キャスト陣が細田守監督の“勇気と挑戦”を称賛！　『果てしなきスカーレット』ジャパンプレミアに芦田愛菜さん、岡田将生さん、染谷将太さん、宮野真守さん、吉田鋼太郎さん、斉藤由貴さん、松重豊さんが登壇

2025年11月21日、細田守監督のアニメーション映画最新作『果てしなきスカーレット』がついに劇場公開！　“生きる”をテーマに、復讐に囚われた王女・スカーレットの物語が描かれます。

公開を控える中、11月5日に東京国立博物館でジャパンプレミアが開催。細田守監督をはじめ、芦田愛菜さん（スカーレット役）、岡田将生さん（聖役）、染谷将太さん（ギルデンスターン役）、宮野真守さん（墓掘り人役）、吉田鋼太郎さん（ヴォルティマンド役）、斉藤由貴さん（ガートルード役）、松重豊さん（コーネリウス役）が登壇し、作品の魅力を語り尽くしました。

果てしなきスカーレット

死んで、生きて、愛を知った。父の敵への復讐に失敗した王女・スカーレットは、≪死者の国≫で目を覚ます。ここは、人々が略奪と暴力に明け暮れ、力のない者や傷ついた者は＜虚無＞となり、その存在が消えてしまうという狂気の世界。敵である、父を殺して王位を奪った叔父・クローディアスもまたこの世界に居ることを知り、スカーレットは改めて復讐を強く胸に誓う。そんな中彼女は、現代の日本からやってきた看護師・聖と出会う。時を超えて出会った二人は、最初は衝突しながらも、≪死者の国≫を共に旅することに。戦うことでしか生きられないスカーレットと、戦うことを望まない聖。傷ついた自分の身体を治療し、敵・味方に関わらず優しく接する聖の温かい人柄に触れ、凍り付いていたスカーレットの心は、徐々に溶かされていく――。一方でクローディアスは、≪死者の国≫で誰もが夢見る“見果てぬ場所”を見つけ出し、我がものにしようと民衆を扇動し、支配していた。またスカーレットが復讐を果たすために自身を探していると聞きつけ、彼女を＜虚無＞とするために容赦なく刺客を差し向ける。スカーレットと聖もまた、次々と現れる刺客と闘いながら、クローディアスを見つけ出すために、“見果てぬ場所”を...

僕らが作ってきた中でも一番スケールの大きい作品

『時をかける少女』にも登場した東京国立博物館で開催されたジャパンプレミア。主演のふたりが初声優にかける想い、そして集まったファンに感謝を伝える中、脇を固めるキャスト陣も作品の魅力を熱弁していきます。

吉田さんは作品のテーマである「人が人を許すこと、人が人を殺してはいけないこと、復讐をしてはいけないこと、復讐の連鎖は許されないこと」に触れると、現実世界でいまだ解決していない問題に真っ向から切り込む細田監督の勇気を称賛。「これを世界に発信する勇気に、心からエールを贈りたいなと思っております。本当に素晴らしい映画ですので、みなさんぜひご期待ください」と熱く語りました。

吉田さんの言葉に賛同した中島さんは「突き抜ける、立ち向かう、真っ直ぐさ、みたいな強さが美しく表出されていると感じて。とにかく大きな映像で、大きな画面で、拡張していく世界をぜひ体験していただきたい」と呼びかけ、松重さんも「上映を観たときは舞台を観たときのような感動と腰が抜けるほどの思いをしまして」と、思い思いの感想が飛び出しました。

キャスト陣が太鼓判を押す本作はすでに「第82回ヴェネチア国際映画祭」をはじめ、様々な映画賞に選出され、国内外で多くの注目を集めています。細田監督は「ヴェネチア国際映画祭」の招待について「映画祭の中でも『ヴェネチア国際映画祭』は特に芸術性の高い映画を集めていると聞いたので、その中で僕らの『果てしなきスカーレット』が招待されて本当に嬉しかったです」とコメントしました。

改めて本作の制作にかける想いを問われると、「今回は僕らが作ってきた中でも一番スケールの大きい作品ですし、内容的にも挑戦することが多かったです」と“挑戦尽くし”の作品であるとアピール。スカーレットを主軸とした作品の根本については「僕の9歳の娘がこれから世界でどうやって生きていくのだろうか。今は頼りないですけど、これからだんだん力強く生きて未来を目指してほしい、という想いが根本にあって」という本作の誕生秘話も明かされました。

そんな細田監督作品に4度目の出演となり、自身も細田監督作品のファンだという染谷さん。「この作品はすべての人々が当事者であり、関係者なんじゃないかって。この作品に関係のない人は世界中にいないだろうなというのが自分の感想です」と語ると、「この作品の地続きがこの時代の未来なんだろうなと心から感じました」と作品に込められたメッセージ性の強さを紹介しました。

声優として様々なアニメーションに携わる宮野さんも「色々な映像を見てきたんですけど、その中でもまだまだ見たことのない表現があるのだと本当に驚かされました」と映像面のクオリティに驚きを隠せない様子。細田監督作品に共通する家族愛が本作でも描かれていることに触れると、「観ていただく方の心に訴えかけるような普遍的なものをテーマに描いているからこそ、失くしてはいけない想いみたいなものを感じ取ってもらえるんじゃないかなと」と言いました。

作品の魅力がキャストから紹介されたところで、演技について主演のふたりから。声優初挑戦となる岡田さんは「わからないことだらけでしたが、監督が1から教えていただいて。監督とともに聖という役を作り上げたと思っております」としみじみ。また各取材を通して、制作陣の想いの強さを感じ取ったそうで、「『果てしなきスカーレット』を作り上げている方々の代表としてここに立っているということを考えると緊張してしまうんですけど、（観客の）みなさまに作品の素晴らしさをわかっていただけるようにこれからも頑張っていきます」と意気込みもあらわにしました。

19歳のスカーレットを演じるうえで芦田さんは、まず現代の19歳と中世を生きる19歳の王女では持っている覚悟に違いがあることを監督と話し合ったのだとか。そこから「体当たりじゃないと出来ないだろうなというシーンもたくさんあったんですけど、声を吹き込むというよりは魂を吹き込むような気持ちで向き合わせていただきました」と演技にかけた気持ちの強さを熱弁しました。

ふたりの熱量に嬉しそうな監督は「みなさんと一緒に映画を作れて本当に光栄だなと思います。キャストだけでなく、スタッフも優秀な人ばかりで、一緒に作り上げていて非常に誇らしいというような気持ちでいっぱいです」と感謝を伝えました。

最後に、本作のテーマである「生きる意味」について問われた芦田さんは、「スカーレットは自分で自分を傷つけて、こうあらなければいけない、生きる意味を持たないといけない、と縛られて生きている女の子です。そんなスカーレットが死者の国での旅、聖との出会いを通じて、自分の人生を愛せたり、自分自身を愛せるようになっていくのかもしれない。そうして人生の愛を見つけたとき、自分の人生を使ってどう生きていきたいのかを見出だせるんじゃないかなって感じました」と言及。そして「この作品を観てくださったみなさん、それぞれの解釈があると思うんですけど、ぜひ映画館の中で生きることだったり、愛することだったり、スカーレットの生きる世界に思いを馳せながら一緒に考えていただけたら嬉しいです」とメッセージを残してトークを締めくくりました。

『果てしなきスカーレット』作品情報

2025年11月21日（金）公開！

イントロダクション

青春、家族の絆、親子愛、種族を超えた友情、命の連鎖、現実と仮想の世界…。
様々な作品テーマで日本のみならず世界中の観客を魅了し続ける、アニメーション映画監督・細田守。
最新作『果てしなきスカーレット』では、ストーリー・映像表現共にこれまでにない全く新しい境地へ。
本作の主人公は、国王である父を殺したへの復讐に心を誓う王女・スカーレット。
≪死者の国≫で目覚め、それでも復讐の戦いに身をゆだねながら旅を続け、現代からやってきた看護師の青年・と時を超えた出会いを果たし、彼への信頼と愛情に、心動かされ変化してゆく感動の物語。
この物語は、「生きるとは何か？」という本質的な問いを観るものすべてに突き付ける。
また本作では、これまで描いてきた作風を一新し、全く新しいアニメーション表現に挑戦。狂気に満ち溢れた世界が、2Dでも3Dでもない圧倒的な映像によって、壮大かつ鮮明に描かれる。
そして本作は、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントも製作に参加し、全世界での配給が決定。
日本から世界へ、『果てしなきスカーレット』は放たれてゆく。

『時をかける少女』から19年。細田守監督が描き続けてきた壮大なテーマ性と内面世界。
根底に流れる精神は今も変わらず、観るものすべての心を掴み、大きく揺さぶる―。