
「死滅回游」を破壊する!? 再起した髙羽と共に歩む覚悟――TVアニメ『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」連載インタビュー第14回:髙羽史彦役・鶴岡 聡さん
ケンさんの一言で再起する髙羽
ーーパワフルな髙羽とは対照的に、物語はどんどん殺伐としていきます。『呪術廻戦』という作品についての印象はいかがですか?
鶴岡:もちろんタイトルは存じていましたが、作品に触れてはいなかったんです。なので、第3期が始まる直前のタイミングで公開された第3期PVなどを見て、「これは相当重い話なんだろうな」と感じました。そういう意味では、この重苦しい空気を「破壊」できるかどうか。そこが自分の役割だと思いました。
髙羽の楽屋シーンは割とシリアスでしたけど、彼は折れかかった魂を強く復活させて「死滅回游」へと身を委ねるわけですから。視聴者の皆さんが「なんだこれ!?」と思うくらいの破壊感のあるほうが面白いと思っています。
ーーあの折れかけた髙羽のシーンも印象的でしたね。
鶴岡:楽屋のシーンは脚本に委ねて演じています。何かを狙ってやろうとか、奇をてらったことをしようとは一切考えていませんでした。
ただ、ああいう楽屋での会話というのは自分も経験があるんです。若い頃、ずっと舞台をやっていたもので。
髙羽と違うのは、あそこまで辛辣な言葉をかけてくる先輩も、あそこまで温かい言葉をくれる先輩もいなかったということ。舞台に立った後、自分の芝居はどうだったんだろうと落ち込む瞬間は何度もありました。鳴り止まない拍手があるわけでもなく、お情けでいただいた拍手しかない状況で楽屋に帰る、みたいな彼の体験は理解できます。
ーー爪痕を残せなかった、というような。
鶴岡:だから今回は、共感からスタートした“髙羽史彦”なんです。そういう経験がないと、髙羽のように振り切ることはできないんだよなって。
ーー舞台に立つ者として、髙羽と共有できるものがあったんですね。
鶴岡:彼の辿ってきた道は、とても自分と似ていると思います。
ーー髙羽を再起させたケンさんとのやり取りは色んな意味で話題になっていました。
鶴岡:そうですね(笑)。残念ながら、ケンさんを演じられたケンドーコバヤシさんとは一緒には録れませんでしたが、セリフの重みがやっぱり違いましたね。
きっとケンドーコバヤシさん自身も色々な経験をされて、先輩も後輩もいろいろ見てきた方だと思うんです。だからこそ、ケンさんの言葉に説得力がありました。
「危なーい!!」衝撃の登場シーンを振り返る
ーー髙羽が登場する第10話をご覧になっていかがでしたか?
鶴岡:髙羽が「危なーい!!」と叫びながら、黄櫨(黄櫨 折)の攻撃を受け止めるわけなんですけど、その爆発のシーンが3回繰り返されるじゃないですか。「危なーい!! なーい!! なーい!!」って(笑)。
今、こんな演出をするのかと驚きましたね。原作では一コマだったものを3回やるのが面白くて。どこか昭和的な演出方法をこの令和にやってみせるのが新鮮でもあり、懐かしくて。まだこんなチャレンジをしてくれるのかと、感動すら覚えました。
実は、あのシーンはアフレコに時間をかけてしまったんですよ。中々髙羽のように振り切ることができなくて。でも、出来上がった映像を見た時に、「全身全霊で挑めばこんな良い映像にしてくれる」と思いました。あのシーンは、監督やスタッフ陣を100%信頼できた瞬間でもあるんです。
ーー常に“オンステージ”の髙羽を演じる際、他のキャラクターとの掛け合いは、どのような意識で臨まれているのでしょうか?
鶴岡:特に「誰が相手だから」というのは関係ないと思います。言ってしまえば、彼はただの闖入者なんですよ(笑)。でもそこに立った瞬間、全部が髙羽史彦のステージになる。他に出演者がいるから「どう使おうかな」という発想しかない気がします。だから究極、相手は誰でもいいのかもしれない(笑)。
ただ、戦況を何となく観察していて、「こういうことができるやつなんだ。じゃあ自分は何しようかな」みたいな。一見、相手を翻弄しているように見えても「こうしたら面白いだろう」というだけだと思います。
ーー「死滅回游」は術師の命をかけた儀式ですが、髙羽はそれも気にしていなさそうです。
鶴岡:「死滅回游」においては「ポイントを取る=目立つ」みたいに考えることもできます。彼にとってポイントは、その程度のものなのかもしれません(笑)。






























