
SUPER★DRAGONがTVアニメ『貴族転生』OPテーマ「Break off」に込めた音楽的進化と次なるフェーズへの決意に迫る! 古川毅さん&飯島颯さんインタビュー
アニメ主題歌がつなぐ新たな出会いと世代の循環
──せっかくなのでアニメにまつわるお話もお聞かせください。お二人は普段アニメをご覧になりますか?
古川:観ます。特別詳しいわけではないのですが、やっぱりジャンプ作品は小さい頃から影響を受けていて、自分の中でバイブルになっているのは『NARUTO -ナルト-』です。連載当時に毎週読んでいた時よりも今の方が解像度が高いくらい好きですね。『ONE PIECE』も追っていますし、『僕のヒーローアカデミア』も最終回の放送に合わせて全部観ました。ジャンプ作品以外だと、去年Netflixで観た『LAZARUS ラザロ』は音楽がすごく好きですね。
──『LAZARUS ラザロ』は渡辺信一郎監督の音楽趣味が全開に出ていましたよね。現代ジャズの人気サックス奏者であるカマシ・ワシントンがオープニングテーマを担当していて。
古川:そう! 他にもフローティング・ポインツやボノボが関わっていて、音楽がすごくかっこ良かったのでサントラもよく聴いていました。今は『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』が気になっていて、観に行きたいなと思っています。オープニング主題歌がSZAの「Snooze」という楽曲で、YouTubeに上がっている先行映像がすごくかっこよかったんですよね。『逆襲のシャア』も昔観たことがあるので、文脈も何となくわかると思いますし。
飯島:僕は昔はあまりアニメを観るタイプではなかったんですが、サッカーが大好きなので、『イナズマイレブン』などサッカー系のアニメは昔からずっと観ていて。最近は色んなアニメを一気見するようになりました。その中でもサッカーに限らずスポ根は『ハイキュー!』『黒子のバスケ』『SLAM DUNK』とかを「アツい!」と思いながら観ています(笑)。僕はアニメを観てしっかり泣きたい人なんですけど、感動系の話よりも、感情が高ぶる熱い瞬間の方がグッとくるんですよね。『ヒロアカ』も泣きました。
古川:俺も最後の方はずっと号泣してた(笑)。
──SUPER★DRAGONはこれまでにも「Pendulum Beat!」(『遊☆戯☆王ARC-V(アークファイブ)』OPテーマ)や「ワチャ-ガチャ!」(『トミカハイパーレスキュー ドライブヘッド 機動救急警察』OPテーマ)、「リトル・ラヴァーズ」(『殿と犬』テーマソング)でアニメ主題歌を担当してきました。それらのタイアップはどんな経験になっていますか?
古川:スパドラは10年活動してきましたけど、本当の意味で自分たちのスタイルができたのはここ1~2年くらいだと思うんです。スクラップ&ビルドを繰り返してきたなかで、ご縁があって関わってきた作品は自分たちの成長のひとつの証として、いい意味で思い出深いです。
飯島:作品をきっかけにスパドラを知ってくださる方もたくさんいます。『ドライブヘッド』は小さい子どももたくさん観てくれていて、僕らのライブの演出家のお子さんも「ワチャ-ガチャ!」が大好きらしいんです。小さい子どもが好きになってくれる楽曲もあるのは、僕らの強みのひとつだと思いますし、それはタイアップあってこその出会いだと思うんです。今回の「Break off」も『貴族転生』をきっかけに知ってくれる方が多いと思うので、出会いのひとつひとつを大事にしていきたいと思います。
──『遊☆戯☆王』シリーズも歴史の長い作品なので、影響は大きかったのではないでしょうか。
飯島:そうですね。当時は海外の方からの反響も多かったです。
古川:「Pendulum Beat!」は10年近く前の楽曲ですが、当時観てくれていた子どもが成長して、また僕らのことを知ってくれることもあります。個人的に、スパドラはアニメやゲームのタイアップが一番想像がつくというか、連動性が高いだろうなと思っていて。自分たちの音楽性も貫きながらアニメのタイアップをやっていきたいとずっと考えていたので、今回のお話はすごく嬉しい出来事でした。
──近年はアニメ主題歌の多様化が進んでいて、色んなアーティストがアニメタイアップ曲を歌っています。その中で今回はどんな挑戦ができましたか?
古川:自分たちが制作に関わる楽曲でアニメのタイアップは今回が初めてなので、ここをスタート地点として、今後は最初から自分たちが関わる形で楽曲を制作できればいいなと思っています。世の中的にもいい流れだなと感じていて。普段音楽にそこまでフォーカスしていない方々に対しても、タイアップを通して新鮮なことを提案できると思うんですよね。
──先ほど話題にあがったように、USのR&Bシーンのトップを走るSZAの楽曲がアニメ主題歌になる時代ですからね。
古川:あれは本当に最高だなって思いました。日本人の洋楽離れが進んでいるなかですごくいいことですよね。『ガンダム』シリーズは国民的な作品ですし、しかも選曲がめちゃめちゃ渋い(笑)。SZA自体、曲調がかなりミニマルなタイプですが、切ない物語にしっかりとコミットしている。僕らもそういうアプローチのタイアップができればいいなと思いました。それをしっかりやれるボーイズグループはあまりいないと思うので、今後も機会があれば、驚きや新鮮さ、そして作品のファンの方の期待に応えられるものを提供できればと思います。
飯島:僕自身もアニメを最近観るようになってから、主題歌をきっかけにアーティストを好きになることが多くて。去年、自分がよく聴いていた楽曲のランキング上位を見たら、大体が何かしらの作品のタイアップ曲だったので、自分でもアニメの影響を受けすぎだと思ったんですけど(笑)。
──それは例えば?
飯島:『ラーメン赤猫』というアニメを癒しを求めて観ていたんですけど、そのエンディングテーマの離婚伝説「本日のおすすめ」にハマって他の楽曲も聴くようになったんです。そうやって新しい音楽との出会いのきっかけに繋がることを自分でも体感したので、スパドラもそうやって輪を広げていけたら素敵だなと思います。
11年目へ――驕らず磨き続けるクオリティ
──ここからはシングルのカップリング曲についてもお聞かせください。「Fingerprints」はジャパニーズR&Bシーンを代表するクリエイターのひとり、Nao'ymtさんが作詞・作曲・編曲したナンバーです。
古川:僕も颯も青春時代に三浦大知さんが好きで、Nao'ymtさんが作ったと自覚する前からずっと聴いていたんですよ。その後、僕が18歳の頃にNao'ymtさんが全曲プロデュースした三浦大知さんのアルバム『球体』に衝撃を受けて、存在をしっかりと認識しました。それが個人的にオルタナティブR&Bの世界に足を踏み入れていくきっかけでもあったので、特別な方なんです。今回、ベストなタイミングでご一緒することができました。
飯島:僕も、そもそもNaoさんと一緒にやるという話を聞いた時からめちゃめちゃびっくりしてすごく楽しみでした。R&B系の曲はよく踊っていて、表現の幅を広げてくれるので好きなジャンルなんです。この曲自体もパフォーマンスがすごく楽しみになるなと、聴きながらイメージを膨らませていました。
──Nao'ymtさんとは実際にどのようなやり取りがあったのでしょうか。
古川:今回、作編曲のクレジットには入っていないのですが、僕も制作に携わっています。きっかけとしては、メンバーの(池田)彪馬の中にライブで見せたいパフォーマンスのイメージがあって、それをR&Bの楽曲でやりたいという提案があったんです。それに対して僕がサウンド面でのイメージを伝えるサポートができるだろうなと思い、Naoさんとやり取りさせてもらって、MIX作業も一緒に時間をかけてやらせてもらいました。ジャパニーズR&B界の雄といっても過言ではない方ですが、自分が生意気にも出させていただいた意見やアイデアに対して、ポジティブに楽しんで反映していただいたのですごくありがたかったです。
──楽曲としてはアンビエントな浮遊感のある、オルタナティブR&Bの系譜です。
古川:そうですね。メロディーやトップラインに関しては、オルタナティブというよりもっとオーセンティックなY2KのR&B、それこそインシンクみたいなR&B系のボーイズグループが当時やっていたような、ちょっとセクシーなR&Bというベースがあります。ただ、そういう楽曲を歌って踊るグループは日本にも歴史上たくさんいるので、新鮮さが欲しいなと思ったんです。そのままスマートにやるのではなく、音として違和感のある要素を入れたかった。なので自分が今ハマっている海外のアーティスト、Dijon(ディジョン)やMk.gee(マギー)がやっているような、歪ませた音色や違和感のあるフォルマントを取り入れた音作りをオーダーさせてもらいました。
──ディジョンが昨年リリースしたアルバム『Baby』は、海外のメディアでも軒並み高評価されていましたし、最新の動向を踏まえた音作りを志向したわけですね。
古川:そこは2026年にリリースするものとして提案できたらと思っていたので。
──歌詞の内容は切なくなるラブソングですよね。
古川:歌詞の世界観やテーマは彪馬が提案してくれたもので、それを元にNaoさんが歌詞の大枠を書いてくださって、ラップ部分は和哉が書いてくれました。すごく良いバランスの曲になったと思います。
──もう1曲の「やっばい」もメンバープロデュースで制作された、エッジーかつどこかユーモラスな雰囲気もあるラップナンバー。
古川:この楽曲に関しては僕がよりメインで携わった曲になります。作詞・作曲・編曲のクレジットに入っているShinji Miyauchiは僕の兄貴分にあたるクリエイターで、彼のプロデュースで制作しました。きっかけとしては「Fingerprints」と近くて、ライブでゴリッとかませる曲が欲しいなというビジョンが自分の中にあったんです。それを足がかりにShinjiくんと相談しながら制作していきました。リファレンスにした時代感も近くて、2000年代初頭のファレルやティンバランド、ジャスティン・ティンバーレイクのイメージがありました。
──まさにその時代のヒップホップ/R&Bのヴァイブスを感じました。リリックの「熟れたい"Justin"のように」というフレーズでも匂わせていますよね。
古川:気付いてくれてありがとうございます(笑)。この「"Justin"」はダブルミーニングになっていて、サウンド的にジャスティン・ティンバーレイクと捉えてもらってもいいし、ジャスティン・ビーバーにもかけているんです。ジャスティン・ビーバーは去年にリリースしたアルバム(『Swag』『Swag II』)がすごく良くて、まさに今、アーティストとして熟れきっているじゃないですか。そういう今に繋がるメッセージも入れつつ、当時のサウンドの要素をいろいろと織り交ぜています。僕も2ヴァース目でラップしているんですけど、それはDragon Ash「Deep Impact」の時のラッパ我リヤみたいなイメージでやっていて。
──なるほど! それは気付きませんでした。
古川:そういったいろんなリファレンスをぐちゃっと混ぜた曲ですね。トップラインに関してはジャンと和哉と僕とShinjiくんの4人でセッションしながら作りました。みんなで何時間もフリースタイルしたなかからピックアップしたものをハメていって、そこから各々で歌詞をレコーディング当日までに仕上げるスタイルでした。
──かなり当たりの強いフレーズが満載ですよね。
古川:怒りが原動力になっていたので。「絶対にこのままリリースしてやる!」と思いながら作っていました(笑)。ただ表面的に「かっこいいこと」をやるのは今はもう誰でもできる時代だと思うんですが、「かっこいいこと」をやるのは責任が伴うことだと思うんです。
──責任、ですか。
古川:僕らも自分たちで構築するようになるまでにいろんなフェーズを踏んで、戦いを繰り広げたうえで今があるんです。それは仕事場以外の場所、生活のなかでシンプルに音楽を愛する気持ちやカルチャーに対するリスペクトという土台があるうえで歌えることがある。僕たちのようなグループがヒップホップやロックをやるというのは、そのカルチャーを借りてくることになると思うんです。僕らのアイドルという立ち位置は、ある種、コスプレを唯一許されているポジションだと思っていて。でも、そのコスプレをするにも、ちゃんとカルチャーに対するリスペクトを持つことが大事だと思うんです。
──なるほど。
古川:ただそれっぽくやって消費すると、カルチャー側の人たちからディスられてもしょうがない。僕ら側からしても、ラッパーの人たちがキレているのを見て「そりゃそうだよね」と思うことが多いので、みんな恥ずかしいことをしないで欲しいし、意識を持ってほしい。そういうことをユーモアを持ってポップに伝えたいなと思ってできたのがこの曲ですね。僕らも結果としては音楽が仕事になっていますけど、やりたくてやっていることなんです。だからこそ責任をもってやっていますし、そういうアティテュードを全部詰め込みました。
──攻めた楽曲で最高でした。そんなシングルが第一弾リリースとなる2026年、ツアーもチケット完売ということで、どんな年にしたいと思っていますか?
飯島:昨年に10周年を迎えたなかで、今回の「Break off」もそうですけど、やれること・やりたいことはまだまだたくさんあるので、ここからも11年目に向かって、より羽ばたいて進化できる1年にできればと思います。僕個人としてはパフォーマンスをさらにストイックに磨き上げて、作品作りにももっと携わることで自分自身を向上していければと思います。
古川:正直、裏でやることはあまり変わらないと思っていて。とにかく、楽曲の制作なりパフォーマンスを見せていくうえで、驕ることなく、クオリティをさらに磨いて、よりたくさんの人たちに僕らの音楽を届けていければと思います。
[文・北野創]
楽曲情報
【発売日】2026年3月4日(水)
【価格】
初回限定盤:7,700円(税込)
通常盤A:1,650円(税込)
通常盤B:1,650円(税込)
【収録内容】
≪CD≫※共通
M1. Break off
M2. Fingerprints
M3. やっばい
≪Blu-ray≫※初回限定盤のみ
『SUPER★DRAGON LIVE TOUR 2025「SUPER X」』
2025年9月27日 パシフィコ横浜 国立大ホール公演 ディレクターズカット版
01. CHAPTER1 - X DAY
02. Dark Heroes
03. CHAPTER4 - SUPER X
04. Overture
05. Welcome to my hell
06. Legend
07. Dreamland
08. NPC
09. Popstar
10. CHAPTER2 - X point
11. Hallucination of Love
12. DANCE INTER
13. Good Times & Tan Lines (FIRE DRAGON from SUPER★DRAGON)
14. Athena (THUNDER DRAGON from SUPER★DRAGON)
15. My Playlist
16. Pioneer (Keep It Real)
17. Downforce
18. CHAPTER3 - you X me
19. DOG
20. Mada' Mada'
21. Tap tap tap!
22. Omaejanai
23. New Rise (Rock Arrange Ver.)
-ENCORE-
01. Sweets
02. Reach the sky
03. 笑い話
04. Untouchable MAX
-W ENCORE-
01. Younger Forevermore
作品情報
あらすじ
転生によって貴族に生まれ変わり、優れた教育と豊富な資源に支えられた環境で自分の才能を開花させていく。だが、華やかな貴族社会の裏側には陰謀や権力争いが渦巻いていた。
シリーズ累計150万部突破の大人気作品!
規格外のチートスキルとあふれる知性を持つ最強貴族ノアが部下を従え異世界を駆ける、無双王子の異世界統治ファンタジー!!
キャスト
(C)三木なずな・SBクリエイティブ/貴族転生製作委員会































