
「自分の頭の中にいた人たちにようやく会えた、という感覚に近いかもしれない」── TVアニメ『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』原作者・今村翔吾先生×鳥越新之助役・梅田修一朗さんインタビュー
群像劇としての『火喰鳥』
──第4話には藤五郎が登場します。なんだか引っかかる独特の余韻を残しますよね。
今村:藤五郎の声(CV.三木 眞一郎)はまだ聴けていないんだけども、めちゃくちゃ印象に残る声になってるとは噂に聞いています。「すごく良い」と。
©今村翔吾/祥伝社/ぼろ鳶組一同
梅田:はい、素敵ですよ。『火喰鳥』のキャストの方々はぼろ鳶組以外のメインメンバー以外の方々も本当に素敵で。辻 親八さんが演じる金五郎さんも大好きです。
今村:いいよね、金五郎さん。ベテランから、いわゆる若手まで、本当にいろんな方に出演していただいているんですよね。こういう感じで揃ってるのは、なかなかないですよね。
──その中でも、深雪役を三吉彩花さんが演じられているのが印象的です。
今村:アニメは初めてって言ってたもんね。本人はめちゃくちゃ緊張していたそうで、練習もかなりしてたみたい。
梅田:そうですね。アフレコを通じて徐々にお話するようになって。そのときに「実は毎回お腹が痛かったです」というお話をされていて「えっそうだったんですか」と。
©今村翔吾/祥伝社/ぼろ鳶組一同
今村:そんなことを感じさせないくらい、すごく良かったよね。その一方、取材でスチール撮ってる時とかはモデルの本領発揮してて、ポージングのレベルがすごすぎて少し笑ってしまいました。アイテム使いがすごくて、「ああ、モデルでありながら役者なんだな」と。
梅田:三吉さんのことは、もちろんスターモデルとして存じ上げてはいたんですけど、今回ご一緒するにあたっては、あえて詳しい経歴などは調べないようにしていたんです。現場では、同じ立場で、同じ作品に向き合っていたかったので。でも、すべてのアフレコが終わったあとに渋谷を歩いていたら、スクランブルスクエアの大画面に三吉さんの映像がドーンと映っていて。「あ、そうだったんだ」って、改めて実感しました(笑)。
今村:すごいよね(笑)。今回、他業界からも参加してもらっていて、それもぼろ鳶組っぽいなと。
梅田:現段階だとまだ言えないところもありますけどね。
──『火喰鳥』は登場人物がかなり多いですよね。
今村:そうそう、『火喰鳥』は登場人物がめちゃくちゃ多い。今原作が13冊あるけど、今60人ぐらいいて、たぶん時代小説の中でも、かなりキャラクター数が多いんじゃないかなと思うくらいで。『火喰鳥』って、基本的には群像劇なんですよね。もう「ようこんだけ処理したな」って思いました。アニメで言うと、会議のシーンとか、みんなで話している場面がぱっと分かるじゃないですか。でも小説で4人、5人が会話するのを表現するのがめちゃくちゃ難しいんですよ。本当に難しい。
それがアニメになった時に、こんなにさらっと表現できてしまうんや、って思って。めちゃくちゃ苦労するところなんですけど、でも自分が思い描いてた「こういうことをやりたかった」っていうのを、ちゃんと形にしてもらえてるなって感じました。集団感を一目で見られるっていうのは、アニメのすごくいいところやと思います。
火の表現ひとつ取っても、小説では読む人それぞれが思い描くイメージが異なるけれど、アニメーションではその幅をある程度補完してあげることができる。だから「見る」「聞く」って、やっぱり強いなって思いました。源吾が寅次郎を探してるときに、新之助が飯を食ってる場面も好きなんですよ。言葉はないんやけど、それもまたよくて。
梅田:あっ、このタイミングで申し訳ないんですけども、聞きたいこと、もうひとつありました! 新之助のあの髪型はもともと決まってたんですか?
今村:いや、新之助の髪型は総髪と呼ばれるものになっているんだけども、小説には具体的には書いていたわけではなくて、曖昧になってたところで。総髪というのは実は(時代的には)レアで、ないわけではない。でも、アニメとして描くなら総髪のほうが今の読者さんや視聴者との親和性も高くなるだろうと思って、「剃らなくていいです」とお伝えしました。あの髪型は、新之助っぽくて可愛いですよね。
星十郎はもともと総髪で考えてたかな。ちょっと話がそれてしまうけれど……時代劇って「ちょんまげ」とか言う割に、昭和初期の作品でも、実はみんな取ってないことが多くて。そこをやいやい言い出したのが、実は平成なんですよね。昭和の時代劇はもっと自由だった。その後、堅苦しくなってしまったから、僕は昭和の古き良き活劇を、令和のアニメで復活させてくれたら嬉しいなって思ってます。
──最後に、今後の見どころをお願いします。
今村:とにかく新之助ですね。新之助の変化が、ここからさらに加速していきます。それから、アニメとしては終盤に、日本最大級の災害に、ぼろ鳶組が挑んでいくことになります。災害……日本最大の人災とも言えるかもしれません。そのクライマックスに向けて、ぜひ楽しんでほしいです。
梅田:新之助のいろいろな一面を、ぜひ楽しんでいただきたいです。史実に基づいた物語でありながら、それぞれのキャラクターに背景があり、立ち向かう相手についても、物語の中で丁寧に描かれていきます。その中で、ぼろ鳶組がどう向き合っていくのか、ぜひ楽しみにしてもらえたら嬉しいです。
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[取材・文/逆井マリ 編集・撮影/鳥谷部宏平]
『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』作品情報
あらすじ
かつて「火喰鳥」と呼ばれた江戸随一の火消侍・松永源吾。
訳あって火消を辞めていたが、突然新庄藩から仕官の誘いが来る。
新庄藩の火消組は、金も無く、人材もおらず、周囲からさげすまれていた。
妻・深雪の後押しもあり、源吾は頭取として崩壊した火消組を再建することに。
一癖も二癖もある仲間を集め、<ぼろ鳶>と揶揄されながらも「どんな命も救うのだ」と奮闘する源吾達だったが、
江戸では「狐火」という謎の連続不審火が続いていた。
迫りくる災いに、諦めの悪い火消達が奔走する、エンタメ活劇が開幕!
キャスト
(C)今村翔吾/祥伝社/ぼろ鳶組一同















































