に無惨をおびき出し、自身と妻子諸共爆破させて無限城での戦いの火蓋を斬りました。
産屋敷家の呪いの原因は宿敵・鬼舞辻無惨にあります。実は両者は同じ一族の生まれ。一族から鬼を出してしまったことで呪われてしまい、昔は今以上に短命で、生まれてくる子供たちは病気ですぐに死んでしまっていたそうです。
一族が絶えかけた時、神主から受けた助言が「同じ血筋から鬼が出ている…その者を倒すために心血を注ぎなさい…そうすれば一族は絶えない」というものでした。さらに、代々神職の一族から妻をもらうことで、子供も死にづらくなったと言います。
千年以上前に生まれた無惨と生まれて23年の耀哉は血縁と言えど血は近くはありません。しかしながら、耀哉が病に侵されていなければ2人の面立ちは双子のように瓜二つであることが第137話「不滅」の扉絵で明かされており、2人が間違いなく血縁であることを物語っています。
永遠に生き続けることに執着する無惨と千年に渡り無惨討伐に全力を尽くしてきた産屋敷一族。相対しながらも似たような執念深さは同じ血族ゆえなのかもしれません。
鬼殺隊士ひとりひとりに付けられ、隊士間の伝達役を担う鎹鴉(かすがいがらす)。産屋敷家を担当する鴉は、鎹鴉の中で唯一人間のように流暢に(漢字と平仮名での表記)言葉を操り、自身を「吾輩」と呼んでいます。
作中では炭治郎が受けた最終選別の結果を耀哉に伝えていると思しきシーンと、最終決戦前に主の代わりに珠世の元を訊ね、伝言を伝えるシーンで登場。珠世との会話の中で、自身の主である耀哉のことを「産屋敷」と呼び捨てで呼んでおり、身内のことをへりくだって言うことができるほど賢く優秀な鴉だと言えるでしょう。
また、アニメでは速水奨さんが声優を務めたことで一層強者感が増し、放送直後にはファンの間で大きな話題となりました。
産屋敷耀哉を演じているのは森川智之さんです。1月26日生まれ、神奈川県出身。『ファイナルファンタジーVII』のセフィロス役をはじめ、『クレヨンしんちゃん』の野原ひろし〈2代目〉役など多数のキャラクターを演じ、洋画作品において俳優のトム・クルーズの吹き替えを担当していることでも知られています。

1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。
