この記事をかいた人

- 藤崎萌恵
- 大阪府在住のライター。数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。

砂糖の不法所持で捕まったカートとマックスは、惑星間走行列車の3・4両目の清掃を担当することに。作業開始の指示と同時にトイレへ向かって髪型を整えた後、ようやく列車に乗り込んだタイミングで列車が誤発進しました。
2人は列車の暴走に動じる様子はなく、驚異にならないと判断してセキュリティロボット「排除くん」も放置。のんびりゲーム機で遊んでいたところへ、騒がしく他のメンバーがやって来ます。
基本的に脱力系のカートとマックスですが、オンオフの切り替えで瞬間的に仕事モードに突入。2人の魅力はさらっと表面化する有能さと経験値。お互いへの信頼度も高く、しっかりバディ感を見せてくれるところにもあります。
列車の暴走が誤作動ではないことや黒幕についても早くから見抜いていたカートとマックスですが、彼らは果たしてどのくらい優秀なのか。
マキナの依頼で排除くんを止める仕事を引き受けてから数秒で分析、打ち合わせ、準備を完了。カートが華麗に敵と対戦する間に、マックスが短時間でハッキングし、確実に任務を成功させています。
とはいえ、取り調べのときにはちょっとしたハプニングが。リョーコから取り調べを受けていたカートとマックスは、余計なことを喋らなければすぐ出られるという弁護士の指示で黙秘。
途中でリョーコから吸入キャラメルをもらい素直に補給しますが、なんとキャラメルには捜査部が作った嘘のつけなくなるデバイスが仕組まれていました。リョーコの仕掛けた罠にいとも簡単に嵌ってしまった2人ですが、マックスがハッキングして取り調べを強制終了し、無事に切り抜けています。
カートとマックスは人に対して無関心を貫いているせいか、名前を微妙に間違えることも。一方で2人の関係性はというと、仕事の相棒であると同時に、気の知れた間柄らしき雰囲気を漂わせ、あるいはお互いの居場所のようでもあります。
カートとマックスのやりとりといえば、一緒にゲームをしているシーン、さらにはトイレのお喋りシーンも見どころ。鏡の前で身だしなみを整えながらお喋りするというリアリティを持つ光景で、2人の関係性や距離感が見て取れます。絶妙な間や声色も相まって、2人の会話や素の仕草が我々視聴者を釘付けに。
2人は髪のセットを重要視しているようで、カートは特に前髪やサイドを念入りに微調整し、マックスは全体的な形と毛先の動きにこだわりを見せています。
本人の前ではできないマキナの機体や感情再現プログラムの噂をしていたり、カナタがカートとマックスに悩みを相談したりと、男子3人の会話もまた興味深いもの。
カートとマックスはマキナのシステムの仕様について推察し、マキナの身体のフレームはタイタンの古いモデルだが、中身は一般では手に入らないレベルの高性能な機体で、搭載している感情再現プログラムも見たことのないものだと語っていました。
マキナの内部仕様に興味を持ったカートとマックスですが、こういったことはデリケートな領域であると認識している様子も。カナタが直接本人に聞くよう提案したところ、2人からドン引きされて変態扱いされています。
オータムちゃんや警察上層部の“社会不適合者”に対する扱いから、この世界の残酷さが徐々に浮かびあがる本作。カートとマックスは誰にも感謝されず機械扱いされてきたことで、他人に対して無関心になったと明かしており、この発言から差別意識の強い社会であろうことも見えてきます。
排除くんの攻撃でチハルたちが硬直してしまい、マキナがカートとマックスに助けを求めると、2人はお金を要求。親切でやっているわけではないとして、妥当な金額さえ受け取れば仕事をするし、払わなければ何もしないというスタンスを貫いていました。
あくまで“仕事”として請け負ったカートとマックス。けれど、2人に助けられたチハルは、素直に「ありがとう」と伝えます。
感謝どころか逆に心ない言葉を浴びせられ、心を閉ざす暗闇のなかで、誰かのたった一言がどれだけ光を与えてくれるか。カートとマックスが報われていく過程も組み込まれたこのストーリーの中には、現実社会にも通ずるものがあります。
ドライな一面があるカートとマックスですが、きっと根っこは優しくて誠実。他人に興味がないように振る舞いながらも、色んなことを考えているんですよね。2人の固まった心は解け始め、最後には6人全員が連携し、オータム率いる警察ロボ軍団に立ち向かいます。
この列車には「ありがとう」の言葉が自然に出る人たちがいて、列車の外には彼らを助けようと世の不条理に抗いながら奮闘する人がいて、世の中捨てたもんじゃないと思わせてくれる。カートとマックスのこれからが、そんな人たちと出会える人生だったらいいなと願っています。
ショートアニメ『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』の最終回が放送されたあとも、本編では語られなかったキャラクター情報や設定が公開され、これがまた深い沼へと引きずり込まれる要因のひとつに。気になるカートとマックスの過去についても明かされています。
カートは治安の悪い地元で妹を守っていかなくてはいけない責任感と、保守的な考えをもつ父親の古い男性像の押し付けから、自らの体力の低さにコンプレックスを持っていました。自己肯定感を上げるため、軍に入隊して機械化することを決めます。
マックスは自らの容姿に絶大な自信を持つナルシストな反面、老いることに対する強い恐怖と嫌悪を抱いていました。「サイボーグ化すれば老けることはない」というリクルーターの言葉を鵜呑みにして軍に入隊し、機械化してしまったという経緯があります。
2026年1月23日に発売された漫画『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』1巻でも、カートとマックスの過去が描かれています。
2人はそれぞれ陸軍と宇宙軍に配属。サイボーグ化して軍人になってから現在の職に就くまで、機械扱いされてきた彼らの苦痛は耐え難いものでした。チハルの純粋な「ありがとう」の言葉が、カートとマックスにとっていかに心に響いたか説得力が増します。2人のサイボーグ化する前の姿も必見です!
『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 1』
漫画:河野 丼
原作・監修:亀山陽平
カートを演じているのは声優の内山昂輝(うちやまこうき)さん。1990年8月16日生まれ、埼玉県出身。『機動戦士ガンダムUC』のバナージ・リンクス役をはじめ、『ハイキュー!!』の月島蛍役など、人気作品のキャラクターを多く演じています。
マックスを演じているのは、声優の山谷祥生(やまやよしたか)さん。2月15日生まれ、宮城県出身。『一週間フレンズ。』の長谷祐樹役をはじめ、『呪術廻戦』の吉野順平役など、人気作品のキャラクターを演じています。
| 作品名 | 銀河特急 ミルキー☆サブウェイ |
|---|---|
| 放送形態 | TVアニメ |
| スケジュール | 2025年7月3日(木)〜2025年9月18日(木) TOKYO MX・公式YouTubeにて |
| 話数 | 全12話 |
| キャスト | チハル:寺澤百花 マキナ:永瀬アンナ リョーコ:小松未可子 アカネ:金元寿子 カナタ:小市眞琴 カート:内山昂輝 マックス:山谷祥生 |
| スタッフ | 監督・脚本・キャラクターデザイン・制作:亀山陽平 |
| 主題歌 | 「銀河系まで飛んで行け!」キャンディーズ |
| 公開開始年&季節 | 2025夏アニメ |
