
『破産富豪 The Richest Man in GAME』小野賢章さん&岡本信彦さんインタビュー|“破産”したいのに大成功してしまうペイ・チェンと、何も知らず能天気なマー・ヤン、対照的な二人が作り上げるゲームを楽しんでほしい
中国の配信サイト「billibilli」で総再生数1億回を超えた大ヒットアニメの日本語吹き替え版『破産富豪 The Richest Man in GAME』が、フジテレビ「B8station」にて毎週水曜日に放送中!
本作の主人公、さえない社畜のサラリーマン「ペイ・チェン」はある日、学生時代にタイムリープしてしまいます。その直後、「リッチェスト」という謎の存在から、事業を始めて大きな損害を受ければ、大金を得られるというシステムがあることを告げられます。
社畜人生から抜け出すべくペイ・チェンはゲーム会社を起業。破産するために適当に作った『孤独の砂漠ハイウェイ』というゲームをリリースするのですが……!?
放送開始を記念し、ペイ・チェン役の小野賢章さん、マー・ヤン役の岡本信彦さんにインタビューを実施!「売れないゲームを作る」という斬新な設定や物語の魅力、ペイ・チェンとマー・ヤンの関係性の面白さ、印象的なシーンなどを語っていただきました。
「売れないゲームを作る」という斬新な設定と、ストーリーや会話がギュッと詰め込まれた“濃さ”が魅力的
──本作の資料や台本を読んだ感想と、魅力を感じた点をお聞かせください。
小野賢章さん(以下、小野):まず作品の世界観や設定が斬新だなと思いました。ゲーム制作の世界を描いた作品ということで、普通は売れるゲームを作って、会社を大きくすることを目的にするはずなのに、この作品は逆なんですよね。
赤字になればなるほど利益が得られるという仕組みの下、ゲーム会社を立ち上げた主人公がダメなゲーム、いわゆる「クソゲー」を作って評価を落として、わざと売れないようにするという。今まで自分が演じてきた作品の中でもあまりないタイプで……。
岡本信彦さん(以下、岡本):わかる!
小野:自分の中で「新しいな」と感じました。また、お話も会話もギュッと詰め込まれていて、1話1話がすごく濃いところが作品の魅力かなと思います。
岡本:僕も初めて資料と脚本を見た時、これまであまり触れたことがないジャンルの作品だなと。損をする、破産に近づけば近づくほど儲けることができるというのは斬新さを感じました。また、ペイ・チェンが作ったゲーム会社がどんどん売り上げを伸ばして、大きくなって他社を寄せ付けなくなる、無双系の作品のような気持ちよさもありました。
あとは、売れないゲームにしようとペイ・チェンが雑に指示しても「何か意図があるのでは?」とか「自由にやらせてくれる」と周りが良いほうに解釈して、みんなが前向きに一丸となって売れるゲームを作ってしまう「謎の絆」感もおもしろいですね。その中でペイ・チェンだけが自分の狙いが失敗して被害を被ってしまうという(笑)。そんな構図がおもしろくて、好きです。
──ご自身が演じるキャラクターの印象と、魅力を感じる点をお聞かせください。
小野:ペイ・チェンはとにかくしゃべりまくりで、表情がコロコロ変わるのがおもしろいし、この設定にあっているキャラクターだなと思いました。失敗するためにわざと行動するとどうしても不自然さが出るものですが、彼にはだらしないところもあるのであまり気にならなくて。そうかと思えばお話が進んでいくにつれて、「できる社長」っぽくなるし、周りも「社長のために頑張ろう!」という空気になって。接する人を引き付ける魅力を持っている不思議な男です。
岡本:マー・ヤンは明るくてムードメーカー……と言いたいところですが、タダの天然でおバカなキャラクターです。物事をあまり考えず、すぐ言いくるめられてしまうし、ゲームも好きだけど、すごくヘタなので(笑)。ただ、悪意はまったくなく、すごく明るいので、会話をしていたら楽しい男というイメージです。
そして、ペイ・チェンにとっては“破産する”という目的を達成するための最高のパートナーであり、原石的な存在です。この作品のシステムの中でこそ輝けるキャラクターだと思います。
ペイ・チェンは速いテンポでしゃべり、叫びまくる! その様はまるでスポーツのよう!?
──お二人は一緒に収録されているんでしょうか?
小野:一緒に収録していますが、セリフがかぶってしまうので、別録りになることが多くて(笑)。テストでお互いに「こんな感じか」と確認した後で、別に録る感じです。
岡本:基本的に僕らやその回のメインキャラクターは一緒に収録できています。ペイ・チェンは「何でだ~!!」とか叫ぶシーンが多くて、聴いていて気持ちいいです。ただ「速いな。よくこのテンポでやれるな」とは思いますね。マー・ヤンがせわしなく去っていくと、追い打ちをかけるセリフを畳みかけている感じで。何かスポーツみたいな印象があります(笑)。
小野:あります、あります! ガンガンにしゃべるセリフとモノローグのセリフが交互に来るので、それを一気に噛めずに言えた時の爽快感はすごいです。思わず「プロだな」って(笑)。
岡本:自分で再認識して、自己肯定感が増し増しで(笑)。
小野:でもだいたい噛んじゃうんだよな~。
──台本を見ましたが、すごいセリフ量ですね。
岡本:結構詰め込まれていると思います。「これは尺の中に入らないのでは?」というところもあって、カットになることも(笑)。たぶん元の中国語から日本語に翻訳する中で生じることなのかなと思います。
小野:役名も中国名なので、言い慣れていないから大変です。例えば「ペイ・チェン」もどんなイントネーションで言ったらいいのかとか。新しいキャラクターも正しいイントネーションは現場で確認しないとわからないので、家で練習していた時のイントネーションと違っていた場合は地獄です(笑)。
岡本:中国語は語尾を上げるのと下げるのと平坦なのとすべて意味が変わってきますが、日本語でも同じ文章で普通の文と疑問文では語尾も変わりますよね。たぶん日本語の文化も加味されたイントネーションでやっているのかなとは思っています。
──収録の雰囲気はいかがですか?
小野:収録自体は順調でスムーズに楽しくやっています。毎回楽しみなのが、スタッフの方が「今週のいただきもの」を配ってくれることです(笑)。
岡本:予定時間を超えることはなく、いつも粛々と進んでいます。収録が早く終われば、ご飯を一緒に食べに行って。先週は賢章くんと、その前の週は仲村宗悟くん(ルアン・グアンジェン役)と一緒に中華料理屋さんに行きました。
小野:基本的に朝から収録することが多く、収録が進んでくるとちょうど昼時になってお腹がすいてくるので、自然とご飯の話題で盛り上がります。












































