
【今週の『ONE PIECE』の話題は?】ロジャーのほろ苦い青春? レイリーとシャクヤクがついに……! キャプテン・ジョンにジキジキの実の前任者説が浮上<1161話>
海賊王を目指し海へ出た主人公モンキー・D・ルフィとその仲間たちの活躍を描く、週刊少年ジャンプで連載中の漫画『ONE PIECE』(原作:尾田栄一郎氏)。
未知の島の心躍る冒険や強敵との痛快なバトルを通して仲間たちと絆を深め強く成長していく様は、まさにジャンプの三大原則「友情・努力・勝利」のど真ん中。その一方で、消された歴史や差別・奴隷制度などをめぐる世界の闇をも緻密な伏線と壮大な世界観で描き出す本作は、最終章へ突入した連載28年目の現在も怒涛の展開で読者の心を掴んで離しません。
9月30日(月)発売の週刊少年ジャンプに掲載された『ONE PIECE』第1161話“矢の雨をしのいで結ぶ恋の詩”では、ゴッドバレー事件のさなかにあったシャンクスやシャクシャクの救出劇、伝説の海賊たちが繰り広げたバトルが描かれました。本記事では、SNSでの反響とともに、最新話のポイントを振り返っていきます。
※本記事には『ONE PIECE』最新話(第1161話)のネタバレを含みます。コミックス派やアニメ派の方等、ジャンプ未読の方はご注意ください。
ロジャーの切なくも男気あふれるアシストが胸を打つ……! ほろ苦く甘酸っぱいシャクヤク救出劇
ゴッドバレー事件の回想も佳境に入り、今回はついにシャクヤク救出のシーンへ。
ロジャーやギャバン、シキをはじめとする数々の海賊たちがシャクヤクの救出を目指しますが、結果的に彼女を助けたのはレイリーでした。
シャクヤクの手紙に応えるように「迎えに来た!!!」と手を差し伸べるレイリーのかっこよさに、SNSも「レイリーかっこよすぎる」「これは惚れる」「ゴッドバレーの真の勝者はレイリーだったってことか」と盛り上がりをみせました。
シャクヤクを虐げるソマーズ聖へ炸裂した技、冥界へ手向ける“彼岸刃鉈(ひがんばな)”は、レイリーが冥王と呼ばれる所以となっていそうですね。
“矢の雨をしのいで結ぶ恋の詩”という小粋なサブタイトルどおり、この地獄のような戦況のなかで想いを通わせ積年の恋が叶ったふたりですが、そのキューピッドはほかでもないロジャーでした。
ロジャーもまた、シャクヤクに惚れ込んでいた1人です。しつこいくらいに想いを伝えていた一方で、彼はシャクヤクがレイリーを好いていることも、ロジャーの気持ちを汲んでかレイリーがあえてシャクヤクに会わないようにしていることも知っていました。
どれだけ好きで、自分が助けてやりたい気持ちがあっても、シャクヤクがいちばん求めているのはレイリーにほかなりません。だから、ロジャーはあえて「手が塞がっちまった!!」「シャッキーを頼む!!」と言い訳をしてレイリーを行かせたのでしょう。
本来のロジャーなら、あの場で敵をいなしてシャクヤクのもとへ向かうことも容易だったはず。でも、きっとゴッドバレー参戦を決めた時点で、ロジャーはレイリーとシャクヤクの想いを優先するつもりでいたのだろうと筆者は思っています。
今回、シャクヤクの自分の好きな人と大切な相棒がうまくいくようにと不器用なりのナイスアシストで身をひく姿にシビれた読者も多かったようです。大切な者たちの気持ちを第一に自分の想いに蓋をする彼の度量は、さすが後の海賊王というべきかもしれません。ロジャー、はやく幸せになって……!
阿鼻叫喚のゴッドバレー事件のさなかに、後の海賊王とその右腕にまつわるこんなにもほろ苦く甘酸っぱい青春秘話があったとは驚きですよね。こうなったらレイリーとシャクヤクの現在までの物語、そしてロジャーとルージュの出会いからエース誕生までの物語も、いつかじっくり描いてほしいものです。
ドラゴンが未来へ繋いだシャンクスの命。『ドラゴンボール』オマージュ説も?
ゴッドバレー事件では、赤子だったシャンクスの救出劇も繰り広げられていました。
非道なガーリング聖の手に渡らぬようにと、双子の母である赤髪の女性からシャンクスとシャムロックを託され逃げ続けていたドラゴンですが、ついに神の騎士団の一人に捕まってしまいます。
しかしこのとき、神の騎士団内で伝達がうまくいっていなかったのか、うっかり連れ去り忘れていたのか、攫われてしまったのは双子の片方だけ。この瞬間、シャンクスはロジャーの船の宝箱に隠れて生き延び海賊に、シャムロックは聖地マリージョアに連れ帰られ神の騎士団になるという別々の運命が決まったんですね。
ドラゴンは頭にたんこぶをつくり倒れているシャンクスを連れ、せめてもの贖罪といわんばかりに再び走り出します。「自分も殺人ゲームに加担したのと同じ」だと自身に罪の意識を課すドラゴンの葛藤には、こちらまで心が苦しくなりますね。
ちなみに、シャンクスが“頭にたんこぶをつくり倒れている”と書きましたが、じつはこの描写は『ドラゴンボール』のオマージュではないかと一部の読者の間で話題に。
『ドラゴンボール』の主人公・悟空には、頭を強く打ったことによって性格が穏やかになったという設定があります。
シャンクスも、このとき頭を強打したことで天竜人とは正反対の驕りがなく気さくで陽気な性格の人物に成長したのではないかと推察されはじめているのです。ロジャーの船で育てばどんな人物も“いいヤツ”に育ちそうな気もしますが、本作の作者である尾田栄一郎先生は『ドラゴンボール』が大好き。
『ドラゴンボール』作者・鳥山明先生の逝去に際しては、「子供の頃から憧れすぎていて初めて名前呼んで貰えた日の事も覚えています」「ヒーローを見ているようでした」「血液レベルで鳥山先生が大好き」と、たくさんの愛と敬意がこもった追悼の意を表していました。
もしかすると、そんな鳥山イズムへのリスペクトを込めてオマージュしたのかもしれませんね。
天竜人の姓、全20のうち13が明らかに
そんなドラゴンのシーンで名前が明かされた神の騎士団の一人はサッチェルズ家のマッフィー宮。
これで、前話で名前が登場したバベット家を含め、現在までに明らかとなった「20人の王」の末裔となる天竜人の姓は、20のうち13が確定したことになります。
<現在明かされている天竜人の姓>
・ネロナ家
・ジェイガルシア家
・マーカス家
・トップマン家
・イーザンバロン家
・シェパード家
・フィガーランド家
・リモシフ家
・マンマイヤー家
・サッチェルズ家
・バベット家
・ドンキホーテ家
・ネフェルタリ家
着々と判明し複雑化してきましたが、物語の始祖にも関わってくる名前もあるので覚えておきたいですね。
新事実の判明続々! キャプテン・ジョンはジキジキの実の前任者?
第1161話では、シャクヤクやシャンクスがどのようにして救われたのか、知られざる天竜人の姓、そしてロックスの妻の名がエリスであることなど、さまざまな新情報が発覚しました。
そのなかでも注目を集めているのがロックス海賊団のキャプテン・ジョン。
右腕がユースタス・キッドの義手によく似ているため、彼がジキジキの実の前任者である可能性が高いとして多くの読者が関心を寄せているのです。キッドの“キャプテン”という異名も、キャプテン・ジョンと関係があるのでしょうか。
キャプテン・ジョンといえば、ルフィはスリラーバークで手に入れた彼のトレジャーマークを、インペルダウンでバギーに譲った過去があります。そのトレジャーマークがガラス製であることも、キャプテン・ジョンがジキジキの実の能力者であったことの裏付けになるのではないかと考えられているようです。たしかに、ガラスならば自分の磁気に吸い寄せられてしまうことなくアクセサリーとして機能しますよね。
本当にキャプテン・ジョンがジキジキの実の能力者なら、キッドと戦ったときにビッグ・マムがもっと能力について言及していてもおかしくなさそうですが、真相はいかに。さらっと描かれた情報だけでもいろんな考えを楽しめるのが本作の醍醐味ですね。
いまのところ回想内で大きな活躍はないキャプテン・ジョンですが、彼はスリラーバーク編やバギーの発言然り、作中の随所に登場する重要キャラの一人。もう少し詳細に掘り下げられることを期待したいところです。
[文/まりも]











































