
TVアニメ『暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが』エンディングテーマ「Like Gravity」BONNIE PINKさん×監督・羽原信義さん対談インタビュー|“繋がり”を強く感じる楽曲とアニメの制作秘話
アーティストとアニメ監督のインスピレーション源とは?
──TVアニメ『ステつよ』を通して実現した対談、そして繋がったご縁ということで、アーティストと監督、それぞれの立場からお互いに聞いてみたいことはありますか?
羽原:BONNIE PINKさんは、子どもの頃にアニメはご覧になっていましたか?
BONNIE PINK:はい。3つ上の兄がアニメがすごく好きで、描くのも上手だったんです。私も少女マンガみたいな絵を描くのが好きだったので、今のように配信はありませんでしたが、いろいろな作品を見ていました。
羽原:お好きなアニメはありますか?
BONNIE PINK:そうですね……小さいときはだいたいの女の子が通る魔法使い系がたくさんありましたよね。『魔女っ子メグちゃん』とか。
羽原:オシャレですよね。
BONNIE PINK:そうなんです。音楽もすごくオシャレで。あとは、兄と一緒に『ガンダム』や『マクロス』を見ていましたし、『花の子ルンルン』も見ていました。
羽原:『魔女っ子メグちゃん』と同じアニメーターの方がキャラクターデザインをされていましたね。
BONNIE PINK:そうなんですね! あの辺りはよく見ていましたし、ハウス食品が提供していた日曜夜のアニメ『小公女セーラ』とかをすごく見ていましたね。
羽原:世界名作劇場ですね!
BONNIE PINK:アニメも映画も漫画も好きで見ていましたし、それらから影響を受けて育ってきたので、自分が作曲するときも映像がパッと思い浮かぶような歌詞を書くように心がけています。
そういう意味では、アニメや漫画を見て育ってきた影響が大きいなと思います。歌詞の世界だけでこじんまりと終わるのではなく、聴いた人にその先の景色や空気感のようなものを伝わるようにしたいという気持ちは、いつも意識しているかもしれません。
羽原:だから「Last Kiss」を聴いた瞬間にアメリアが浮かんできたのかもしれませんね。
BONNIE PINK:そうかもしれません。私は感情移入ができるポイントを見つけて1曲に膨らませていますが、アニメの世界はいっぱい詰まっていますよね。それを総合的に見て作るのはとても大変だと思うんですけど、感情移入のポイントはありますか?
羽原:感情移入というか、たとえば、僕の中での良い脚本かそうでないかというポイントは、脚本を読んでいて画が浮かぶかどうかが重要ですね。
みなさん、小説を読んでいるときも自分の頭の中で映像がふわっと浮かんでくると思いますが、そこに入って振り返ったりしながらその世界を見ることができたら“勝ち”という感じです。
BONNIE PINK:なるほど〜!
羽原:でも、体調だったり、いろんな要素があったりして、“没入できる寸前までは来るけれど、あとちょっとが入れない”というときも多くて、そこで苦労することがあります。(世界の)中に入れたら、もうあとは考えるだけなので、重要なのはそこですね。
BONNIE PINK:全然違う頭脳で面白いです。立体、空間を意識されているんですね。
羽原:そうですね。旅行が好きなので、旅行先での体験や空間を蓄積しておいて、組み直しながら世界を作っていく感じに近いです。
BONNIE PINK:私もインスピレーション源はいろいろとありますが、アニメを作る監督さんはどこから何を引っ張ってきてその世界に投影していくのか、旅行で見た景色や経験などが活きてくるんですね。
──ちなみに、BONNIE PINKさんのインスピレーション源とは?
BONNIE PINK:私自身、「これは実話ですか?」とよく聞かれますが、9割空想で書いています。ストーリーは空想ですが、その中の主人公の感情の揺れは自分自身が動かしているというか、自分を投影しているときもあれば、私だったら「こう言いたいな」という風に書いています。
なので、いつも作曲は苦しいんです(笑)。モチーフが見つかれば早いですが、だいたいさっくりと見つからなくて……。最近は、子どもの何てことのない発言がすごく面白く感じたりと、子どもからインスピレーションをもらうことがあります。
どこにきっかけが落ちているのかわからないので、どんなときもいろんなところをキョロキョロしながら、面白いもの探しみたいなことはよくしているかもしれません。
──最後になりますが、BONNIE PINKさんはアーティストとして、2025年に30周年イヤーを迎えました。今後の展望をお聞かせいただけますと幸いです。
BONNIE PINK:9月から30周年がスタートします。節目の年でもあるので、いつもよりはライブの本数を増やしていけたらと思っていますし、『ステつよ』の放送や配信が始まって、視聴者のみなさんにどのように受け止めてもらえるのか怖さもありつつ、楽しみにしています。
みなさんからのフィードバックを受けて、またこの曲を自分なりに温めて、ライブでいっぱい歌っていけたらなと思っています。
あとは、久々の新曲ですが、まだ隠している曲はいっぱいあります(笑)。
一同:お〜!
BONNIE PINK:それを徐々に作って、なるべくたくさんリリースしたいですね。今回のようなタイアップやコラボも好きなので、新たにスタートする気持ちで、今後もいろんな出会いを求めながら音楽を続けていけたらなと思っています。
羽原:これは、新曲が楽しみですね!
【文:福室美綺 インタビュー・編集・撮影:西澤駿太郎】
リリース情報
BONNIE PINK「Like Gravity」(ライク グラビティ)
2025年9月22日DigitalSingle発売中

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作品情報
あらすじ
召喚によってクラスメイト全員にチート能力が付与される中、彼は生来の影の薄さからか平凡な“暗殺者"の能力を得る。だが、ただの“暗殺者”のはずなのにステータス値が、最強の職業“勇者”すら軽々と凌駕していて――!?
そして、召喚の首謀者である国王の言動に疑念を抱いた晶は、自分の存在をひた隠しその陰謀を暴くも、逆にあらぬ罪を着せられ追われる立場に追い込まれてしまう。
国王への復讐を誓った彼は、逃げ込んだ前人未踏の迷宮深層でエルフの少女アメリアと邂逅を果たす――…。
これは“暗殺者”の能力を得た少年が、エルフの少女と出逢い真の”暗殺者”へと至るまでの物語。
キャスト
(C)赤井まつり・オーバーラップ/暗殺者のステータスが勇者よりも強い製作委員会








































